【実験動物感染病の対応マニュアル Piii】

まえがき

  実験動物を健康な状態で維持し,適正な状態で実験に供するために,感染病の診断と防除はきわめて重要な課題で,ぞの点について,わが国の実験動物の感染病研究者は十分に研突成果をあげてきた.しかし,長年にわたる努力にも関わらず,依然としてTyzzer病やマウス肝炎のような実験動物の固有感染病の発生がわが国でみられている.
  また,わが国では発生が確認されていないか,制圧に成功はしたけれども,海外では依然として流行していて,侵入する可能性があるエクトロメリアやBウィルス病のようなエマージング(海外)感染病,実験動物の感染病と擬せられてはいるけれども.現時点で病因について意見が必ずしも一致していないニューモシスチス・カリニー肺炎やネコひっかき病などの疾患に関する研究は十分でない.とくに海外感染病については,たとえわが国に侵入する可能性が少ないとしても,万一の事態を想定して,迅速で的確な検査ならびに防圧の手段を整備しておくことが,実験動物の感染病研究者の務めである.しかし実際問題として,わが国に流行していない感染病を研究対象とすることは,その侵入確率の低さや病原体の万一の漏洩事故を考慮すると,簡単なことではない.
  そこで,わが国で実験動物感染病を研究テーマとしている研究者が,平成8〜10年度文部省科学研究費補助金(基盤研究A(1))「実験動物の海外感染病の検査ならびに防圧方法に関する研究(課題番号:0830804D」の交付を受け,わが国における発生の有無に関わらず幅広い感染病を対象として,実験動物に固有および人獣共通の各種感染病の疫学,病理,診断.治療,予防,影響(動物/人/実験),対応策について.実証的ならぴに支献的な研究を進めてきた.
  研究は以下の20名(五十音順)の共同研究として進められた.有川二郎(北大医),石原智明(酪農大獣医),磯貝浩(札幌医大),伊藤豊志雄(実中研),浦野徹(熊本大動物資源研),鍵山直子(ノバルティスファーマ),川本英一(東京医大).喜多正和(京都府立医大),佐藤浩(長崎大医),柴原壽行(鳥取大医),高鳥浩介(国立医薬食衛研),寺田英司(北里大衛生,平成9年死去),福田孝一(防衛医大),前島一淑(慶大医),万年和明(大分医大).毛利資郎(九大院医),八神健一(筑波大基礎医),矢鍋誠(日本エスエルシー),山本博(富山医薬大),吉川泰弘(東大院農).

 

 
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