実験動物医学
Japanese Association for Laboratory Animal Medicine (JALAM)
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E-mail:jalam@iexas.med.osaka-u.ac.jp
実験動物医学 No.5, 1996
実験動物医学におけるインターネットの有効利用
黒澤努(阪大・医・動験)
はじめに:実験動物医学分野の研究活動の中でのインターネットの有効利用はま
だ少ない。ここではインターネットを概説し、演者の考える実験動物医学とそこでの電子
メール環境の整備の重要性、さらにこの分野の有用なインターネット上の資源について詳
説する。
インターネット:これは1980年代に米国で生まれた情報交換技術である。当
初、実験動物医学分野でインターネットを利用する研究者は非常に少なく、専門的な情報
交換はほとんどなされなかった。1990年になりコンピューター機器が大幅に値下がり
し、ネットワークが整備されたことなどから、広い分野で使われるようになった。199
3年にはWEBサーバーが随所で公開され、それを参照するWEBブラウザーがされ、インター
ネットの有効利用が拡大した。1994年になるとわが国の大学がWEBサーバーを上げ始
め、国内情報もインターネット経由で入手可能となった。この年に実験動物医学関係では
わが国で最初のWEBサーバーも公開された。1995年になると既存のdatabaseサーバー
もWEBサーバーとしてのサービスを始めたことから、インターネットを介して実験動物医
学に有用な情報を容易に入手できるようになった。
実験動物医学:これはわが国では新しく生まれた学問分野である。ようするに実
験動物という概念が定着し、それを対象とした医学である。すなわち一般的な医学は人を
対象とし、獣医学は動物一般を対象とするのと同様である。したがってその方法論は同じ
である。ただ、実験動物を対象とした医学であるから、実験動物の診断、治療すなわち診
療がその最終目標としてあることは言うまでもない。新しい学問分野では関連情報の体系
だった収集は困難である。したがってインターネットを介した情報収集は他の分野よりも
必要性の高いものとなる。実験動物医学研究者は数が少なく、その一方で高度な専門知識
が要求される。また実験動物は試薬と同じく国際標準化が必要であり、国際的な情報交換
がとくに求めらる。したがってインターネットを利用した情報交換はまさに実験動物医学
のためにこそ最も有効なものであるといえよう。
電子メールリスト(ML):電子メールを個人的に交換するうちは、その情報量も限られる。同報通信である電子メールリストの利用により情報量は格段に増す。これはあらかじめ情報を共有しようとするメンバーの電子メールアドレスをリストにしておき、それを代表するひとつのアドレスとして同報通信をするシステムである。実験動物医学研究会のMLはjalam@iexas.med.osaka-u.ac.jp である。この利用による会員の知識の向上と研究会の経費のかからない民主的な運営法を概説する。こうした専門家同士のMLによる議論は全て自動的にarchiveして保存し、databaseとして利用できる。実際、世界最大の実験動物医学のMLであるCOMPMED@WUVMD.WUSTL.EDUは全てのメールをdatabase化している。さらにこのdatabaseをWEBサーバー上で公開することもできる。
WEBブラウザーとサーバー:従来のコンピューターによる情報は文字情報であり
、それらを取得するにはキーボード入力が必須であった。これをhypertextといわれる、
ポインターを指示するとリンクされているファイル(それが他のコンピューター上にあっ
てもインターネット上に有ればよい)を参照することが出来るシステムの開発がインター
ネットの普及に拍車をかけた。これは文字以外の静止画、音楽、動画などマルチメディア
の情報収集をも可能にした。WEBサーバーは多数公開されているが、そのうち実験動物医
学関連のサーバーを紹介する。
わが国の医学系のWEBサーバーとしては大阪大学医学部のhttp://www.med.osaka-u.ac.jp札幌医科大学のhttp://www.sapmed.ac.jp/は全学的な広がりをもった著名なサイトである。東京大学医学部では、わが国の医学医療関連情報を網羅したhttp://cc.umin.u-tokyo.ac.jp/0euc/indexj.htmlを提供している。またここにはわが国の医学関連学会を紹介したhttp://cc.umin.u-tokyo.ac.jp/1euc/society.htmlもある。実験動物学関連では1994年から公開されたわが国最初のWEBサーバーである大阪大学医学部附属動物実験施設http://hayato.med.osaka-u.ac.jpがあり、関連WEBサーバーも多数リンクされている。また家畜衛生試験場のhttp://ss.niah.affrc.go.jp/は獣医学情報が豊富でリンクも多い。科研費総合A半田班はわが国の実験動物系統databaseを理研のサーバーを使って公開しているhttp://www.wdcm.riken.go.jp/wdcm/Animal.html。
海外での実験動物医学分野の最も優れたサーバーはnetvet、http://netvet.wustl.eduであろう。ここにはすでに関連WEBサーバーのリンク依頼が来るほどで、今後も成長を続けるであろう。最近Nature、http://www.nature.com/といった一流雑誌を始めとして多数の雑誌がWEBサーバーで目次を公開し始めている。またWEBサーバー、あるいは電子メールでのみでなりたつ電子学術雑誌も増えてきた。さらに学術団体が会員の情報交換と発信のためにWEBサーバーを上げ始めた。わが国の実験動物系の研究会では実験動物環境研究会がhomepageを公開したhttp://hayato.med.osaka-u.ac.jp/index/societies-j/env-j.html。実験動物医学研究会のWEBサーバーについても現在検討中である。
E-mail to 黒澤努
kurosawa@iexas.med.osaka-u.ac.jp
jalam@iexas.med.osaka-u.ac.jp