JALAM NEWS LETTER

実験動物医学
Japanese Association for Laboratory
Animal Medicine (JALAM)

NO.23 / 2004.8
日本実験動物医学会
〒180-8602 東京都武蔵野市境南町1-7-1
日本獣医畜産大学実験動物学教室内
Tel.0422-31-4151(314)
URL http://www.adthree.com/jalam/


主な内容日本実験動物医学会へのお誘い日本実験動物医学会認定獣医師へのすすめ日本実験動物医学会前島賞の創設について  ・日本実験動物医学会前島賞表彰規程平成17年度〜平成19年度理事選挙について「認定獣医師」の「専門獣医師」への名称変更について平成16年度日本実験動物医学会総会について認定委員会からのお知らせ  ・2004年度(平成16年度)日本実験動物医学会認定獣医師認定審査   ならびに認定獣医師資格更新審査日程について  ・日本実験動物医学会認定獣医師試験委員選考規定  ・日本実験動物医学会認定獣医師認定規則  ・第138回日本獣医学会における認定獣医師資格単位対象プログラム第138回日本獣医学会における実験動物医学関連一般演題  日 時:2004年9月11日 9:00〜12:00  場 所:(第138回日本獣医学会第6会場) ●「認定獣医師の会」のご案内  日時:平成16年9月11日(土) 15:00〜17:00(シンポジウム終了後)  場所:第138回日本獣医学会第6会場 (高等教育機能開発総合センター) ●秋(第138回日本獣医学会時)のエクスカーションのお誘い日本学術会議第7部報告:  動物実験に対する社会的理解を促進するために(提言) ●学術集会委員会からのお知らせ  ・第138回日本獣医学会秋季学術集会時のシンポジウム  ・第139回日本獣医学会春季学術集会時の教育講座  ・学術集会委員会からのお願い事務局だより  会費納入のお願い
〜実験動物学・動物実験に携わる研究者・獣医師の皆様へ〜 日本実験動物医学会へのお誘い 日本実験動物医学会は日本獣医学会実験動物分科会として、実験動物学や実験動物に携わる研 究者や獣医師によって作られました。この学会は会員の資質の向上を目指して、各種研修の実施 および認定獣医師の認定などを行っています。これらを通して、本学会は日本の実験動物学の向 上や適正な動物実験の実施、動物実験倫理の向上に貢献することを目的としています。 教育セミナー、シンポジウムおよびワークショップ等研修機会の提供 年2回の日本獣医学会学術集会や日本実験動物学会総会において、実験動物医学や動物実験倫 理に関するセミナー等を企画し、研究発表の機会を設け、会員の自主的な研鑚を支援しています。 会員専用メーリングリストの提供  専用メーリングリストを設け、会員間で実験動物医学に関する専門的な議論や質疑応答を行っ ています。 認定獣医制度による認定  本学会は「認定獣医師」の認定制度を設け、資格試験と筆記試験によって実験動物医学の専門 知識と技術をもつ獣医師を認定しています。  是非、この機会に実験動物学・動物実験に携わる研究者・獣医師の皆様へ本学会に参加されま すよう、お誘いいたします。 ***** 現在平成16年度からの新入会員の受付を行っています。 詳しい情報は http://www.adthree.com/jalam/ をご覧ください。 入会申し込みやお問い合わせは、下記の実験動物医学会事務局まで 日本実験動物医学会事務局 〒180-8602 東京都武蔵野市境南町1-7-1 日本獣医畜産大学実験動物学教室内 Tel:0422-31-4151(内線314) E-mail:trsaito@nvau.ac.jp 〜実験動物学・動物実験に携わる獣医師の皆様へ〜 日本実験動物医学会認定獣医師へのすすめ 日本実験動物医学会は、獣医師が日本の実験動物学の向上や適正な動物実験の実施、動物実験 倫理の向上に貢献するために「認定獣医師」の認定制度を設けました。これは資格試験と筆記試 験によって実験動物医学の専門知識と技術をもつ獣医師を認定するものです。現在61名が認定獣 医師として各方面で活躍しています(平成14年4月1日現在)。そして認定獣医師により「認定 獣医師の会」を組織して、さらに研鑚を積んでいます。また、専用メーリングリストを設け高度 の専門性を持った議論や質疑応答を行っています。 このような資格制度は欧米でも行われており、特に米国では1960年に American Collage of Laboratory Animal Medicine(ACLAM)が設立され、これまでに700名以上の獣医師がこの資格を 取得し、米国の動物実験管理や倫理の向上に貢献しています。  医学生命科学研究のグローバリゼーション化が求められるなか、国際的にも通用する能力を備 えた実験動物・動物実験の管理のプロフェッショナル集団としての獣医師の役割を果たすために、 ぜひ認定獣医師の資格を取得することをお勧めします。  認定審査は毎年11月に申請受付を行い、12月に資格審査、そして翌年1月に筆記試験を行い、 合否を判定しています。また、認定獣医師審査申請希望者は出願時に(1)獣医であること(2) 出願時点で2年以上継続しての日本実験動物医学会員であること、が必要です。 ***** 詳しい情報はhttp://www.adthree.com/jalam/をご覧ください。 お問い合わせは下記の認定委員会事務局まで 日本実験動物医学会認定委員会事務局 〒060-8638 札幌市北区北15条西7丁目 北海道大学大学院医学研究科附属動物実験施設 Tel:011-706-6906/Fax:011-706-7879 E-mail:ninntei@med.hokudai.ac.jp 日本実験動物医学会前島賞の創設について  前島前会長から本学会へ80万円の寄付申し込みがなされました。理事会はこの寄付金を基金と して日本実験動物医学会前島賞を創設し、若手会員の学会発表論文に対して授与することとしま した。毎年の日本獣医学会実験動物分科会で発表した講演者が37歳以下のものの中から、JCLAM から選出された選考委員により受賞者を1名選考し、授与します。表彰は本年度より行うことを 目指します。  以下に表彰規定を示します。 日本実験動物医学会前島賞表彰規程 第1条 本会は実験動物医学に関し特に優れた業績をあげた本学会会員を顕彰し、前島賞を授与 する 2 受賞候補者は原則として個人とし、受賞年度末において37歳以下の正会員とする 3 表彰は通常総会において行う 第2条 表彰に関する経費は前島基金とする 第3条 表彰は毎年1件とし、賞状と副賞からなる 2 副賞の内容は理事会において決定する 第4条 前島賞の選考対象となる業績は、その重要な内容が原則として過去3年間に日本獣医学 会実験動物分科会に発表された一般演題とする 第5条 本賞に対する受賞候補者の選考は前島賞選考委員会が当たり、選考の経過ならびに結果 を書面をもって会長に報告する 2 選考委員会の委員は本学会認定獣医師の中から選考し、委員長は理事が当たる 第6条 会長は選考委員会の選考結果に関する報告を理事会に諮り、受賞者を決定する 付 記 本規程の改廃は理事会の決定による 本規程は平成16年4月4日から施行する 平成17年度〜平成19年度理事選挙について 今年は理事の改選が行われます。おおよそのスケジュールは次の通りです。   10月頃:選挙管理委員会を設置する。   12月頃:選挙の施行   1月頃:当選者決定 「認定獣医師」の「専門獣医師」への名称変更について  認定獣医師名称検討ワーキンググループ(黒澤努主査:阪大医学部)により標記の検討が行わ れ、以下の報告がなされた。 2004.08.02 日本実験動物医学会 会長 笠井憲雪 殿 認定獣医師名称検討ワーキンググループ報告 主  査:黒澤 努 メンバー:中井伸子 松下 悟  認定獣医師名称検討ワーキングは日本実験動物医学会笠井憲雪会長から検討を命ぜられ2004年 4月20日にメーリングリストを立ち上げ上記メンバーで発足した。 以来医学界における専門医制度、および獣医学界における専門医制度に関する資料を収集し、 議論を重ねてきた。とくに日本獣医師会では専門医制度に関して日本獣医師会専門医制度検討委 員会を結成して検討を行っているのでその報告書も十分に検討した。 http://group.lin.go.jp/nichiju/mag/05701/index.htm 結論:  日本実験動物医学会認定獣医師は実験動物医学専門医と改称することが適当である。 ただし今後、実地修練の充実、専門医名の公表など医学界等で求められている条件に適合する よう制度を改善していくことが望ましい。 理由:  今回の検討にあたって本会が認定している獣医師を認定医とすべきか専門医とすべきかが議論 された。医学界においてもこの区別は際めて難しいとされている。関連資料から伺えたところで は、認定医は臨床経験などを十分に積んだ者に対して与えられる称号で、専門医はその専門性を なんらかの(多くは試験による)方法により認定委員会等で審査し、専門医としての技量、知識 などが一定の基準以上であると判断された者に与えられる称号と思われた。また医学界では専門 医の称号を与えるにあたって、いくつかの条件を提示している。現在、日本専門医認定制機構で は専門医の定義を以下のようにしている。「専門医認定制協議会(有限責任中間法人日本専門医 認定制機構の前身)では、5年間以上の専門研修を受け、資格審査ならびに試験に合格して、学 会等によって認定された医師を専門医と定義しています。」 この観点から、本会ではすでに資格審査ならびに認定試験を実施していて、その合格水準を公 表した上で、認定を行っていることから、認定医とするよりも専門医とするのが適当であると考 えられた。  また海外および我が国での関連称号との比較を行った。 日本獣医師会専門医制度検討委員会が両用語の定義を提示しており、我々を既に専門医と認識 していることが明らかとなった。ただし他の専門医とされた獣医病理学,毒性病理学,比較眼科 学では前2者を専門家と称し、後者を専門医ないし専門家と標榜している。比較眼科学で専門医 に統一されないのは、学会認定者の中に獣医師以外の専門家が包含されていることによるものと 思われる。 さらに米国では、専門医(獣医師を含む)を Diplomate と称していることが日本獣医師会専 門医制度検討委員会の報告書で述べられている。本会では、米国実験動物医学専門医協会(AC LAM)および欧州実験動物医学専門医協会(ECLAM)に対して、我が国にも同様の制度が あり(JCLAM)、専門家であると認定された者を Diplomate と称することを通告し、周知さ れている。 http://www.eclam.org/flinks.html これらを勘案すると本会が認定している獣医師は国内外の関係者にすでに専門医としての認識が 十分広まっていることから、専門医と称することが自然である。 ただし以下のような意見もあるので参考としてここに記録しておく。 1,新規認定時や更新時に、学会等への参加の他、テストまたは実地訓練があれば「専門医」と 称して良い。 2,実技試験や面接試験などの方法で多少その当たりの実力を測ることもできると思う。 3,実験動物医学会で認められたセミナーや講習会への参加ポイントが一定に達した時点で、無 試験で先ず「認定医」の呼称を与え、その後、試験を受けて専門医にすれば良いのではないか と思う。 4,厚生労働大臣が定める研修体制、試験制度その他の事項に関する基準(平成14年3月29 日厚生労働省告示第159号)  医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関して広告することができる事項第二十六号 に規定する厚生労働大臣が定める研修体制、試験制度その他の事項に関する基準は、次の各号 に掲げる基準とする。 一 学術団体として法人格を有していること 二 会員数が千人以上であり、かつ、その八割以上が医師又は歯科医師であること 三 一定の活動実績を有し、かつ、その内容を公表していること 四 外部からの問い合わせに対応できる体制が整備されていること 五 医師又は歯科医師の専門性に関する資格(以下「資格」という。)の取得条件を公表し ていること 六 資格の認定に際して五年以上の研修の受講を条件としていること 七 資格の認定に際して適正な試験を実施していること 八 資格を定期的に更新する制度を設けていること 九 会員及び資格を認定した医師又は歯科医師の名簿が公表されていること 平成16年度日本実験動物医学会総会について  さる2004年4月4日、日本大学生物資源学部において平成16年度日本実験動物医学会通常総会 が開催されました。平成15年度事業報告決算、平成16年度事業計画及び予算等が審議され、承認 されました。以下に主な点を示します。 [1]平成15年度事業報告 1.総会の開催   平成15年度通常総会   日時:平成15年4月1日   場所:東京大学農学生命科学研究科(第135回日本獣医学会学術集会)   議事:平成14年度事業報告/平成14年度決算報告/平成15年度事業計画/平成15年度予算案 /その他 2.理事会の開催(平成15年度第1回理事会)   日時:平成15年7月31日    場所:仙台厚生年金保養センター   議事:「実験動物基準」について/日本獣医師会:獣医師専門医機構設立準備協議会への参加 について/本年度認定制度の実施について/認定獣医師の会の活動について/名誉認定獣 医師の選考について/前島先生からの寄付の使用法について/秋の獣医学会(青森)スケ ジュールと浅虫エクスカーション(確認)/来春の獣医学会企画について/動物実験倫理 研究会任意団体の設立プランについて/医学会会員勧誘について─今後の課題 3.学術集会等の開催(学術集会委員会) (1)日本実験動物医学会ワークショップ   日時:平成15年3月31日 9:00〜12:00   場所:東京大学農学生命科学研究科(第135回日本獣医学会学術集会)   テーマ:認定獣医師の役割   座長:黒澤努、山本博      認定獣医師制度の歴史…………………………………黒澤 努      認定獣医師試験について………………………………安居院高志      大学における教育と認定獣医師制度…………………吉川 泰弘      企業が求める認定獣医師………………………………池田 卓也      医学研究が求める認定獣医師…………………………笠井 憲雪 (2)日本実験動物医学会シンポジウム   日時:平成15年4月1日 9:00〜12:00   場所:東京大学農学生命科学研究科(第135回日本獣医学会学術集会)   テーマ:実験動物に対する獣医学的診断治療   座長:浦野徹、阿部敏男      実験動物感染症の診断……………………………………伊藤豊志雄      マウス・ラットの緑膿菌感染における治療法…………浦野 徹      マウスのパスツレラニューモトロピカ感染の治療……八神 健一      イベルメクチンを用いたマウスの蟯虫感染症の治療…末田 輝子 (3)日本実験動物医学会教育シンポジウム    日時:平成15年5月28日 13:00〜16:00    場所:大宮ソニックシティ(第50回日本実験動物学会)    テーマ:実験動物施設のセキュリティー    座長:黒澤努、佐藤浩      実験動物施設におけるバイオセキュリティー……………杉山 和良      実験動物施設を訪れた動物実験反対運動家………………黒澤 努      顔認識技術を用いた実験動物施設のセキュリティー……小野 健一、宮田 博文 (4)日本実験動物医学会ワークショップ    日時:平成15年10月3日 14:20〜16:00    場所:青森県農業共済会館(第136回日本獣医学会学術集会)    テーマ:実験動物医学に関連した今日的問題    コーディネーター:笠井憲雪、黒澤努、山本博    SARS(重症急性呼吸症候群)の対策……………………………田口 文広    実験動物の飼養及び保管等に関する基準………………………八神 健一 (5)一般演題 1)平成15年4月1日に開催された第135回日本獣医学会総会(東京大学農学部)では、日 本実験動物医学会関係の一般演題8題が発表された。 2)平成15年10月3日に開催された第136回日本獣医学会総会(北里大学)では、日本実験 動物医学会関係の一般演題13題が発表された。 4.情報活動について(情報委員会)  (1)ALAMニュースレター21号(平成15年8月)、22号(平成16年3月)を発行した。 (2)JALAM ホームページを運用した。 5.認定獣医師の認定について(認定獣医師認定委員会) (1)平成15年度認定獣医師認定について 本年、3名の認定獣医師申請者があり、申請者の資格審査を提出種類に基づき認定委員会 委員によって審査し、申請者3名全員が受験資格を満たしていることを判定した。次いで、 平成16年1月25日、筆記試験を日本獣医畜産大学において実施し2名を合格と判定した。 (2)平成15年度認定獣医師資格更新審査について 平成10年度に認定された認定獣医師、32名のうち、更新申請のあった27名について審査を 行い、全員を資格更新合格と判定した。 (3)日本実験動物医学会認定委員会試験小委員会(安居院小委員長) 認定試験問題作成を継続し、平成16年1月9日 慈恵医科大学において試験小委員会を開 催し、試験問題の検討を行った。 6.ウエットハンド講習会について(学術集会委員会) 平成15年11月29日(土)13時30分から12月1日(月)12時30分、栃木県河内郡南河内町薬師 寺3311-1 自治医科大学実験医学センターにおいて初めてのウエットハンド講習会を開催した。 受講者は6名で、講師陣7名により「動物実験成績に対する麻酔薬の影響」をテーマとしてな された。 実習内容:「マウスの麻酔」/「ラットおよびウサギの麻酔」/「麻酔銃による実験動物の 麻酔」/「ブタの麻酔」/「自治医科大学手術室見学」/「実験動物の安楽死」 7.海外交流について(渉外担当理事)   ACLAM、ECLAM等海外学術友好団体と情報交換を行い、JALAMおよびJCLA MのMLに関連情報を提供した。 8.エクスカーション(懇親会)の開催   2003年10月3日(金)公立学校共済組合浅虫保養所 帰帆荘にて15名の参加者を得て行われ た。お世話:星信彦先生(北里大学) [2]平成15年度決算報告 1.一般会計報告について 平成15年度決算報告 収入の部 支出の部 平成16年3月31日 平成15年度の会計監査を会計簿より監査した結果、正確かつ正しく運用されていることを認める。 会計監事 吉川泰弘 印 会計監事 伊藤豊志雄 印 2.特別会計収支決算について 平成15年度特別会計決算報告書 1. 収入の部 2. 支出の部 (※)新規申請者3名の内、1名が前年度に審査料納入・審査合格していたので今年度は徴収し なかった。 適正に処理されていることを認めます。 平成16年3月26日 吉川泰弘 印 伊藤豊志雄 印 [3]平成16年度事業計画 1.学術集会委員会(学術集会委員会)企画 (1)実験動物医学会シンポジウム「サル類における循環器疾患モデル」 2004年4月4日 9:00〜12:00 座長:山本 博(富山医科薬科大)、古藤正男(中外医科学研究所) 基調講演:「サル類を用いた研究の国際的動向」ほか (2)ワークショップ「感染症新法と実験動物医学」 2004年4月4日 15:00〜18:00 座長:浦野徹(熊本大学)、黒澤努(大阪大学) 基調講演「感染症新法の考え方-実験動物医学の関わり」ほか (3)第51回日本実験動物学会 2004年5月19日 13:00〜16:00 シンポジウム、ワークショップ、教育講演などを企画 (4)第138回日本獣医学会 2004年9月10〜12日 シンポジウム、ワークショップ、教育講演などを企画中 2.情報・編集委員会 (1)JALAMニュースレター23号(平成16年7月)、24号(平成17年2月)を発行する。 (2)JALAM ホームページの充実を図る。 3.認定獣医師認定委員会 (1)日本実験動物医学会認定獣医師試験委員選考規定を議論し、決定する(後段に提案)。 (2)平成16年度の認定獣医師審査を行う。 (3)平成11年度認定獣医師の資格更新差の資格認定を行う。 (4)試験委員の改選を行う。 4.実験動物基準検討委員会   「動物の愛護及び管理に関する法律」日本実験動物医学会改正案を作製し、各界に提案する。 5.本学会制度の見直し(制度検討担当理事) 標記について、前島理事の提案を議論し、見直しを行う。 6.認定獣医師の会(JCLAM)の運営) 引き続き、認定試験問題作成、ウエットハンド講習会の支援を行う。 [4]平成16年度予算案 平成16年度予算案 収入の部 支出の部 [5]日本実験動物医学会前島賞奨励賞の創設について   前島前会長から本学会へ80万円の寄付申し込みがなされた。理事会としてはこの寄付金を基 金として日本実験動物医学会前島賞を創設し、若手会員の学会発表論文に対して授与すること とした。毎年春の学会の実験動物分科会で発表した講演者が37歳以下のものの中から、JCLAM から選出された選考委員により講演会場で評価し、1名に授与する。日本実験動物医学会前島 賞表彰規程は理事会で決定し、本年度より行うことを目指す。 [6]日本実験動物医学会認定獣医師試験委員選考規定について   標記規定を作製し、円滑な試験委員の選考を行う。 [7]理事選挙について   平成17年度〜平成19年度理事選挙をおこなう。会長委嘱の選挙管理委員会が実務を執行(選 挙細則2)。会長の権限で委員長と委員を指名する。 おおよそのスケジュール   10月頃:選挙管理委員会を設置する。   12月頃:選挙の施行   1月頃:当選者決定 [8]「認定獣医師」の「専門獣医師」への名称変更について   日本獣医師会で検討している専門獣医師制度に合わせて名称変更を行う。   変更する場合に現在の認定獣医師規程の内容を変える必要があるか。 [9]日本獣医学会への動物実験指針策定への提案について   金井会員(東京女子医大)から、「日本獣医学会には動物実験に関する指針がない。これは 日本獣医学会の実験動物、動物実験に対する考え方が、いまだ整備されてないように思える。 今後、実験動物医学会で検討していただき、われわれの獣医師の母体となる学会としても、ま た獣医学領域の中心であって欲しいという希望としても、日本獣医学会へ早急に検討してほし い」とのご意見をいただいた。確かにおかしいことと思い、獣医学会土井理事長宛に指針策定 の要望書を出すこととした。 [10]秋の学会と本年度のエクスカーションについて   今秋の学会は次の通り。林先生に企画をお願いする。   と き : 2004年9月10〜12日   ところ : 北海道大学      お世話 : 林 正信先生(酪農学園大学) 認定委員会からのお知らせ 〔2004年度(平成16年度)日本実験動物医学会認定獣医師認定審査ならびに認定獣医師資格更新 について〕  認定委員会では本年度の日本実験動物医学会認定獣医師の認定審査ならびに認定獣医師資格更 新を下記の要領で行います。受付はまだ先ですが、どうぞご準備下さい。  認定獣医師としての審査申請は学会会員歴3年以上であることが必要ですので、2002年度(平 成15年3月末日)までに会員になり、2004年度分(平成16年度分)まで会費を納めている方に限 られます。  又、今年度は第二回認定獣医師(1999年度、2000年3月25日認定)の資格更新手続きが必要で す。 会員歴、その他手続きに関する事は下記「お問い合わせ先」にお問い合わせ下さい。メールで の問い合わせを歓迎します。 認定審査日程(予定) 申請書請求     2004年10月12日より11月19日 申請書受付開始    2004年11月1日 申請書受付締め切り 2004年11月30日まで 資格審査結果通知   2004年12月24日まで 筆記試験      2005年1月29日(日)会場未定。(全国数カ所で実施予定) 合格発表      2005年2月12日 認定料振込期限    2005年3月19日 認定日       2005年3月25日 更新認定審査日程(予定) 申請書請求     2004年10月12日より11月19日 申請書受付開始    2004年11月1日 申請書受付締め切り 2004年11月30日まで 更新資格審査結果通知 2004年12月24日まで 認定料振込期限    2005年3月19日 認定日       2005年3月25日 〈円滑な試験委員の選出を行うために試験委員選考規定を制定しました〉 日本実験動物医学会認定獣医師試験委員選考規定 第1条 認定委員会の下に試験委員により組織される試験小委員会をおく。 第2条 委員は日本実験動物医学会認定獣医師の中から本人の行った登録に基づき認定委員会に おいて決定し、認定委員長が委嘱をする。試験小委員会委員長は委員の中から認定委員会で決 定し、認定委員長が委嘱をする。 第3条 認定獣医師は下記の10の試験分野のうち一ないし二分野を選択しそれに登録する。最低 一分野には必ず登録をしなければならない。 2 試験分野は次のとおりとする   1) 解剖A  2) 生理A 3)遺伝育種A    4)感染症・一般疾病A  5)解剖B  6)生理B    7)感染症・一般疾病B  8)実験手技・麻酔・鎮痛・術後管理AB   9)発生工学AB  10)環境・動物福祉・法規AB 3 登録及び登録の変更は認定委員長宛に行う。 第4条 委員の任期は4年とし、2年ごとに半数改選を行う。改選は以下の二つのグループに分 けグループごとに行う。   Aグループ    1) 解剖A  3)遺伝育種A  6)生理B     7)感染症・一般疾病B  8)実験手技・麻酔・鎮痛・術後管理AB   Bグループ    2)生理A  4)感染症・一般疾病A  5)解剖B    9)発生工学AB  10)環境・動物福祉・法規AB 第6条 委員は分野の如何にかかわらず原則として二期連続して選考されてはならない。ただし、 登録された認定獣医師の数が少ない分野において二期連続することがやむを得ない場合にはこ のかぎりではない。 付記 本規規定の改廃は理事会の決定による。     本規定は平成16年4月4日から施行する。 日本実験動物医学会認定獣医師認定規則 第1条 目的  日本実験動物医学会は認定獣医師制度を設け、試験と資格審査による「認定獣医師」を認定す る. 第2条 認定委員会  1 認定獣医師を認定するために認定委員会を設置する.  2 委員長は学会理事の中から会長が指名し、委員は認定獣医師から委員長が指名する.ただ し必要があれば認定獣医師以外からも指名することができる.  3 任期は3年とし、再任を妨げない. 第3条 認定審査  認定審査は資格審査と試験からなり、合格にはそれぞれが基準点に達しなければならない.  1 資格審査の基準  (1)獣医師であること.  (2)出願時に3年以上継続して学会会員であること。  (3)別表1の認定獣医師資格基準による合計が70単位以上であること.  2 試験   試験方法については別途定める. 3 認定審査を申請するものは審査料を申請時に支払わなければならない.審査料は別に定め る. 第4条 認定登録  1 認定審査に合格した者は日本実験動物医学会長より認定証が交付され、認定獣医師名簿に 登録される。  2 認定審査に合格した者は認定を受けるために認定料を支払わなければならない。認定料は 別に定める。 第5条 有効期間と更新  1 認定獣医師の資格の有効期間は認定後5年とする.  2 有効期間終了後さらに認定を受けようと思う者は、有効期間終了前に更新をしなければな らない.  3 更新には次の資格審査をうける  (1)認定獣医師資格取得後の本学会会員歴が継続していること.  (2)別表2.認定獣医師更新資格基準による合計単位が80単位以上であること.  4 更新審査を申請するものは審査料を申請時に支払わなければならない.審査料は別に定め る.  5 更新審査合格者は認定を受けるために認定料を支払わなければならない.認定料は別に定 める. 第6条 認定の取り消し  認定獣医師に適格でない事由が生じた場合は、認定を取り消すことがある. 第7条 名誉認定獣医師 1 実験動物医学の専門分野に優れた貢献をした個人に「名誉認定獣医師」の称号を授与する ことができる. 2 この称号を授与される者は獣医師の資格を問わない. 3 この称号を授与される者は認定委員会または認定獣医師の会〈JCLAM〉の推薦により、日 本実験動物医学会理事会により決定される. 4 名誉認定獣医師は認定料等の経費の支払いは求められず、選挙権を含む認定制度の運営に 携わることはできないが、認定制度の各種活動に加わることができる. 第8条 生涯認定獣医師 1 現役を退いた認定獣医師は認定委員会へ申請することにより、生涯認定獣医師として登録 する事ができる.生涯認定獣医師は認定獣医師として認定される.  2 予備認定獣医師は認定料等の経費の支払いは免除され各種選挙権を含む認定制度の運営に 携わることはできないが、認定制度の各種活動に加わることができる. 第9条 予備登録 1 認定審査に合格後直ちに認定登録を行わないもの、または更新をしないものは予備登録名 簿に登録される.予備登録者は認定獣医師として認定されない. 2 予備登録者は認定制度の運営および活動に携わることはできない.また認定獣医師として の権利を行使することはできない. 3 予備登録者は認定登録をするか、または更新申請をして更新審査に合格し、認定経費を納 入することにより認定獣医師として認定される. 4 予備登録の有効期限は5年とする.ただし、特別の事情がある場合には延長することがで きる. 第10条 その他  1 この規程は平成10年8月13日から施行する.  2 この規程は平成11年10月25日に改正した.  3 この規程は平成13年4月4日に改正した. 認定経費に関する申し合わせ  1 認定審査に関わる審査料は20,000円とする.  2 認定審査に関わる認定料は10,000円とする.  3 更新審査に関わる審査料は10,000円とする.  4 更新審査に関わる認定料は 5,000円とする. この申し合わせは平成13年4月4日から施行する 別表1.認定獣医師資格単位基準の内訳  評点は必須分野と選択分野からなる.必須分野は全ての条件を満たすこと.選択分野から30単 位以上を取得し、必須分野と選択分野の合計70単位を認定の必要単位とする. □必須分野:つぎの全てを満たすこと.  1.査読制度のある雑誌に掲載され、自らの研究活動を証明できる原著または短報の筆頭著者  生命科学関連論文1編 20単位  2.JALAM主催研修会への参加2回 20単位 □選択分野:必須分野に申請した事項は除くこと.  ・実験動物医学分野での経験が5年以上ある10単位  ・博士号の取得者 10単位  1.査読制度のある雑誌に掲載された原著または短報、あるいは症例報告などの生命科学関連 論文(必須分野で審査されたものは除く)    筆頭著者10単位/編   共著者 5単位/編  2.日本実験動物医学会(前身の実験動物医学研究会を含む)(略称:JALAM)、日本実験動物 学会(略称:JALAS)および日本獣医学会(略称:JSVS)における学会発表   筆頭著者  JALAM/JALAS/JSVS 5単位/回   共著者   JALAM/JALAS/JSVS 2単位/回  ・JALAM/JALAS/JSVS以外の生命科学関連学会での発表   筆頭著者 3単位/回  共著者 1単位/回 JALAM主催研修会への参加 5単位/回(必須分野で審査されたものは除く)  ・JALAM主催ウェットハンド研修会への参加10単位/回  ・JALAMが認めた研修会等への参加  その都度JALAMが単位を決定する 別表2.認定獣医師更新時資格単位基準の内訳  認定獣医師認定後または前回更新後の5年間の活動について単位をつける.活動は学会活動 (学会発表と研修・試験)とそれ以外の2分野からなる.  更新に必要な単位数を80単位とし、そのうち第1分野から最低40単位取得する.ただし第1分 野で80単位を取得しても良い. □第1分野  ・日本実験動物医学会(前身の実験動物医学研究会を含む)(略称:JALAM)、日本実験動物学 会(略称:JALAS)および日本獣医学会(略称:JSVS)における学会発表   筆頭著者 5単位/回   共著者  2単位/回  ・JALAM企画の研修会参加(単位数はその都度決定する)   参考例   獣医学会での教育セミナー等への参加 10単位/回   同指導的参加(教育セミナー講師等〉 13単位/回   ウェットハンド研修会への参加 15単位/回   同指導的参加(研修会講師等) 20単位/回  ・認定筆記試験受験 (全試験を100点満点に換算して)1点=1単位 □第2分野  ・JALAM/JALAS/JSVS以外の生命科学関連学会での発表   筆頭著者 2単位/回   共著者1単位/回  ・査読制度のある雑誌に掲載された生命科学関連論文   筆頭著者10単位/編、  共著者 3単位/編  ・JALAMが認めた他会の研修会等への参加および指導的参加   その都度JALAMが単位数を設定する (1〜5単位)    例:参加 2単位  指導的参加 4単位  ・認定試験間作成(公募問題に応募) 1問=2単位   ・研究機関で実験動物医学に関する指導的役割を担う(新規・継続)10単位  ・博士号の取得 5単位  ・動物実験・実験動物に関する評論(新聞・雑誌・TV・ラジオ等)3単位  ・動物実験・実験動物に関する本の執筆、編集 5単位  ・日本獣医師会生涯教育事業(本会主催事業を除く)1ポイント=1単位20単位まで.  他会企画研修会は前もって調査(申告)し、認定委員会が認定し単位を設定する.日獣の生涯 研修事業と重複しないようにする.  日本獣医師会生涯教育事業は本年度試験的に始まった事業であり、本学会も参加する.これを 利用することにより、地方の会員も単位を獲得することができる. ◇更新時単位取得例(5年間で80単位取得例) 1.大学勤務者(1)   第1分野 日本実験動物学会発表  筆頭者   1回  5単位                    共著者   3回  6単位                  研修会参加 5回 50単位   第2分野 論文発表        共著者 1回  5単位        他会企画研修会参加 5回(×2単位) 10単位        研究機関で実験動物医学に関する指導的役割を担う 10単位                           合計 86単位 2.大学勤務者(2)   第1分野 日本実験動物学会発表  筆頭者 1回  5単位                    共著者 5回 10単位                  研修会参加 3回 30単位   第2分野 論文発表        共著者  1回  5単位        他会企画研修会参加 5回(×2単位) 10単位        研究機関で実験動物医学に関する指導的役割を担う 10単位        試験問題作成 5回 10単位 合計 80単位 3.製薬会社勤務者(1)   第1分野 日本実験動物学会発表  共著者 3回 6単位        研修会参加 4回 40単位   第2分野 他会企画研修会参加10回(×2単位) 20単位        研究機関で実験動物医学に関する指導的役割を担う 10単位        試験問題作成 2回 4単位 合計 80単位 4.製薬会社勤務者(2)   第1分野 日本実験動物学会発表筆頭著者 1回  5単位                   共著者 3回  6単位       研修会参加 3回 30単位   第2分野 他会企画研修会参加10回(×2単位)          20単位       研究機関で実験動物医学に関する指導的役割を担う 10単位       試験問題作成 2回  4単位       日本獣医師会生涯教育事業 6単位 合計 81単位 5.地方在住者(1)   第1分野 研修会参加 4回 40単位   第2分野 他会企画研修会参加 5回〈×2単位〉 10単位 研究機関で実験動物医学に関する指導的役割を担う 10単位 日本獣医師会生涯教育事業      20単位                   合計 80単位 6.地方在住者(2)   第1分野 研修会参加            4回 40単位   第2分野 他会企画研修会参加 2回(×2単位) 4単位 研究機関で実験動物医学に関する指導的役割を担う 10単位       日本獣医師会生涯教育事業      18単位       試験問題作成          4回  8単位                   合計 80単位 7.更新単位を取得していない場合(1)または不足の場合(2) (1)第一分野 認定筆記試験受験  80点取得  合計80単位 (2)第一分野 不足分を認定筆記試験受験で取得する. □試験の概要 (1)試験は「実験動物医学総論」の必須科目と「実験動物医学各論」の選択科目からなる. (2)「実験動物医学各論」はA及びBからなり、どちらか一科目を選択する.   対象動物   A:主としてゲッシ目並びにウサギ目。鳥類、爬虫類、両生類、魚類なども含む.   B:主としてネコ、イヌ、サル、ブタ、ヤギ、ヒツジなど。その他中・大動物も含む. (3)試験問題は全て5肢択一とする. (4)総論には動物種に限定されない共通問題のほか、各動物種固有の基礎的各論問題も含まれ る. (5)総論50点、各論50点の計100点満点で、80点以上を合格とする. 〔第138回 日本獣医学会における認定獣医師資格単位対象プログラム〕 第138回 日本獣医学会学術集会(北海道大学:http://www.hokudai.ac.jp/veteri/138JSVSC/index.html) での下記シンポジウムを JALAM主催研修会とし、出席を認定獣医師資格単位と致 します。   シンポジウム  テーマ:「人獣共通感染症:新しい病原体TSE」 1. 伝達性海綿状脳症病原体検出法の現状と展望 堀内基広 (北海道大学大学院獣医学研究科 教授) 2. 医療機器原料としての動物由来成分の安全性 −新しいISO/TC194 22442 Animal tissues and their derivatives utilized in the manufacture of medical devicesの小委員会の経過 黒澤 努 (大阪大学医学部附属動物実験施設 助教授) 日  時:平成16年9月11日 13:00−15:00 場  所:獣医学会 第6会場 (北海道大学 高等教育機能開発総合センター) 認定単位:新規申請者:必須分野で申請する場合   10単位               選択分野で申請する場合    5単位         更新申請者:第一分野で申請       10単位               第二分野としては申請できない。 〔第138回 日本獣医学会における実験動物医学関連一般演題〕 日  時:2004年9月11日 9:00〜12:00 場  所:(第138回日本獣医学会第6会場) 「認定獣医師の会」のご案内 日 時:2004年9月11日 15:00〜17:00 場 所:(第138回日本獣医学会第6会場) 恒例秋のエクスカーションのお誘い  実験動物医学会恒例エクスカーションを下記要領で行いますので、ふるってご参加ください。 今回は酪農学園大学の林正信先生のご尽力で、支笏湖丸駒温泉で行います。 日 時:9月12日(日)学会最終日、学会プログラム終了後北大から送迎バスを 運行します。時間など未定 場 所:支笏湖丸駒温泉(札幌から約1時間、露天風呂のある湖畔の1軒宿です) 会 費:12,500円 定 員:20名になり次第締め切ります。 9月13日(月)新千歳空港または札幌までお送り致します(バスの運行 を予定)時間など未定 連絡先:酪農学園大学獣医学部 林 正信 hayashi@rakuno.ac.jp Tel.011-388-4808、Fax:011-387-5890 日本学術会議第7部報告 動物実験に対する社会的理解を促進するために(提言) [要 旨] 1.報告(提言)の背景 動物実験が生命科学、ことに人類の生存と健康維持に直接かかわる医学・医療、薬学などのい わゆる健康科学の分野において不可欠であることは言うまでもない。一方、人と動物の共生とい う立場から動物実験に対する批判も存在し、そのため欧米では動物実験が著しく制約され医学研 究に支障が出ている国もある。また、わが国でも動物の供給が難しくなるなど日本も例外ではな く、動物を科学研究に用いることに対する反対運動は根強い。健康・疾病問題の解決と人類の幸 福増進に不可欠な動物実験が、広く社会の理解と支持を得て行われるようにするためにわれわれ が成すべきことを検討し、本報告を取りまとめた。日本学術会議は、勧告「動物実験ガイドライ ンの策定について」(1980)、特別委員会報告「教育・研究における動物の取り扱い−倫理的及び 実務的問題点と提言」(1997)など、動物実験に関して一連の発言を行ってきた。本報告はその 一環としてなされるものである。 2.現状と問題点 わが国では、学術会議の勧告を契機として、各研究機関が法規に準拠して動物実験指針を制定 し、動物実験委員会を設けて、動物実験を自主的に管理している。この自主管理体制は定着して よく機能しており、わが国の動物実験は科学的にも倫理的にも適正に運営されて、国際的にも高 い水準にあると言える。 しかし問題もある。わが国には米国のような全国統一の動物実験ガイドライン(指針)がなく、 指針はそれぞれの研究機関が個別に定めているため、規制の具体的基準が外から見えにくい。ま た、各研究機関が実施している自主管理の内容を客観的に評価検証する仕組みがないため、動物 実験が適正に管理されていることを社会に対して説明する説得力に問題が残る。欧米の動物愛護 団体からは、日本に動物実験の法規制はないという誤解も招いている。 3.報告(提言)の必要性  上記の問題点を改善することにより、動物実験に対する社会の理解を一層促進し、医学、生命 科学の発展と人類の幸福を増進することができると考えられる。ここでわれわれは、現在の各研 究・試験機関による自主管理方式の客観性を保証し、実効と信頼性を一段と強めるために、1) 動物実験の倫理原則を実行に移すときの基準を示す国内で統一された動物実験ガイドラインを制 定することと、2)当該ガイドラインの実効を担保するための第三者評価システムを構築するこ とを提言する。ガイドラインの制定にも、第三者評価システムの構築にも広く社会の意見を聞き、 透明性の高いものにすることが必要である。 ここに、関係学協会はじめ関係機関に実施への取組みを早急に開始するよう協力を呼びかける ものである。このような自発的な取り組みが学術にかかわる研究者の社会的責任と認識するから である。 [提 言] 1.はじめに 動物実験が医学はもとより生命科学全般の進歩に必要であり、医療技術や医薬品の開発に不可 欠な手段として世界の疾病・健康問題解決に大きく貢献していることは言うまでもない。しかし、 そのために動物の生命を奪うことになる動物実験においては、実験を行う研究者に対して常に厳 しい倫理が求められる。動物実験を科学的かつ倫理的に実施しなければならないことは、動物実 験を必要とする学問領域の研究者は十分に承知している。動物実験に3Rの原則(代替 Replacement、削減 Reduction、苦痛の軽減 Re-finement)を導入することにより、それまで生 きた動物を用いて行われてきた実験が培養細胞に置き換えられ、また、コンピュータシミュレー ションにより動物モデルを対象とした研究が行われるようになって、使用される動物の個体数も 減少している(資料、動物使用数の年次推移参照)。しかし、モデルを作るにしても生体の未知 の仕組みを理解することが必要であり、そのためには生きた動物を用いた実験は不可欠であって、 今の時点で動物実験を全廃することは出来ない。各研究・試験機関は法規に準拠して設置した動 物実験委員会により実験を自主管理し、実験動物学会をはじめ多くの学協会はガイドラインを制 定して遵守を求めるなど、絶えざる努力が積み重ねられてきた。その結果、わが国の動物実験管 理体制は大学をはじめとする研究機関に定着して実効をあげており、国際的にみても高い水準に ある。 このように研究者が自主管理を強め、3Rの原則の遵守に務めているにもかかわらず、動物を 科学研究に用いることに対する反対運動は根強い。動物実験そのものを否定する一部の動物愛護 主義者すらあり、様々な面で研究活動に支障を来している。この問題に対しては、研究者側と反 対運動側の対立を先鋭化させるのではなく、広く社会の理解を求めて必要な科学研究を支障なく 実施し得る環境を育て、人類の健康・福祉に貢献するよう努めることが重要であると考えられる。 動物を用いた研究が適正に、かつ支障なく実施されるためには、研究の意義と実施状況が広く 社会に認識、理解され、動物実験に関する社会的合意が形成されることが必要である。その点で、 現行の各研究・試験機関ごとの自主管理制度は、外部の目には、研究者の都合を優先したもの、 客観性の乏しいものと映り易く、十分な説得力を持ち得ないことに問題があると思われる。 日本学術会議はこの問題についての継続的な審議を進めているが、その審議の結果、科学的動 物実験と動物福祉の両立を目指す従来からのさまざまな制度的、実体的取り組みを改良し、さら に進んだ仕組みを作ることが必要であるとの認識に達し、以下の提言を取りまとめるに至った。 これまで日本学術会議は「大学等における動物実験について」(4987、文部省学術国際局長通 達)の元となった勧告「実験動物ガイドラインの策定について」(1980)を行うなど、従来から 動物実験に関して発言を行ってきており、その一環として本提言がなされることは適切と考えら れる。 2.適正な動物実験実施のためのこれまでの日本学術会議側の取り組み 日本学術会議は動物実験の科学的かつ倫理的実施に関して早くから指導的役割を果たした。昭 和55年(1980)、第80回総会の議決により「動物実験ガイドライン」の策定を政府に勧告し、こ れが端緒となって1987年文部省通知により各大学、研究機関の「動物実験の指針」と「動物実験 委員会」が整備され、今日の動物実験管理体制が確立した。各研究・試験機関は設置した動物実 験委員会によって動物飼育施設と動物実験を自主管理し、また実験動物学会をはじめとする多く の学協会も動物実験ガイドラインを制定して研究者への周知を図るなど、動物実験の適正な実施 のため絶えざる努力が積み重ねられてきた。 平成9年(1997)、日本学術会議「生命科学の進展と社会的合意の形成」特別委員会は報告 「教育・研究における動物の取り扱い――倫理的及び実務的問題点と提言」を発表し、動物実験 の必要性を確認するとともに、動物実験委員会の強化を求めた。平成14年には機関誌「学術の動 向」が特集「動物実験」を組み、動物実験の持つ意味、問題点、取り巻く社会環境などを様々な 視点から学術的、客観的に論述し、世に問いかけた。 さらに、第18期(平成13年)から実験動物研究連絡委員会はじめ関係の研究連絡委員会は現行 制度の適正化と強化を検討して来た。 3.わが国の実験動物および動物実験の管理体制  実験動物の飼育ならびに動物実験に対する管理は、わが国では、規制の倫理原則を法律(「動 物の保護及び管理に関する法律(昭和48年)」とこれが一部改正された「動物の愛護及び管理に 関する法律(平成11年)」)で規定し、規制方法を具体的に「動物」に関して示した告示(「実験 動物の飼養及び保管等に関する基準(昭和55年、総理府告示)」)と、「実験」に関して示した通 知(「大学等における動物実験について(昭和62年、文部省局長通知)」など)にしたがって、各 研究機関が自主的に管理する方式をとっている。文部科学省管轄の各大学等研究機関は、通知の 指示に従って動物実験指針(ガイドライン)を制定、動物実験委員会を設置し、実験計画の審 査・承認、実験実施者の教育などを行って自主管理を実現している。 国際的に見ると、動物を用いる研究の計画を、日本と同様に研究機関内の委員会が審査・承認 するアメリカ、カナダの方式と、法に基づいて国が直接審査・承認するイギリス、ドイツなどヨ ーロッパ諸国の方式がある。いずれの方式を採るにせよ、欧米では全国的に統一された動物実験 の基準を設けている点は共通であるが、日本ではこれが設けられていない。統一基準の作成は、 科学アカデミーの下部組織(アメリカ)、政府管掌NPO(カナダ)など科学機関が行う国と、 EU指令により国内法に反映させるEU諸国など、国による独自性が見られる。 また、欧米では規制の内容を法規に記述しているのに対し、日本では、上述のように法律は基 本だけを示し、総理府告示の基準と文部科学省等の通知で具体的に内容を示して、行政指導に従 った自主規制により動物実験を管理している。規制の内容は、行政指導により全国的にほぼ同一 であり、法律に明文化はされていないが、この方式によって実質的には欧米諸国と同様の基準で 動物実験が行なわれている。 文部科学省以外の省庁が管轄する試験研究機関にも同様の管理体制が整備されて高度な動物試 験が実施されており、わが国の研究成果は医薬品安全性試験の国際基準の向上等に多大の寄与を なしている。また、実験動物生産業者は、社団法人日本実験動物協会が「基準(総理府 昭和55 年)」に準拠して作成した動物福祉の憲章、指針、手引きをもとに実験動物の優れた飼養と保管 を実現している。 こうして、日本学術会議の勧告を契機にわが国の動物実験の管理体制が確立してから15年以上 の歴史を経、国際的視野からも満足すべき洗練された水準へと成熟を遂げている。国際学術雑誌 に研究論文を発表する際には、実験動物の取り扱いが倫理的、科学的に行われていることに対す る厳しいチェックがかかっているが、動物実験を用いたわが国の研究結果が広く国際学術雑誌に 受け入れられていることは、わが国の自主管理が国際基準を十分に満たしており、動物実験が科 学的、倫理的に行われていることが国際的に認知されていることの実績を示すものである。 4.わが国における動物実験管理体制の問題点  このようにわが国の自主管理体制は有効に機能しているが、一方で問題点があることも事実で ある。すなわち、1)全国的に統一された動物実験ガイドラインを持たない現在の規制方式は、 日本に動物実験の規則がないという誤解を国内外から招く点、2)各研究機関による自主管理の 客観性と透明性を担保する仕組みがない点、である。これらは、動物実験に対する社会一般の理 解を難しくし、自主管理体制の存続を脅かしている。 動物実験ガイドライン(指針)は動物の倫理的扱いを具体的に指示するものであり、動物実験 の適正な実施に重要な役割を果たす。米国では早くから全国統一のガイドライン(NIHガイド ライン、現ILARガイドライン)が制定され、世界に周知されてきた。わが国では行政指導に よって各研究機関がそれぞれガイドラインを作り自主管理に用いているが、内容は全国的にほぼ 同じで、NIHガイドライン(現ILARガイドライン)とそれほど変わらず、よく機能してい る。しかし、それらは個別の機関のものであるため外から認識され難く、そのことが自主規制の 具体像を見えにくくする大きな原因となっている。 現行の体制は各研究機関および地方公共団体の裁量に自由度を与えるものではあるが、日本の 社会が全体として適正な動物実験を守る体制にはなっていない。具体的には、各地方公共団体が 動物実験を否定する人々の批判の対象となり、実験用動物の供給システムの構築に協力すること をためらうような事例も多数報告されている。このため現に研究遂行に重大な支障が出ている研 究分野もある。(資料、動物使用数の年次推移) 上記のような問題を払拭し、現行の動物実験管理体制を維持しつつ、社会に理解される動物実 験の体制を構築することが必要であり、そのために次項で述べる改善策が講じられることが望ま れる。 5.動物実験管理体制の改善  前項で述べた現行の動物実験管理体制の問題点を改善して、動物実験に対する社会的理解をい っそう促進するため、次の2つの方策を提言する。 (1)統一ガイドラインの制定  動物実験を規制する仕組みの中で、規制の実態を最もよく示すものは動物実験ガイドライン (指針)である。しかし、上記のように、わが国に全国統一のガイドラインは存在せず、各研 究・試験機関および学協会が個々にガイドラインを設けているため、それらは外部から見えにく く、また日本では動物実験の法規制がないと誤解あるいは批判される。そこで、国内で統一され た動物実験ガイドラインを制定することを提言する。これにより規制の基準を明解に示し、動物 実験に対する国内および諸外国からの社会的理解と動物実験に対する倫理的評価を格段に高める ことが期待できる。 (2)研究機関の自主管理を第三者的立場から評価する機構の設置  全国統一の動物実験ガイドラインが制定されたとき、それが現行の自主管理機構によって実効 が上げられることが重要である。その実効を担保する仕組みとして、各研究試験機関の自主管理 が適正になされ、統一ガイドラインの基準が満たされていることを、第三者の立場から評価・認 証する機構を設けることを提言する。この仕組みにより、統一ガイドラインの実効を確認すると ともに、自主管理の実施の適正性も評価・認証することができ、社会にも理解され易く、信頼性 と透明性の高い動物実験管理体制を確立できるものと期待される。  導入する第三者組織は、次の骨子の性格を備えたものが考えられる。 1)任務 認証を求める機関の申請に対し、書類審査と実地審査を実施し、施設の認証、是正勧告または 認証の取り消しを行なう。 2)評価基準 上記の全国統一の動物実験ガイドラインに基づいて評価と認証を行なう。その認証は諸外国の 類似認証制度との間の相互認証を目指す。 3)評価対象 上記の全国統一の動物実験ガイドラインが定める基準項目を対象として評価する。この場合、 認証を求める機関の責任体制、管理組織、施設・設備、動物実験委員会、実験計画の審査方法、 実験動物の健康、福祉、実験終了後の処置、労働安全管理など動物実験を適正に行なうための要 件、などを対象として審査することになると考えられる。 4)普及と実効性 本案の第三者評価制度は動物実験実施機関の自主的な申請によるものであり、その普及と実効 性を高めるためには、第三者評価機関は社会的にも高い評価と理解が得られるものでなければな らない。 上に提言した 1)統一ガイドラインの制定および 2)第三者評価組織の構築に当たっては、 関係者が一丸となって実現に努めることが必要であり、関係するすべての学協会と関係機関に実 施への取り組みを呼びかけるものである。また、このいずれもが高い透明性をもって策定され、 社会に対し責任有る仕組みとして作られることが必要である。 6.むすび 生命科学の急速な発展と将来の重要性に鑑み、医学・医療、創薬、環境安全性試験など、国民 の健康問題に重大なかかわりをもつ研究領域全般において、動物実験の意義はますます増大し、 ことにシステムとしての生物個体を用いた研究の重要性が増している。一方で近年のペットの普 及とあいまって、動物実験は一般社会が受け入れに抵抗を感じるところであり、社会の理解を得 ることがますます重要になることを認識する必要がある。 科学上の要請と倫理問題を調和させ、動物実験に対する社会の理解を得つつ研究を発展させて いくためには、本報告が提言する統一ガイドラインの制定と動物実験の管理を第三者的立場から 評価する仕組みが必要である。社会の意見を取り入れ、その理解と支持を得て、医学、生命科学 の発展を促進し、ひいては人類の一層の幸福をもたらすことはわれわれ研究者としての社会的使 命である。 そこで、以上提案した国内で統一された動物実験ガイドラインの制定と自主管理体制の第三者 による外部評価を実現するため、すでに独自の動きを進めてきた関係学協会はじめ関係機関(大 学・研究所、企業、関係官庁等)に対し、実施への取組みを早急に開始するよう呼びかけるもの である。 7.資料(動物使用数の年次推移) 学術集会委員会からのお知らせ 第138回日本獣医学会秋季学術集会 日本実験動物医学会シンポジウム(認定獣医師資格単位対象プログラム) テーマ:人獣共通感染症−新しい病原体TSE 日 時:2004年9月11日 13:00〜15:00 会 場:北海道大学高等教育機能開発総合センター (第138回日本獣医学会第6会場) 座 長:三好一郎(名古屋市立大学) 講演1:伝達性海綿状脳症病原体検出法の現状と展望     堀内基広 (北海道大学大学院獣医学研究科教授) 講演2:医療機器原料としての動物由来成分の安全性     新しい ISO/TC194 22442 Animal tissues and their derivatives     utilized in the manufacture of medical devices の小委員会の経過 黒澤 努 (大阪大学医学部助教授) 第139回日本獣医学会春季学術集会 会長:板倉智敏 日時:2005年3月29日(火)〜31日(木) 会場:埼玉県和光市理化学研究所 及び 和光市民文化センター 第139回日本獣医学会学術集会時における日本実験動物医学会企画 ・教育講演 日 時:13:00〜16:00 (日時の詳細未定) 場 所: (場所の詳細未定) テーマ:動物実験の法規制 座 長:八神健一 (筑波大学) 1)遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律 手塚英夫 (山梨大学) 2)動物の愛護及び管理に関する法律 浦野徹  (熊本大学) 3)他の関連法令 黒澤努  (大阪大学) 趣 旨: 我が国における動物実験にはこれまで法的な規制はほとんどなく、多くは学会指針、 研究機関内指針などをもとに緩やかに自主的な規制を主としてきた。こうした自由度の 高い動物実験が行われてきたこともあり、我が国のバイオメディカルサイエンスは飛躍 的に進展した。その一方、欧米の動物実験に関する法規制との間には大きな違いが生じ、 動物愛護団体から、我が国では、いつでも、どこでも、だれでも動物実験ができてしま うと批判されてきた。これは一般市民にも科学に対する疑念を抱かせる一助となり、過 激な動物実験反対運動の出現につながった可能性も否定できない。 国際的な環境保護および動物保護の動きの中で、動物実験だけを例外とするのはむし ろ不自然で、我が国にも動物実験を規制する法令が成立した。しかし、これまでの慣例 を踏襲する科学者はこうした法令の遵守と研究の発展の両立をいかに図るかをとまどい、 様子をうかがっているのが現状である。 日本実験動物医学会はこうした現状から動物実験を行うすべての研究者がどのような 動物実験を行うことが適切であるかを知る手がかりとるよう関連の専門家を招き、教育 講演会を行うこととした。 ・一般講演:ポスター(公募) 学術集会委員会からのお願い 日本実験動物医学会学術集会委員会ではシンポジウム、ワークショップのテーマを募集してお ります。会員各位のご提案を歓迎致します。 提案先:学術集会委員長 黒澤努 kurosawa@iexas.med.osaka-u.ac.jp 日本実験動物医学会 ホームページ http://www.adthree.com/jalam/ 事務局だより 会費納入のお願い 同封の振込み用紙を用い、平成16年度会費(2,000円)の納入をお願い致します。 前年度以前の会費を未納の方は、振込み用紙にその旨を記載いただき、一緒に振込みを お願い致します。 郵便振替  00190−3−715229 加入者名  日本実験動物医学研究会