JALAM NEWS LETTER 実験動物医学 Japanese Association for Laboratory Animal Medicine (JALAM) NO.16 / 2001.2 日本実験動物医学会 〒180-8602 東京都武蔵野市境南町1-7-1 日本獣医畜産大学実験動物学教室内 Tel.0422-31-4151(314)
主な内容 ●日本実験動物医学会のお知らせ …………………………………………2 ●第15回日本実験動物医学会教育セミナー ………………………………2 「実験小動物で最近話題になっているヘリコバクターとパスツレラ感染病を考える」 座 長:八神健一(筑波大学)、浦野 徹(熊本大学) (1) はじめに 熊本大学・動物資源開発研究センター 浦野 徹 (2) ヘリコバクター感染病 財団法人実験動物中央研究所 大橋 弘明 (3) パスツレラ感染病 東京医科大学動物実験センター 川本 英一 ●日本実験動物科学技術大会2001案内 ……………………………………3 第16回日本実験動物医学会教育セミナー(日本実験動物科学技術大会2001) 「研究機関における動物実験委員会の役割」 座 長:黒澤努(大阪大学)、松田幸久(秋田大学) (1)わが国の大学の状況 東北大学大学院医学研究科附属動物実験施設 笠井 憲雪 (2)国際的 民間企業の状況 ノバルティスファーマ・筑波研究所 鍵山 直子 (3)米国の状況 秋田大学医学部附属動物実験施設 松田 幸久 ●認定獣医師認定規則(本制度案)の提案 ………………………………4 ●事務局だより ………………………………………………………………8
日本実験動物医学会ならびに 第15回日本実験動物医学会教育セミナーの お知らせ 今春の第131回日本獣医学会(東京農工大学)の折りに開催されます日本実験動物医 学会の日時は以下のごとくです。 4月4日(水) 9:00〜11:30----第15回日本実験動物医学会教育セミナー 4月4日(水)11:30〜12:00----日本実験動物医学会・総会 4月4日(水)13:00〜13:20----日本実験動物医学会・一般講演 第15回日本実験動物医学会教育セミナー 日 時:2001年4月4日(水)9:00〜11:30 場 所:東京農工大学 テーマ:実験小動物で最近話題になっているヘリコバクターとパスツレラ感染病を考える 座 長:八神健一(筑波大学)、浦野 徹(熊本大学) 演 者: (1) はじめに 浦野 徹 (熊本大学・動物資源開発研究センター) (2) ヘリコバクター感染病 大橋 弘明 (財団法人実験動物中央研究所) 1983年、ヒトの胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因菌としてHelicobacter pyloriが発見されて以来、実験動物においても数多くのHelicobacterが明らかにされてきた。1994年、マウスに肝炎や大腸炎を引き起こす病原菌として米国で見出されたH.hepaticusは、米国および我が国のマウスコロニーにおいて高い汚染率が確認された。現在ではマウスの重要な病原体の一つと認識され、国内外の殆どのブリーダーが本菌を微生物モニタリング検査項目として取り入れている。また、H.hepaticusの発見により、実験動物におけるHelicobacterの検査・研究が積極的に進められてきた。 実験動物由来のHelicobacterについては、これまでに12の菌種が報告されているが、H.bilis、H.cinaediおよびH.typhlonicusではH.hepaticusと同様にマウスに対する病原性(肝炎・大腸炎)が確認されているが、それ以外の菌の病原性は不明である。本セミナーではこれまでに実験動物から分離されているHelicobacterについて、菌種、宿主、感染部位、および病原性について述べる。さらに、H.hepaticusを中心に、菌発見の経過、検査法、病原性、動物実験への影響、汚染状況、汚染対策などについて、我々の経験を交えて紹介する。 (3) パスツレラ感染病 川本 英一 (東京医科大学 動物実験センター) 近年、遺伝子改変マウスの授受が盛んとなった結果、実験動物における微生物感染が再び問題となってきている。その微生物のひとつにPasteurella pneumotropicaがある。本菌はグラム陰性、非運動性の短桿菌で、グルコースを分解する。特徴的な生化学的性状として、オルニチン脱炭酸およびウレアーゼ試験陽性があげられる。現在、本菌を含むパスツレラ科の分類については流動的で、DNAハイブリダイゼーションの成績から本菌はパスツレラ属よりもアクチノバチラス属に近いと考えられている。本菌の主たる定着部位は上気道、大腸および膣・包皮で、咽喉頭部に最初に定着する。したがって、主として直接接触および糞便を介する間接接触感染によって伝播が成立する。一次感染として膿瘍や中耳炎がみられるが、多くは不顕性感染である。しかし、ウイルスあるいはマイコプラズマとの重複感染およびストレスにより、肺炎、腸炎、子宮炎などの二次感染が引き起こされる。また、免疫不全動物では重篤な感染がみられる場合がある。本病の診断は臨床症状の観察と菌の分離・同定によって通常行われている。血清診断法としてはLPSを抗原としたELISAが有用である。最近、PCR法を用いた遺伝子診断も開発された。最近の報告では、ニューキノロン系抗菌剤であるエンロフロキサシンの投与により、本病の治療および清浄化に効果が得られている。 本セミナーでは、演者らの若干の実験成績を交えつつ、本病の病因、疫学、病態、感染と発病、診断および治療・予防について概説したい。
日本実験動物科学技術大会2001案内 第16回日本実験動物医学会教育セミナー (日本実験動物科学技術大会2001) 「動物の愛護及び管理に関する法律」が平成11年に改正された。実験動物は今回の改正では対象とはならなかったが、5年後には必要に応じて再改訂される可能性がある。 また、先進諸外国では動物実験に関する国際的なハーモナイゼーションが検討されているが、「動物実験を取り巻く事情が異なる国々において、国際的に受け入れられる科学的かつ倫理的動物実験を推進するには動物実験委員会の役割が重要となる」との指摘がある。 そのため、本シンポジウムでは、動物実験委員会の研究機関内での位置づけ、構成、機能、権限について討論し、わが国の医学生物学の進展に支障をきたすことのない、適切な動物実験の推進の一助としたい。 日 時:平成13年5月10日(9:30〜12:30) 場 所:神奈川県民ホール テーマ:研究機関における動物実験委員会の役割 座 長:黒澤努(大阪大学)、松田幸久(秋田大学) 演 者: 1) わが国の大学の状況 笠井憲雪(東北大学大学院医学研究科附属動物実験施設) 2) 国際的 民間企業の状況 鍵山直子(ノバルティスファーマ・筑波研究所) 3) 米国の状況 松田幸久(秋田大学医学部附属動物実験施設)
認定獣医師認定規則(本制度案)の提案 認定委員会では認定獣医師認定規則について現在の暫定制度に代わる規則について検討してきましたが、ここに本制度案を提案いたします。まだ、十分ではありませんので、皆様のご意見をお寄せ下さい。E-mailを歓迎します。議論は2月末頃に終了したいと思いますので、早めにお寄せ下さい。 また、認定委員会では名市大・安居院高志先生を中心にして試験制度の骨格作りを始めています。案ができましたら皆様にお示しし、ご意見をうかがうつもりです。 ご意見のお寄せ先 笠井憲雪(認定委員会委員長) E-mail: nkasai@mail.cc.tohoku.ac.jp 郵送:〒980-8575 (郵送の場合に郵便番号を記載されますと住所不要です) 仙台市青葉区星陵町2−1 東北大学大学院医学系研究科附属動物実験施設 TEL: 022-717-8174、 FAX: 022-717-8180 なお、本制度の制定と試験実施のスケジュールは次のように考えています。 2000年12月 本制度案を会員に提示・議論 2001年春 医学会総会にて本制度決定 試験制度概要決定 試験問題等の作製開始 2001年10月 模擬試験実施 2002年 2月 本試験実施 日本実験動物医学会認定獣医師認定規則 (本制度案) 第1条 目的 日本実験動物医学会は、「認定制度の提言」の主旨を達成するために認定獣医師制度を設け、試験と資格審査による「認定獣医師」を認定する。 第2条 認定委員会 1 認定獣医師を認定するために認定委員会を設置する。 2 委員長は学会幹事の中から会長が指名し、委員は認定獣医師から委員長が指名する。ただし必要があれば認定獣医師以外からも指名することが出きる。 3 任期は3年とし、再任を妨げない。 第3条 認定審査 認定審査は資格審査と筆記試験からなり、合格にはそれぞれが基準点に達しなければならない。 1 資格審査の基準 (1)獣医師であること。 (2)出願時に3年以上継続しての学会会員(実験動物医学研究会を含む)であること。 (3)別表1の認定獣医師資格基準による合計が70単位以上であること。 2 筆記試験 (1)試験は「実験動物医学総論」の必須科目と「実験動物医学各論」の選択科目からなる。 (2)「実験動物医学各論」は臨床実験小動物、臨床実験大動物からなり、一科目を選択する。 (3)必須科目、選択科目は各50題合計100題(計100点)出題するが、80点以上の得点を合否ラインとする。 3 認定審査を申請するものは審査料を申請時に支払わなければならない。審査料は別に定める。 第4条 認定登録 1 認定審査に合格した者は日本実験動物医学会長より認定証が交付され、認定獣医師名簿に登録される。 2 認定審査に合格した者は認定を受けるために認定料を支払わなければならない。 認定料は別に定める。 第5条 有効期間と更新 1 認定獣医師の資格の有効期間は認定後5年とする。 2 有効期間終了後さらに認定を受けようと思う者は、有効期間終了前に更新をしなければならない。 3 更新には次の資格審査をうける (1)認定獣医師資格取得後の本学会会員歴が継続していること。 (2)別表2.認定獣医師更新資格基準による合計単位が80単位以上であること。 4 更新審査を申請するものは審査料を申請時に支払わなければならない。審査料は別に定める。 5 更新審査合格者は認定を受けるために認定料を支払わなければならない。認定料は別に定める。 第6条 認定の取り消し 認定獣医師に適格でない事由が生じた場合は、認定を取り消すことがある。 第7条 名誉認定獣医師 1 実験動物医学の専門分野に優れた貢献をした個人に「名誉認定獣医師」の称号を授与することが出来る。 2 この称号を受領する者は獣医師の資格は問わない。 3 この称号を受領する者は認定委員会または認定獣医師の会(JCLAM)の推薦 により、日本実験動物医学会理事会により決定される。 4 名誉認定獣医師は認定料等の経費の支払いは求められず、選挙権を含む認定制度の運営に携わることは出来ないが、認定制度の各種活動に加わることができる。 第8条 予備認定獣医師 1 現役を退いた認定獣医師は認定委員会へ申請することにより、予備認定 獣医師として登録する事が出来る。予備認定獣医師は認定獣医師として認定される。 2 予備認定獣医師は認定料等の経費の支払いは免除され、各種選挙権を含む認定制度の運営に携わることは出来ないが、認定制度の各種活動に加わることができる。 第9条 仮登録 1 認定試験に合格後に直ちに認定登録を行わないもの、または更新を求めない認定獣医師は仮登録名簿に登録される。仮登録者は認定獣医師として認定されない。 2 仮登録者は認定制度の運営および活動に携わることは出来ない。また認定獣医師としての権利を行使することは出来ない。 3 仮登録者は認定登録をするか、または更新申請をして更新審査に合格し、認定経費を納入することにより認定獣医師として認定される。 第10条 その他 1 この規程は平成10年8月23日から施行する。 2 この規程は平成11年10月25日に改正した。 3 この規程は平成xx年xx月xx日に改正した。 認定経費に関する申し合わせ 1 認定審査に関わる審査料は20,000円とする。 2 認定審査に関わる認定料は10,000円とする。 3 更新審査に関わる審査料は10,000円とする。 4 更新審査に関わる認定料は5,000円とする。 この申し合わせは平成xx年x月xx日から施行する 別表1.認定獣医師資格単位基準の内訳 評点は必須分野と選択分野からなる。必須分野は全ての条件を満たすこと。選択分野から30単位以上を取得し、必須分野と選択分野の合計70単位を認定の必要単位とする。 ■必須分野:つぎの全てを満たすこと。 1.査読制度のある雑誌に掲載された筆頭著者生命科学関連論文1編 20単位 2.JALAM主催研修会への参加2回 20単位 ■選択分野:必須分野に申請した事項は除くこと。 ・ 実験動物医学分野での経験が5年以上ある 10単位 ・博士号の取得者 10単位 1.査読制度のある雑誌に掲載された生命科学関連論文(必須分野で審査されたものは除く) 筆頭著者 10単位/編 共著者 5単位/編 2.日本実験動物医学会(前身の実験動物医学研究会を含む)(略称:JALAM)、日本実験動物学会(略称:JALAS)および日本獣医学会(略称:JSVS)における学会発表 筆頭著者 JALAM/JALAS/JSVS 5単位/回 共著者 JALAM/JALAS/JSVS 2単位/回 ・JALAM/JALAS/JSVS以外の生命科学関連学会での発表 筆頭著者 3単位/回 共著者 1単位/回 ・JALAM主催研修会への参加 5単位/回(必須分野で審査されたものは除く) ・JALAM主催ウエットハンド研修会への参加 10単位/回 ・JALAMが認めた研修会等への参加 その都度JALAMが単位を決定する 別表2.認定獣医師更新時資格単位基準の内訳 認定獣医師認定後または前回更新後の5年間の活動について単位をつける。活動は学会活(学会発表と研修・試験)とそれ以外の2分野からなる。 更新に必要な単位数を80単位とし、そのうち第1分野から最低40単位取得する。ただし第1分野で80単位を取得しても良い。 ■第1分野 ・日本実験動物医学会(前身の実験動物医学研究会を含む)(略称:JALAM)、日本実験動物学会(略称:JALAS)および日本獣医学会(略称:JSVS)における学会発表 筆頭著者 5単位/回 共著者 2単位/回 ・JALAM企画の研修会参加(単位数はその都度決定する) 参考例 獣医学会での教育セミナー等への参加 10単位/回 同指導的参加(教育セミナー講師等) 13単位/回 ウエットハンド研修会への参加 15単位/回 同指導的参加(研修会講師等) 20単位/回 ・認定筆記試験受験 (全試験を100点満点に換算して) 1点=1単位 ■第2分野 ・JALAM/JALAS/JSVS以外の生命科学関連学会での発表 筆頭著者 2単位/回 共著者 1単位/回 ・査読制度のある雑誌に掲載された生命科学関連論文 筆頭著者 10単位/編、 共著者 3単位/編 ・JALAMが認めた他会の研修会等への参加および指導的参加 その都度JALAMが単位数を設定する(1〜5単位) 例:参加 2単位 指導的参加 4単位 ・認定試験問題作成(公募問題に応募) 3問=2単位 ・研究機関で実験動物医学に関する指導的役割を担う(新規・継続) 10単位 ・博士号の取得 5単位 ・動物実験・実験動物に関する評論(新聞・雑誌・TV・ラジオ等)3単位 ・動物実験・実験動物に関する本の執筆、編集 5単位 ・ 日本獣医師会生涯教育事業(本会主催事業をのぞく) 1ポイント=1単位 20単位まで。 他会企画研修会は前もって調査(申告)し、認定委員会が認定し単位を設定する。 日獣の生涯研修事業と重複しないようにする。 日本獣医師会生涯教育事業は本年度試験的に始まった事業であり、本学会も参加する。 これを利用することにより、地方の会員も単位を稼ぐことが出来る。 ◇更新時単位取得例(5年間で80単位取得例) 1.大学勤務者(1) 第1分野 日本実験動物学会発表 筆頭者 1回 5単位 共著者 3回 6単位 研修会参加 5回 50単位 第2分野 論文発表 共著者 1回 5単位 他会企画研修会参加 5回(×2単位) 10単位 研究機関で実験動物医学に関する指導的役割を担う 10単位 合計 86単位 2.大学勤務者(2) 第1分野 日本実験動物学会発表 筆頭者 1回 5単位 共著者 5回 10単位 研修会参加 3回 30単位 第2分野 論文発表 共著者 1回 5単位 他会企画研修会参加 5回(×2単位) 10単位 研究機関で実験動物医学に関する指導的役割を担う 10単位 試験問題作成 5回 10単位 合計 80単位 3.製薬会社勤務者(1) 第1分野 日本実験動物学会発表 共著者 3回 6単位 研修会参加 4回 40単位 第2分野 他会企画研修会参加 10回(×2単位) 20単位 研究機関で実験動物医学に関する指導的役割を担う 10単位 試験問題作成 2回 4単位 合計 80単位 4.製薬会社勤務者(2) 第1分野 日本実験動物学会発表 筆頭著者 1回 5単位 共著者 3回 6単位 研修会参加 3回 30単位 第2分野 他会企画研修会参加 10回(×2単位) 20単位 研究機関で実験動物医学に関する指導的役割を担う 10単位 試験問題作成 2回 4単位 日本獣医師会生涯教育事業 6単位 合計 81単位 5.地方在住者(1) 第1分野 研修会参加 4回 40単位 第2分野 他会企画研修会参加 5回(×2単位) 10単位 研究機関で実験動物医学に関する指導的役割を担う 10単位 日本獣医師会生涯教育事業 20単位 合計 80単位 6.地方在住者(2) 第1分野 研修会参加 4回 40単位 第2分野 他会企画研修会参加 2回(×2単位) 4単位 研究機関で実験動物医学に関する指導的役割を担う 10単位 日本獣医師会生涯教育事業 18単位 試験問題作成 4回 8単位 合計 80単位
事務局だより 会費納入のお願い 編集委員からのお詫び 編集委員長の不手際と怠慢によりましてJALAMニュースレターNo.16の発刊が遅れ、会員の皆様にご迷惑をおかけいたしましたことお詫び申し上げます。 財団法人実験動物中央研究所 伊藤豊志雄