実験動物医学会


[巻頭言]

日本実験動物医学会の新たな出発と活動方向

会長  前島一淑

はじめに
  平成5年に発足した日本獣医学会の1分科会である実験動物医学研究会は、第2期
(平成8〜10年度)目を迎え、今年4月2日に麻布大学で開催された平成8年度総
会でお諮りしたように、本格的な活動を目指して名称を「日本実験動物医学会」と改
めました。
(1)役員
担当や所属等の詳細は後掲の総会資料の中で紹介されていますが、昨年秋の選挙の結
果、板垣慎一、伊藤勇夫、笠井憲雪、佐藤 浩、高橋和明(副会長)、降矢 強、前島
一淑(会長)の7名の理事が中心となって、本学会の運営(事務)に当たります。ま
た、監事(2名)は二宮博義と朱宮正剛で監事の業務は会計監査に狭く限定せず、運
営と事務一般に関する監査も担当し、理事会に出席して本会の運営に積極的に発言し
て頂くことにしました。監事が出席する理事会は、役員会と呼びます。
(2)委員会
このように、基本的には7名の理事(と2名の監事)の責任において会は運営されま
すが、本会の活動をより積極的にするため、そして、会員の意見を十分に反映させる
ため、各理事を委員長とした学術集会委員会、認定制度検討委員会、実験動物学教育
委員会、情報委員会、会報編集委員会の5つの委員会を設置しました。
(3)活動方針
本会の活動を軌道に乗せるためには多くの検討と試行が必要で、本腰を入れて作業を
始めなければなりません。従って、会則の変更や新しい細則の作成、あるいは組織の
改革等に精力を費やすことを出来るだけ避け、現行の規定、組織、慣例の範囲内で運
営していくことにします。ただし、選挙細則等に不備がありますので、しかるべき時
期に「会則等検討委員会」を暫定的に設置し、規定等の最小限度の整備を行います。
(4)活動経費
本格的な活動のためには十分な財政的裏付けが必要ですが、設立まもなくで本会は十
分な基金準備に欠けています。また、自らの意思で候補者となり当選した方々ですか
ら、多くの組織で見られがちな「頼まれたから」という理事はおりません。そこで、
役員活動はすべて「手弁当」でお願いすることにしました。
委員会活動経費も、当分の間、各委員の自己負担で行って頂きます。実際にどれほど
の規模の活動が企画され、その実施の可能性について判然としない現段階で、具体的
な予算を立てることが出来ません。状況に応じて(必要ならば)明年度に正確な予算
を計上します。従って、本年度は会費値上げを行いません。

具体的な活動計画
総会で提案したことですが、本会は以下の項目について積極的な活動を始めます。
(1)実験動物医学研究の推進
 研究活動については、本来、会員の自由意思に任せるべき性格のものであるという
見地から、当分の間、本会として特別の方針を定めることはしません。ただし、実験
動物医学に関する研究の活性を高めるため、学術集会委員会において春秋2回の獣医
学会実験動物医学分科会における研究発表演題数を増やす努力を続けると同時に、会
員の個々の研究テーマや研究活動に関する情報を収集、配布します。
(2)実験動物医学に関する自己研修の推進
 本会設立の主な目的の1つであった会員の実験動物医学に関する水準向上を積極的
に推進します。具体的には、従来の教育講演ならびに最新話題(トピックス)講演を
強化、改革し、実技研修を加えて会員のレベルアップを図り、将来的には「資格認定
」制度を確立したいと考えています。取り急ぎ、認定制度検討委員会において具体策
を討議し、実行に移します。
(3)獣医学科学生教育の強化
 実験動物学教育の現状を継続的に調査、分析し、獣医学科学生に対するより適切な
教育を実施するため、実験動物学教育委員会を設置して検討を行います。本会は獣医
学会傘下の組織ですから、医学科、その他の領域の学生等を対象とした教育について
は、将来の問題とします。
(4)情報伝達システムの構築
 実験動物医学に関するあらゆる情報の的確で迅速な収集と配布のシステムを構築す
るために情報委員会を設置し、可能な事項から逐次実現させます。なお、これまでの
情報に関する活動(代表者:黒澤 努)は発展的に解消し、この情報委員会に統合し
ます。
(5)会報の定期発行と拡大
 会報(JALAM NEWS)の定期発行を軌道に乗せると同時に、実験動物医学に関わる重
要な情報を幅広く掲載出来るように頁数を大幅に増やします。会報の方向を定め、ま
た編集、発行作業に当たるため会報編集委員会を設置します。

おわりに
 わが国に獣医学を基盤とした実験動物医学研究が根付くか否かは、ひとえに本会の
実績に懸かっています。会員各位にそれぞれの立場、意見、都合があると思いますが
、宜しくご協力をお願いする次第です。本会の隆盛の基本は「百家争鳴」と「有言実
行」です。大いに議論を盛り上げ、走り出しましょう。
 なお、本会の事務局は引き続き日獣大・実験動物学教室内に置き、役員を中心とし
て一層積極的に活動することにしますが、事務的処理を円滑に進めるために斉藤 徹
(日獣大)氏に事務局員を委嘱しました。

jalam@iexas.med.osaka-u.ac.jp