JALAM NEWS LETTER

実験動物医学
Japanese Association for Laboratory
Animal Medicine (JALAM)
NO.19 / 2002.7

日本実験動物医学会
〒180-8602 東京都武蔵野市境南町1-7-1
日本獣医畜産大学実験動物学教室内
Tel.0422-31-4151(314)



主な内容

本学会会長に就任して 笠井 憲雪
平成14・15・16年度役員(理事)
平成14・15・16年度委員会構成
日本実験動物医学会平成14年度総会議事録
日本実験動物医学会平成14年度第1回理事会報告
●認定委員会からのお知らせ
2003年度日本実験動物医学会認定獣医師認定審査について
日本実験動物医学会認定獣医師認定規則
日本実験動物医学会教育シンポジウム
(第134回日本獣医学会関連集会)
日 時:2002年9月21日 13:00-16:00
場 所:岐阜大学共通教育棟104講義室
テーマ:実験動物施設におけるセキュリティー
座 長:黒澤  努(大阪大学医学部附属動物実験施設)
     佐藤  浩(長崎大学医学部附属動物実験施設)
1.実験動物施設の真のセキュリティー
  大阪大学医学部附属動物実験施設 黒澤  努
2.動物実験施設における動物福祉の推進とセキュリティー対策
  秋田大学医学部附属動物実験施設 松田 幸久
3.実験動物施設とバイオセキュリティー
  長崎大学医学部附属動物実験施設 佐藤  浩
認定獣医師の会(ご案内)
日 時:2002年9月21日 16:00-17:00
場 所:岐阜大学共通教育棟104講義室
テーマ:ACLAMのCD(Laboratory animal Medicine)の解説
●第134回日本獣医学会学術集会(平成14年秋:岐阜)における
日本実験動物医学会エクスカーションの御案内
事務局だより
会員名簿


Main Contents

・New President's belief
Noriyuki Kasai DVM, Ph.D, DJCLAM
・Board of the council members (2002〜2004)
・Committee members (2002〜2004)
・2002 General meeting of Japanese Association for Laboratory Animal Medicine (JALAM)
・2002 First governing meeting of JALAM
・From the certification board
・20th JALAM Scientific Meeting in 134th Japanese Society of Veterinary Science (JSVS)
Scientific Meeting Gifu, September 21, 2002
Seminar:
Security in Laboratory Animal Facilities
1. Genuine Security in Laboratory Animal Facilities
  Tsutomu Miki Kurosawa
  The Institute of Experimental Animal Sciences,
  Osaka University Medical School
2. Animal Welfare and Security in Laboratory Animal Facilities
  Yukihisa Matsuda
  Animal Facilities for Experimental Medicine,
  Akita University School of Medicine
3. Bio-security and Laboratory Animal Facilities
  Hiroshi Sato
  Laboratory Animal Center for Biomedical Research,
  Nagasaki University School of Medicine

・Meeting of JCLAM : Gifu, September 21, 2002
Introduction of CD (Laboratory Animal Medicine) edited by ACLAM
・Excursion tour information in Gifu
・From the Executive Office
Request for Payment of Membership Dues
・JALAM Membership List




本学会会長に就任して
笠井 憲雪

  この度、私は前島前会長の後を引き継ぎ、会長に就任しました。本学会は平成5年4月1日に日本実験動物研究会として発足してから9年目を迎えました。また平成8年に学会と改称してからでも6年目を迎えたことになります。この間、この学会の目標として定めた会員の「実験動物の医学(健康)に関する研究、教育の推進及びその普及」という目的はそれなりのレベルで推進できたと考えています。一つは教育セミナーは毎年着実に行われ、昨年から実験動物学会の際にも行われるようになり、勉強の機会が増えました。そして認定獣医師制度も軌道に乗り、毎年着実に認定者を送り出しています。そういう意味では学会の基礎はできあがったわけで、これからはそれを如何に充実発展させていくか、ということが求められているわけです。
  課題はいくつかあります。一つは試験による認定審査が始まりましたが、受験者は昨年度は3名でした。受験者が増えなければこの制度は衰退します。この制度の必要性を会員にも社会的にも高めなければなりません。二つ目は現在61名誕生した認定獣医師の活動を活発にして、会全体としてアクティビティを上げることです。三つ目は実験動物医学会の社会的な役割を考慮し、そのための活動を行うことです。
  最近の動物実験を巡る状況は大きく変化してきています。情報公開における国立大学と動物実験反対グループとの攻防や、イギリスの過激な反対運動家が日本の大学へ侵入し、「虐待」しているとしてその様子をインターネットで公開したなど、以前にはなかった状況が起こってきました。
  我々は「真に適正な動物実験を行うにはどのようにすべきか」を、我々の立場で熟慮し、それを実行し、社会へアッピールしていくことが重要であろうと思います。このために前会長の引いた路線を発展させ、上記の3つの課題を含め、適宜各種の課題に取り組んでゆきたいと考えています。会員皆様のご協力とご鞭撻をお願いいたします。



平成14・15・16年度役員(理事)

会長(JCLAM担当)笠井 憲雪(東北大学大学院医学系研究科)
副会長(会計担当)浦野 徹(熊本大学動物資源開発研究センター)
理事(渉外担当)有川 二郎(北海道大学大学院医学研究科)
理事(庶務担当)大和田 一雄(山形大学医学部)
理事(渉外担当)黒澤  努(大阪大学医学部)
理事(事務局)斎藤 徹(日本獣医畜産大学)
理事(制度検討担当)前島 一淑(慶応義塾大学医学部)
監事伊藤 豊志男((財)実験動物中央研究所)
監事吉川 泰弘(東京大学大学院農学生命科学研究科)



平成14・15・16年度委員会構成

学術集会委員会
委員長黒澤 努(大阪大学医学部)
委員浦野 徹 (熊本大学)
委員久原 孝俊(順天堂大学)
委員山本 博(富山医科薬科大学)
委員阿部 敏男(武田ラビックス)

情報編集委員会
委員長大和田 一雄(山形大・医)
委員伊藤 豊志雄(実中研)
委員金井 孝夫(東京女子医大)
委員黒澤 努(大阪大・医)
委員斎藤 徹(日獣大)
委員下田 耕治(慶応大)
委員古川 敏紀(広島大・医) (50音順)

認定委員会
委員長有川 二郎(北海道大学大学院医学研究科)
委員吉川 泰弘(東京大学大学院農学生命科学研究科)
委員二宮 博義(麻布大学)
委員黒沢 努(大阪大学医学部)
委員安居院 高志(名古屋市立大学)
委員中川 照丈(科研製薬)
委員宮島 宏彰(新日本科学)

教育委員会
委員長斎藤 徹(日本獣医畜産大学)
委員安居院 高志(名古屋市立大学)
委員大和田 一雄(山形大学医学部)
委員久和 茂(東京大学大学院農学生命科学研究科)
委員篠田 元扶(独協医科大学)
委員二宮 博義(麻布大学)
委員森本 正敏(佐賀医科大学)

実験動物基準検討委員会
委員長浦野  徹(熊本大学動物資源開発研究センター)
委員池田 卓也(バイエル薬品)
委員久和  茂(東京大学・農)
委員日柳 政彦(日本医科学)
委員三枝 順三(産業省産業医学総合研究所)
委員松田 幸久(秋田大学)
委員八神 健一(筑波大学) (50音順)

JCLAM担当WG
担当理事笠井 憲雪(東北大学大学院医学系研究科)
委員松下  悟(放射線医学総合研究所)
 中井 伸子(日本新薬)

制度検討担当WG
担当理事前島 一叔(慶応義塾大学医学部)
委員宮嶌 宏彰(新日本科学)
 笠井 憲雪(東北大学大学院医学系研究科)
 浦野  徹(熊本大学動物資源開発研究センター)



日本実験動物医学会平成14年度総会議事録

日本実験動物医学会平成14年度総会
期日:2002年3月30日
場所:専修大学生田校舎

総会次第
開会
会長あいさつ
議長選出
[1]平成13年度事業報告
[2]平成13年度決算報告
[3]理事選挙結果について
[4]新会長あいさつ
[5]平成14年度事業計画
[6]平成14年度予算案
[7]平成13年度認定獣医師発表
[8]秋の学会と本年度のエクスカーションについて
[9]その他
閉会

[1]平成13年度事業報告

1.総会の開催
平成13年度通常総会
 日時:平成13年4月3日
 場所:東京農工大学農学部
 議事:平成12年度事業報告/平成12年度決算報告/平成13年度事業計画/平成13年度予算案/その他
2.理事会の開催
平成13年度第1回理事会
 日時:平成14年3月19日(火)
 場所:慶応義塾大学医学部綜合医科学研究棟
 議事:新旧合同理事会/平成13年度事業および決算について/平成14年度事業計画および予算について/新理事会構成について/平成14年度総会について
3.学術集会等の開催(学術集会委員会)
(1)第15回実験動物医学会教育セミナー
 日時:平成13年4月4日9:00〜11:00
 場所:東京農工大学農学部(第131回日本獣医学会学術集会)
 テーマ:実験小動物で最近話題になっているヘリコバクターとパスツレラ感染病を考える
 座長:八神健一、浦野徹
  ヘリコバクター感染症 ─ 大橋弘明
  パスツレラ感染症 ─ 川本英一
(2)第16回実験動物医学会教育セミナー
 日時:平成13年5月10日
 場所:神奈川県民ホール(日本実験動物科学技術大会2001)
 テーマ:研究機関における動物実験委員会の役割
 座長:黒澤努(大阪大学)、松田幸久(秋田大学)
  わが国の大学の状況  ─ 笠井憲雪
  国際的民間企業の状況 ─ 鍵山直子
  米国の状況      ─ 松田幸久
(3)第17回実験動物医学会教育セミナー
 日時:平成13年10月7日
 場所:岩手大学(第132回日本獣医学会学術集会)
 テーマ:異種移植
 座長:吉川泰弘
  異種移植 − 人工肝臓の現状と問題点 ─ 杉町圭蔵
  ドナーとしての遺伝子改変ブタ、研究の現状と課題 ─ 佐藤英明
  ドナーとしてのミニブタの繁殖戦略 ─ 中西喜彦
(4)一般演題
 1)平成13年4月2−4日に開催された第131回日本獣医学会総会(東京農工大学農学部)は、日本実験動物医学会関係の一般演題4題が発表された。
 2)平成13年10月6−8日に開催された第132回日本獣医学会総会(岩手大学)では日本実験動物医学会関係の一般演題21題が発表された。
4.会報の発行
JALAM News letter No.17を平成13年7月に、No.18を平成14年2月にそれぞれ発行した。
5.情報活動について(情報委員会)
(1)ホームページの更改が大阪大学のネットワークセキュリティーの強化に伴い困難となった。他の商用サーバーの契約が必要と思われた。
(2)会員用ML、jalamを利用して多くの情報交換がなされた。しかし、不達会員が増加しており、今後その取り扱い(削除、更新、正しい情報の入手手続き等)を考えねばならない。
(3)認定医用ML、jclamを利用して多くの交換がなされた。
(4)認定委員会用MLを利用して多くの議事、とりわけ新しい認定の認定問題の審議、認定作業、認定が審議、決定された。
(5)理事会用MLでは重要な項目について、意見交換、意志決定が行われた。
6.実験動物学教育について(実験動物学教育委員会)
7.認定獣医師について(認定獣医師認定委員会)
(1)平成13年4月4日認定獣医師の会開催
(2)平成13年10月〜平成14年3月平成13年度認定獣医師認定作業を行った。
筆記試験主体による認定に先立ち、まず試験小委員会(安居院委員長)により10月7日に盛岡において模擬試験が行われた。12名が受験した。実際の認定申請は3名が応募し、資格認定後に、平成14年1月27日に東京慈恵会医科大学にて筆記試験が行われた。その結果3名が合格となり、初の本制度による認定獣医師が誕生した。
(3)日本実験動物医学会認定委員会試験小委員会(安居院小委員長)は会議を3回行った。
 第1回試験小委員会期日:5月9日(水)18:00〜19:00
          場所:ワークピア横浜 2F201E会場
 第2回試験小委員会期日:平成13年9月17日 午後1:00〜5:00
          場所:東京慈恵会医科大学 中央棟8階 中央棟会議室
 第3回試験小委員会日時:平成14年1月9日 (水)13:00〜17:00<
          場所:名古屋市立大学医学部 研究棟2F 会議室2
(4)平成13年度認定結果について
今期は3名の申請があった。資格審査および筆記試験の結果3名を合格とした。
(5)平成13年度特別会計収支決算について (決算報告参照)
8.海外交流について (渉外担当理事)
(1)引き続きACLAMニュースレターに定期的にニュースを提供した。
(2)来国のテロリズム問題に関連し、米国実験動物学会には我が国からの参加者がすくなく(担当理事も不参加)新たな情報交換はインターネットを通ずる以外少なかった。
(3)ECLAMから依頼のあったFELASA2002の開告
http://w.mh-hannover.de/institute/tierlabor/gv-so1as/aachentag.htmlをjalamのMLにて広報した。
9.エクスカーション(懇親会)の開催
 第132回日本獣医学会総会(岩手大学)にあわせ、松田幸久先生のお世話により平成13年10月7−8日、秋田大学研修施設「乳頭ロッジ」で行われた。19名の参加があり、盛大に行われ、懇親を深めた。
10.会員の動静(平成14年3月19日現在)
 会員数:257名(平成13年度新規加入者数:9名、退会者数:5名)
11.その他
[1]日本学術会議第6部会獣医学研連主催シンポジウムについて
  第132回日本獣医学会学術集会特別教育講演シンポジウム「日本の獣医学教育の再構築」(座長:唐木英明、内藤善久)において、「実験動物:獣医学教育における実験動物学教育のあり方一大学主導の卒後教育制度の確立を−」というタイトルで、笠井憲雪(東北大学)が講演を行った。
[2]平成13年度決算報告  別紙参照
[3]理事選挙について
  平成14年度〜平成16年度理事選挙の結果、下記の7名の会員が選出された。
(選挙委員長 宮嶌宏彰先生)。
有川二郎、浦野徹、大和田一雄、笠井憲雪、黒澤努、斎藤徹、前島一淑  (アイウエオ順)
[4]新会長あいさつ
[5]平成14年度事業計画
1.新理事会および学会委員会の体制について
新理事が選出された事に伴い、新理事会および学会委員会の体制を提案する。
(1)理事会体制
会長、副会長、事務局担当、庶務担当、会計担当、渉外担当、制度検討担当、JCLAM担当、監事(2名)
(2)委員会体制……以下の5委員会とする。
学術集会委員会、情報・編集委員会、認定委員会、実験動物医学教育委員会、実験動物基準、検討委員会委員長
2.学術集会委員会(学術集会委員会)
(1)第18回教育セミナーの開催
(平成13年4月2〜4日の第133回日本獣医学会総会にあわせて開催)
 日 時:平成14年3月30日
 場 所:専修大学生田校舎
 テーマ:パネルデスカッション
  「実験動物医学会よりの総理府告示(実験動物基準)の見直し」教育講演
  「ヒトおよび実験動物のパルポウイルス感染症」
(2)第19回教育セミナーの開催
(平成14年5月23−25日第49回日本実験動物学会にあわせて開催予定)
 場 所:名古屋国際会議場
1)パネルディスカッション:日本における動物実験での苦痛判断
日 時:平成14年5月22日 10:00−12:30
2)教育セミナー:バラインフルエンザウイルス感染について
日 時:平成14年5月22日 13:30−15:00
(3)第20回教育セミナーの開催
平成14年9月に岐阜で行われる第134回日本獣医学会総会にあわせて開催予定演題等未定
3.情報・編集委員会
会報の発行:前年度と同様に、No.19とNo.20の発行を予定している。
MLの維持(JALAM,)およびHPの維持・更新を行う。
4.実験動物学教育委員会
実験動物学講義、実習カリキュラムの検討を行う。
5.認定獣医師認定委員会
試験小委員会と共に平成14年度の認定獣医師認定審査を行う。
6.実験動物基準検討委員会
昭和55年に総理府から告示された「実験動物の飼養及び保管等に関する基準」の見直しについて検討する。
7.国際および関係団体交流について(渉外担当理事)
(1)引き続き内外の関係団体との交流につとめる
(2)会員の中から内外関係団体へのリエゾンを任命し、より確実な情報交換につとめる。
8.本学会制度の見直し(制度検討担当理事)
JALAM運営も漸く軌道に乗ったので、一層の発展のために、組織、運営等を含めて制度の見直しを行う(改正を必須の前提としたものではない)。とくに、役員の選挙方法や任期制度、理事会や委員会のあり方、JCLAMとの関係等々について検討し、必要ならば会則等の改正を含むしかるべき提案を行いたい。
9.認定獣医師の会(JCLAM)の運営の活性化(JCLAM担当理事)
認定獣医師が60名に達し、試験制度による認定者もできたので、JCLAM会員及びJALAM会員の資質の向上のために、JCLAM会員の役割や仕事を明確にし、会の制度を確立する。
[6]平成14年度予算案(別紙参照)
[7]平成13年度認定獣医師発表(敬称略)
(平成14年3月25日付け)
 阿部敏男 (認定第059号) 梶原典子(認定第060号) 中井伸子(認定第061号)
 申請者3名 合格者3名
[8]秋の学会と本年度のエクスカーションについて
 今秋の学会は次の通りです。
 と き:2002年9月19−21日
 ところ:岐阜大学、岐阜市民会館
 エクスカーションは名古屋市立大学安居院先生に計画をお願いしています。
[9]その他



平成13年度決算報告

収入の部
項目予算額決算額備考
平成12年度繰越金  864,986 
平成13年度学会(助成金)  83,415 
所属研究団体費    
普通会費平成13年度 150,00075名
    平成12年度 22,00011名
    平成11年度 6,0003名
    平成10年度 6,0003名
    平成 9年度 4,0002名
    平成14年度 60,00030名
    上記年度以外 16,0008名
平成13年度認定獣医師受験料  20,0001名
合計  1,232,401 

支出の部
項目予算額決算額備考
コピーカード代  6,000 
金庫  15,225 
切手代  7,640 
ニュースレターNo.17  113,375 
製作費(含郵便料)    
(振込手数料)  630 
理事選挙送付作業  62,626 
(振込手数料)  630 
講演料  341,7803名分
(謝礼、旅費、日当など)    
宅急便代(投票用紙送付)  1,270 
ニュースレターNo.18  105,112 
製作費(含郵便料)    
(含平成14年度総会開催通知)    
(振込手数料)  630 
郵便振替(認定委員会)  250,000 
認定獣医師受験申請費  20,000(認定委員会)
パネルデイスカッション資料印刷費  1,480 
合計  926,398 
収入合計1,232,401 
支出合計926,398 
差引残高306,003(平成14年度繰越金)

平成13年度の会計監査を会計簿より監査した結果、正確かつ正しく運用されていることを認める。
  平成14年3月23日
  会計監事  朱宮正剛
  会計監事  木村  透

平成13年度特別会計決算報告書

1.収入の部
平成12年度繰り越し 346,975
通帳利子 214
平成13年度認定審査料¥20,000×4人80,000
平成13年度認定料¥10,000×3人30,000
事務局より〈※1〉 250,000
 707,189

2.支出の部
認定証交付(平成12年度分15組)150,000
会議旅費443,880
会議費7,907
通信費8,220
審査料返金(※2)20,000
630,007
 ¥77,182

(※1)1名分の審査料が間違って事務局に振り込まれた為、事務局から送金してもらう際、その20,000円も一緒に振り込んでもらいました。従って、事務局から実際に振り込まれた金額は270,000円です。
(※2)申請者1名が認定料振込後申請を取り下げたので、認定料を返金しました。
内訳:申請書返送料610円、返金18,970円、左記振込手数料420円、合計20,000円

適正に処理されていることを認めます。
  平成14年3月23日
  朱宮正剛
  木村 透

平成14年度予算案

収入の部
平成13年度繰越金306,003
獣医学会助成金80,000
平成14年度会費(2,000円×150名)300,000
合 計686,003

支出の部
理事会費(交通費)110,000
学術集会費100,000
機関誌ニュースレター作製費(含郵送費)250,000
通信費10,000
事務費10,000
予備費50,000
次期繰越金156,003
合 計686,003



日本実験動物医学会平成14年度第1回理事会報告

平成13年度第1回理事会

日  時:平成14年3月19日(火)
場  所:慶応義塾大学医学部綜合医科学研究棟
出席者:笠井  憲雪(東北大学大学院医学系研究科)
    浦野    徹(熊本大学動物資源開発研究センター)
    斎藤    徹(日本獣医畜産大学)
    大和田一雄(山形大学医学部)
    黒澤    努(大阪大学医学部)
    有川  二郎(北海道大学大学院医学研究科)
    前島  一淑(慶応義塾大学医学部)
    伊藤豊志雄((財)実験動物中央研究所)
議  事:1.新旧合同理事会
    2.平成13年度事業および決算について
    3.平成14年度事業計画および予算について
    4.新理事会構成について
    5.平成14年度総会について

上記議事に従い、平成14年度総会の項に報告した内容を審議した。



認定委員会からのお知らせ

2003年度日本実験動物医学会認定獣医師認定審査について

  認定委員会では本年度の日本実験動物医学会認定獣医師の認定のための審査を下記の要領で行います。受付はまだ先ですが、どうぞご準備下さい。
  なお、今年の審査申請は学会会員歴3年以上であることが必要ですので、2000年度までに会員になり、2002年度まで会費を納めている方に限られます。
  会員歴については下記「お問い合わせ先」にお問い合わせ下さい。
  メールでの問い合わせを歓迎します。

○認定審査日程
申請書請求2002年 10月15日より11月20日(必着)
申請受付開始2002年 11月 1日
申請受付締め切り2002年 11月30日
資格審査結果通知2002年 12月25日 まで
筆記試験2003年 1月26日(日)会場、未定 (全国数カ所で実施予定)
合格発表2003年 2月14日
認定料振込期限2003年 3月20日
認定日2003年 3月25日

   
○申請書の請求について
申請書の請求期限は2002年11月20日(必着)です。申請書の請求は郵送若しくはメールで行うことができます。
(1)郵送の場合:申請書は11月20日までに下記へ140円切手同封のうえ郵便 にてご請求下さい。
   (申請書請求先)
   北海道大学大学院医学研究科附属動物実験施設
   日本実験動物医学会認定委員会
   〒060-8638  札幌市北区北15条西7丁目
   ※「申請書請求」とお書き下さい。
 
(2)メールの場合:shino-h@med.hokudai.ac.jp宛に請求してください。
   ただし、書類はMS Wordで添付書類でお送りします。
○申請書の受付
   申請書の受付は11月30日(必着)が締め切りです。すべて「郵送」で受け付けます。
   (申請書送付先)
   北海道大学大学院医学研究科附属動物実験施設
   日本実験動物医学会認定委員会
   〒060-8638  札幌市北区北15条西7丁目 ※「申請書在中」とお書き下さい。

(お問い合わせ先)
北海道大学大学院医学研究科 附属動物実験施設
〒060-8638札幌市北区北15条西7丁目
     TEL 011-706-6906、 FAX 011-706-7879
     担当者 橋場 しのぶ E-mail : shino-h@med.hokudai.ac.jp
 
     認定委員会委員長 有川 二郎



日本実験動物医学会認定獣医師認定規則

第1条  目的
日本実験動物医学会は認定獣医師制度を設け、試験と資格審査による「認定獣医師」を認定する。
第2条  認定委員会
  認定獣医師を認定するために認定委員会を設置する。
  委員長は学会理事の中から会長が指名し、委員は認定獣医師から委員長が指名する。ただし必要があれば認定獣医師以外からも指名することができる。
3    任期は3年とし、再任を妨げない。
第3条  認定審査
認定審査は資格審査と試験からなり、合格にはそれぞれが基準点に達しなければならない。
  資格審査の基準
 (1)獣医師であること。
 (2)出願時に3年以上継続して学会会員であること。
 (3)別表1の認定獣医師資格基準による合計が70単位以上であること。
  試験
 ・試験方法については別途定める。
  認定審査を申請するものは審査料を申請時に支払わなければならない。審査料は別に定める。
第4条  認定登録
  認定審査に合格した者は日本実験動物医学会長より認定証が交付され、認定獣医師名簿に登録される。
  認定審査に合格した者は認定を受けるために認定料を支払わなければならない。認定料は別に定める。
第5条  有効期間と更新
  認定獣医師の資格の有効期間は認定後5年とする。
  有効期間終了後さらに認定を受けようと思う者は、有効期間終了前に更新をしなければならない。
  更新には次の資格審査をうける
(1)認定獣医師資格取得後の本学会会員歴が継続していること。
(2)別表2.認定獣医師更新資格基準による合計単位が80単位以上であること。
  更新審査を申請するものは審査料を申請時に支払わなければならない。審査料は別に定める。
  更新審査合格者は認定を受けるために認定料を支払わなければならない。認定料は別に定める。
第6条  認定の取り消し
認定獣医師に適格でない事由が生じた場合は、認定を取り消すことがある。
第7条  名誉認定獣医師
  実験動物医学の専門分野に優れた貢献をした個人に「名誉認定獣医師」の称号を授与することができる。
  この称号を授与される者は獣医師の資格を問わない。
  この称号を授与される者は認定委員会または認定獣医師の会〈JCLAM〉の推薦により、日本実験動物医学会理事会により決定される。
  名誉認定獣医師は認定料等の経費の支払いは求められず、選挙権を含む認定制度の運営に携わることはできないが、認定制度の各種活動に加わることができる。
第8条  生涯認定獣医師
1 現役を退いた認定獣医師は認定委員会へ申請することにより、生涯認定獣医師として登録する事ができる。生涯認定獣医師は認定獣医師として認定される。
2 予備認定獣医師は認定料等の経費の支払いは免除され各種選挙権を含む認定制度の運営に携わることはできないが、認定制度の各種活動に加わることができる。
第9条  予備登録
  認定審査に合格後直ちに認定登録を行わないもの、または更新をしないものは予備登録名簿に登録される。予備登録者は認定獣医師として認定されない。
  予備登録者は認定制度の運営および活動に携わることはできない。また認定獣医師としての権利を行使することはできない。
  予備登録者は認定登録をするか、または更新申請をして更新審査に合格し、認定経費を納入することにより認定獣医師として認定される。
  予備登録の有効期限は5年とする。ただし、特別の事情がある場合には延長することができる。
第10条  その他
  この規程は平成10年8月13日から施行する。
  この規程は平成11年10月25日に改正した。
  この規程は平成13年4月4日に改正した。

認定経費に関する申し合わせ
1  認定審査に関わる審査料は20,000円とする。
2  認定審査に関わる認定料は10,000円とする。
3  更新審査に関わる審査料は10,000円とする。
4  更新審査に関わる認定料は 5,000円とする。
この申し合わせは平成13年4月4日から施行する

【別表1.】 認定獣医師資格単位基準の内訳
評点は必須分野と選択分野からなる。必須分野は全ての条件を満たすこと。選択分野から30単位以上を取得し、必須分野と選択分野の合計70単位を認定の必要単位とする。
 
□必須分野:つぎの全てを満たすこと。
1.査読制度のある雑誌に掲載され、自らの研究活動を証明できる原著または短報の筆頭著者生命科学関連論文1編 20単位
2.JALAM主催研修会への参加2回 20単位
□選択分野:必須分野に申請した事項は除くこと。
実験動物医学分野での経験が5年以上ある 10単位
博士号の取得者 10単位
1.査読制度のある雑誌に掲載された原著または短報、あるいは症例報告などの生命科学関連論文(必須分野で審査されたものは除く)
 筆頭著者10単位/編 共著者 5単位/編
2.日本実験動物医学会(前身の実験動物医学研究会を含む)(略称:JALAM)、日本実験動物学会(略称:JALAS)および日本獣医学会(略称:JSVS)における学会発表
筆頭著者 JALAM/JALAS/JSVS 5単位/回
共著者 JALAM/JALAS/JSVS 2単位/回
JALAM/JALAS/JSVS以外の生命科学関連学会での発表
筆頭著者 3単位/回 共著者 1単位/回
JALAM主催研修会への参加 5単位/回(必須分野で審査されたものは除く)
JALAM主催ウェットハンド研修会への参加 10単位/回
JALAMが認めた研修会等への参加 その都度JALAMが単位を決定する

【別表2.】 認定獣医師更新時資格単位基準の内訳
認定獣医師認定後または前回更新後の5年間の活動について単位をつける。活動は学会活動(学会発表と研修・試験)とそれ以外の2分野からなる。
更新に必要な単位数を80単位とし、そのうち第1分野から最低40単位取得する。ただし第1分野で80単位を取得しても良い。
 
□第1分野
日本実験動物医学会(前身の実験動物医学研究会を含む)(略称:JALAM)、日本実験動物学会(略称:JALAS)および日本獣医学会(略称:JSVS)における学会発表
筆頭著者 5単位/回   共著者  2単位/回
JALAM企画の研修会参加(単位数はその都度決定する)
   参考例
 獣医学会での教育セミナー等への参加 10単位/回
 同指導的参加(教育セミナー講師等〉 13単位/回
 ウェットハンド研修会への参加 15単位/回
 同指導的参加(研修会講師等) 20単位/回
認定筆記試験受験 (全試験を100点満点に換算して)1点=1単位
 
□第2分野
JALAM/JALAS/JSVS以外の生命科学関連学会での発表
 筆頭著者 2単位/回   共著者1単位/回
査読制度のある雑誌に掲載された生命科学関連論文
 筆頭著者10単位/編、  共著者 3単位/編
JALAMが認めた他会の研修会等への参加および指導的参加
 その都度JALAMが単位数を設定する (1〜5単位)
   例:参加 2単位  指導的参加 4単位
認定試験間超作成(公募問題に応募) 3問=2単位
研究機関で実験動物医学に関する指導的役割を担う(新規・継続)10単位
博士号の取得 5単位
動物実験・実験動物に関する評論(新聞・雑誌・TV・ラジオ等)3単位
動物実験・実験動物に関する本の執筆、編集 5単位
日本獣医師会生涯教育事業(本会主催事業を除く)1ポイント=1単位20単位まで。

他会企画研修会は前もって調査(申告)し、認定委員会が認定し単位を設定する。日獣の生涯研修事業と重複しないようにする。
日本獣医師会生涯教育事業は本年度試験的に始まった事業であり、本学会も参加する。これを利用することにより、地方の会員も単位を獲得することができる。

◇ 更新時単位取得例 (5年間で80単位取得例)

1.大学勤務者(1)
第1分野日本実験動物学会発表筆頭者 1回 5単位
共著者 3回 6単位
研修会参加5回50単位
第2分野論文発表共著者 1回 5単位
他会企画研修会参加5回(×2単位)10単位
研究機関で実験動物医学に関する指導的役割を担う10単位

合計86単位
   
2.大学勤務者(2)
第1分野日本実験動物学会発表筆頭者 1回 5単位
共著者 5回10単位
研修会参加3回30単位
第2分野論文発表共著者 1回 5単位
他会企画研修会参加5回(×2単位)10単位
研究機関で実験動物医学に関する指導的役割を担う10単位
試験問題作成5回 10単位

合計80単位
   
3.製薬会社勤務者(1)
第1分野日本実験動物学会発表共著者 3回 6単位
研修会参加4回40単位
第2分野他会企画研修会参加10回(×2単位)20単位
研究機関で実験動物医学に関する指導的役割を担う10単位
試験問題作成2回 4単位

合計80単位
   
4.製薬会社勤務者(2)
第1分野日本実験動物学会発表筆頭著者 1回 5単位
共著者 3回 6単位
研修会参加3回30単位
第2分野他会企画研修会参加10回(×2単位)20単位
研究機関で実験動物医学に関する指導的役割を担う10単位
試験問題作成 2回 4単位
日本獣医師会生涯教育事業6単位

合計81単位
   
5.地方在住者(1)
第1分野研修会参加4回40単位
第2分野他会企画研修会参加5回(×2単位)10単位
研究機関で実験動物医学に関する指導的役割を担う10単位
日本獣医師会生涯教育事業20単位

合計80単位
   
6.地方在住者(2)
第1分野研修会参加4回40単位
第2分野他会企画研修会参加2回(×2単位)4単位
研究機関で実験動物医学に関する指導的役割を担う10単位
日本獣医師会生涯教育事業18単位
試験問題作成4回 8単位

合計80単位
   


7.更新単位を取得していない場合(1)または不足の場合(2)
 (1)第一分野 認定筆記試験受験 80点取得  合計80単位
 (2)第一分野 不足分を認定筆記試験受験で取得する。

□試験の概要
(1)試験は「実験動物医学総論」の必須科目と「実験動物医学各論」の選択科目からなる。
(2)「実験動物医学各論」はA及びBからなり、どちらか一科目を選択する。
対象動物
 A:主としてゲッシ目並びにウサギ目。鳥類、爬虫類、両生類、魚類なども含む。
 B:主としてネコ、イヌ、サル、ブタ、ヤギ、ヒツジなど。その他中・大動物も含む。
(3)試験問題は全て5肢択一とする。
(4)総論には動物種に限定されない共通問題のほか、各動物種固有の基礎的各論問題も含まれる。
(5)総論50点、各論50点の計100点満点で、80点以上を合格とする。

□参考教科書
「獣医実験動物学」光岡知足、波岡茂郎、輿水馨、前島一淑編、川島書店、1990
「実験動物学」田嶋嘉雄監修、朝倉書店、1991
「最新実験動物学」前島一淑、笠井憲雪編、朝倉書店、1998

上記の教科書はあくまで参考教科書であって、時事的問題などで逸脱もありえます。




日本実験動物医学会教育シンポジウム
(第134回日本獣医学会関連集会)

日時:2002年9月21日(土) 13:00-16:00
場所:岐阜大学共通教育棟104講義室
テーマ:実験動物施設におけるセキュリティー
座長:黒澤 努(大阪大学医学部附属動物実験施設)
佐藤 浩(長崎大学医学部附属動物実験施設)

1.実験動物施設の真のセキュリティー
大阪大学医学部附属動物実験施設 黒澤 努

2.動物実験施設における動物福祉の推進とセキュリティー対策
秋田大学医学部附属動物実験施設 松田幸久

3.実験動物施設とバイオセキュリティー
長崎大学医学部附属動物実験施設 佐藤 浩

講演要旨

1.実験動物施設の真のセキュリティー
黒澤  努
大阪大学医学部附属動物実験施設
  動物実験に関する批判の声はなにも最近の事象ではない。すでに実験動物学という概念が形成される以前から動物実験に反対する活動は始まっていた。当初の動物実験反対運動は純粋に動物愛護の気持ちから発生し、たとえば“ペットとして可愛がられている動物を麻酔もせずに切り刻むとはけしからん”といった意見であったかもしれない。一部の動物愛護団体が未だにこうした理由で動物実験反対を叫ぶのはどこか方向の違いが感ぜられる。その一方、そうした批判を受け続けるところをみると我々にも良く点検して、改善すべきは改善するという積極的な姿勢が足りなかったかもしれない。
  動物愛護運動とは別に動物実験反対運動が1人歩きを始めた。多くの先進国は法治国家であり、民主的な話し合いの上でルールを設定し、それを遵守することを前提に社会生活が営まれてきた。もし現行の法律に異議があれば、まずそこの改訂を行った上で、自己の主張を実現すべきである。これに対して一人歩き始めた動物実験反対運動家の中には違法な行為をもっぱらに行う者がグループを形成して違法活動を繰り返し行い始めた者がいる。当然こうしたグループも動物愛護団体であると名乗る場合もあるが、国際的にはこうしたグループの活動は良心的な動物愛護運動を妨害しているとして排斥される風潮となってきている。
  しかし、我が国では未だ動物愛護運動と手段を選ばず動物実験反対運動を行う活動の間を明確に認識する風潮が感ぜられない。後者はすでに放火、爆発、恐喝などを行っているので、実験動物施設も相当な警備を強化すべきであると思われるが、未だ十分とは思われない。これは、これまで行ってきたセキュリティー対策といってもあくまでも遵法的な団体に対しても、研究活動が妨げられないようにすることを主眼として、すなわち犯罪とまではいえないが迷惑行為を未然に防ぐことを目的としての準備だけであったためと思われる。欧米の事象を参考にすると、我が国でも違法行為を行う運動家に対しての対策が必要となってきたのかもしれない。
  最近発生した動物実験反対運動家の活動を分析し、実験動物施設のセキュリティーの弱点を指摘し、今後の考え得る対策に対する考えを述べる。
  しかし、社会的なセキュリティー強化は市民全体からの支持が得られなければ物理的な対策を行っても容易に崩壊する。実験動物が基盤として支えるバイオメディカルサイエンスは究極的には人類の福祉とりわけ、病に陥ったり、障害を持つ社会的弱者の予防救済はもとより、疾病に陥った動物の治療をも目的として発展してきた。間接的にではあるが、多くの動物実験はこうした最終目的に貢献している。残念ながら多くの動物愛護家にはこの点がまだ良く理解されて居らず、今後もその理解を求め続ける努力は怠ってはならない。


2.動物実験施設における動物福祉の推進とセキュリティー対策
松田 幸久
秋田大学医学部附属動物実験施設
  1999年に改正された「動物の愛護及び管理に関する法律」では、動物実験に関しては「現行の基準に基づく自主管理を基本とすべき」として、今回の改正から除外された。ここでいう自主管理とは、大学を例にあげると、1987年に文部省学術国際局長から出された「大学等における動物実験について(通知)」に基づいて、各大学が自主的に動物実験指針を制定し、動物実験委員会を設置して「科学的にはもとより動物福祉の立場からも適切に配慮された動物実験の実施を図る」というものである。この行政指導に基づき各大学では動物実験委員会による実験計画書の審査を実施するなど、実験動物の福祉を推進している。また、インターネットの普及した情報社会において動物実験関係者への動物福祉の推進、さらには動物実験に対する一般社会の人々の理解を得ることを目的として自主的にホームページ(HP)を開設している動物実験施設も増えている。当施設でも数年前からHPを開設しているが、最近、HPを見た動物実験反対者から施設職員に対する悪質な脅迫メールが送られてきた。このため、HPから施設職員の名前を削除するとともに警察(ハイテク犯罪対策室)に届け出るなどの対策を講じた。
  ところで2000年に「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」が施行されたが、動物福祉の推進にあたり各大学の自主管理では不十分であるとして、愛護団体の関係者を含む個人から幾つかの大学が動物実験計画書の開示請求を受けた。某大学では国立大学医学部長会議の見解をもとにプライオリティーと個人の識別情報を除いて実験計画書を開示したところ、開示請求者から全面開示を求めて不服申請が出された。大学側と請求者の意見を調整するために内閣府に諮問した結果、動物実験の責任者、従事者の個人名(講師以上)および動物実験が行われる場所等を開示するようにとの答申が出された。
  開示情報は請求者以外の者が見ることも可能であるため、先のHPに対する脅迫状への対処と同様に実験計画書の開示にあたっては個人名は出すべきではないと考える。諸外国においても動物実験計画書を全面開示しているところはほとんどなく、わが国と同様に国立大学の多いニュージーランドでは「研究機関や組織で働いている職員の安全をまもる必要がある場合には、実験計画書に含まれる個人名および実験操作が行われる場所を非開示とすることは受け入れられる」としている。
  特に、最近では英米においてSHACと称する過激な動物実験反対団体が動物実験関係者に肉体的、精神的苦痛を与えており、これらの団体がわが国の動物実験施設にも不法侵入したとの報道がある。このような状況からわが国でも実験関係者および動物実験施設のセキュリティーに配慮する必要がある。今回は当施設に送られてきた脅迫メールへの対応、さらには基準の改正も含め、ソフト面でのセキュリテー対策にについて述べてみたい。


3.実験動物施設とバイオセキュリティー
佐藤  浩
長崎大学医学部附属動物実験施設
  昨年9月11日の米国ニューヨーク・マンハッタンにおける物理的テロ事件以後続発した炭疽菌芽胞と思われる病原微生物によるテロリズム、すなわちバイオテロリズム(以下、バイオテロと略)に対するバイオセキュリティーが全世界で問題となっている。バイオテロには、「生物兵器(biological warfare)」のように直接的に脅威となるもののほかに、「穀物」や「家畜」に被害をおよぼし、その後間接的に人類に被害をもたらすいわゆる農業テロ(agroterrorism)もあり、植物、動物、人類が被害対象としてあげられる。また、外来動物の移入種問題もある。バイオテロには化学的なものと生物学的なものとがあり、生物学的な代表である病原微生物は、細菌(炭疽、ツラレミア、ペストなど)や真菌など数多くあるが、予防や治療が困難、テロ効果が高い、あるいは輸送しやすいという点などからウイルス、その中でも特に人獣共通感染症を引き起こすものがもっとも危険なものとして考えられている(リフトバレー熱、ニパ、天然痘「サル痘」、口蹄疫、各種出血熱、あるいは実験動物にかかわるものとしては人為的に作製されたマウスIL-4遺伝子組込みエクトロメリアウイルスなど)。また、毒素もきわめて危険な物質としてその脅威が認識されている。
  バイオテロに対するバイオセキュリティー(biological security → biosecurity)という言葉は、1997年にILARから出版された「Occupational Health and Safety in the Care and Use of Research Animals:近々日本実験動物環境研究会から翻訳本が出版される予定」には見あたらない。したがって、1997年の時点では米国でも実験動物や実験動物施設関係のバイオメディカル分野ではバイオセキュリティーはほとんど問題視されていなかったと推測される。しかし、昨今、実験動物施設でも考慮すべき幾つかの問題点が浮かび上がってきている。たとえば、ヒトまたは家畜に感染する病原微生物を使用した感染動物実験にともなう感染動物、人為的に作製された遺伝子改変動物、また実験動物施設そのものなどである。感染実験の場合はレベル3以上が特に問題となる。また汚染床敷や病原体保管フリーザー(冷蔵庫を含む)も対象となりうるが、一般的な実験動物はSPF動物の利用が今日主体であるからこれは問題とならない。遺伝子改変動物の場合、ひとたび逸走、放逐等により自然生態系に移入された場合、生物多様性保全上の問題が生じるおそれがあることから適切な管理が必要とされる。
  実験動物施設のバイオセキュリティー上、今後考えなければならないものとして、バイオセキュリティーのためのガイドラインやプログラム作成がある。セキュリティーリスクの解析、研修・教育、区域への入退出コントロールやアクセスを見張るメカニズムの導入、効果評価等種々あり、それらについて述べる予定であるが、いくらガイドラインやプログラムを作成しても最終的に最も重要なのはヒトの問題であり、施設職員および施設利用者である研究者個々の高潔さに帰着するのではないかと考えている。



認定獣医師の会 (ご案内)
 
日  時:2002年9月21日 16:00-17:00
場  所:岐阜大学共通教育棟104講義室
テーマ:ACLAMのCD(Laboratory animal Medicine)の解説
※第134回日本獣医学会学術集会におけるその他の関連のあるワークショップ、シンポジウム等
○シンポジウム
テーマ:獣医学教育における動物利用のあり方―獣医倫理の観点から―
日  時:平成14年9月20日(金)14:30-17:30
場  所:学会第X会場(全学共通講義棟)
講演者:竹内  啓(日本大学)
 林  良博(東京大学)
 池本卯典(日本獣医畜産大学)
 杉山  誠(岐阜大学)
 伊藤茂雄(北海道大学)
 若尾義人(麻布大学)
コーディネーター:前島一叔(慶應義塾大学)、鈴木義孝(岐阜大学)
○ワークショップ
テーマ:感染症研究と実験動物
日  時:平成14年9月21日(土)10:30-12:30
場  所:岐阜大学全学共通講義棟
コーディネーター:安居院高志(名古屋市立大学)



日本実験動物医学会エクスカーションのご案内

●第一部 長良川の鵜飼
鵜飼を見ながら貸し切り船上にて夕食を食べます(鮎も出るということです)。
日時:9月20日(金)18:00〜
費用:一人17,000円
   (宿泊費、翌日の朝食、旅館での二次会代も含む、参加人数により1,000円程度の増減あり)
宿泊込みの方が安上がりですので、参加者の方はこの日はこちらの指定の旅館にお泊まりいただきます。
旅館は岐阜市内ですので翌日学会会場へは楽に行けます。参加される方はこの日は他のホテル等の予約はなさらないで下さい。
定員:29名以内(先着順)

●第二部 きのこ狩りと渓流釣り
岐阜県ひるがの高原の別荘に1泊し、きのこ狩りと渓流釣りを楽しみます。
採れた獲物を自分たちで料理して食べます。
(但し、釣りをやる人は道具は御自分で持参下さい。)
日時:9月21日(土)17:30(学会日程全て終了後)〜9月22日(日)14:00
費用:一人5,000円(宿泊費、朝昼晩三食、お酒、交通費その他全て含む)
定員:10名以内(先着順)

 以上第一報として取りあえず御連絡申し上げます。参加を希望される方は御予定をしておいて下さい。詳細は第二報以降で御連絡いたします。
 参加予約の最終期限は1ヶ月程前を予定しておりますが、今の時点で既に参加の予約をされる方がおりましたら承っておきます。
○担当幹事
安居院 高志(あぐい たかし)
名古屋市立大学大学院医学研究科実験動物研究教育センター
〒467-8601 名古屋市瑞穂区瑞穂町字川澄1番地
TEL 052-853-8108
FAX 052-841-6187
E-mail t.agui@med.nagoya-cu.ac.jp



事務局だより

会費納入のお願い

同封の振込み用紙を用い、平成14年度会費(2,000円)の納入をお願い致します。
前年度以前の会費を未納の方は、振込み用紙にその旨を記載いただき、一緒に振込みをお願い致します。
郵便振替 00190−3−715229
加入者名 日本実験動物医学研究会