大学等における申請書等の作成マニュアル
─放射線障害防止法関係法令に係る手続き─
―刊行にあたって ―
平成16年6月2日に放射線障害防止法が改正され、平成17年6月1日に関係政省
令が改正され、施行された。今回の改正は国際基本安全基準(BSS-9)の取り入れ
がきっかけであったが、改正に当たっては、法令全体の見直しが行われ、法令制定
後40年以上経って、現状の変化や様々な要望を取り入れての大改正となった。
この改正に当たっては、文部科学省の中に作られた放射線安全規制検討会におい
て検討されたが、その過程で大学等放射線施設協議会がこれまでに提出してきた
「大学等における放射性同位元素等の安全管理について−改善策の提案と要望」が
配布検討され、協議会の提案と要望がかなりの部分法令に取り入れられた。その改
正案が放射線審議会で審議了承され、施行されることになった。
協議会の提案と要望の中で、法令に取り入れられたものとしては、
1)特別に管理された区域(監視区域等)における少量の放射性同位元素の使用
2)移動使用の規制と線源の加算について
3)運転停止時における加速器施設に係る管理区域の取扱い
4)BSSの取り入れに係る法規制の遡及適用について
などがある。このことからも、当施設協議会は施設の安全管理に関して、行政に対
しても大きな役割を果すことが出来たと思う。
一方、各大学等の放射線施設から文部科学省科学技術・学術政策局原子力安全課
放射線規制室に提出される、使用許可(承認)申請、変更許可(承認)申請が、受
理されるまでに時間が掛かり、また、審査官によって言うことが変わって困るとい
う苦情を良く聞くのも確かである。これは一つには審査側の問題もあるだろうが、
書類を提出する施設側にも書類の不備等の問題が多いことも事実である。そこで、
今や、研究教育にとって必要不可欠である、放射線施設の利用を推進するためには、
提出する申請書類の書き方のマニュアルを整備して、それにのっとった書類の作成
をすることにより、承認・許可を出来るだけ早く受けることは非常に重要であろう。
このような目的のために、このマニュアルは施設の種類(非密封線源、密封線源、
放射線発生装置など)毎に分けて、書類の作成方法と例を記載している。
このマニュアルは数年前に企画したが、今回の法令改正が終わるのを待って最終
的に作成することになった。なお、このマニュアルの原稿は、放射線規制室に提出
して、内容のチェックを受けて修正したものである。
最後に、年度末の多忙な時期に大部なマニュアルの原稿に目を通して、内容のチ
ェックをして頂いた放射線規制室の方々に心から感謝の意を表します。
平成18年(2006年)8月
大学等放射線施設協議会「大学等における申請書等の作成マニュアル」編集委員会
・本書の目次
刊行にあたって 4
第1章 放射線障害防止法関係法令の改正の概要 5
1−1 はじめに 6
1−2 規制対象下限値(規制免除レベル)の改正 6
1−3 自然放射性物質(NORM)のサマリウム147の規制免除レベル 6
1−4 使用の許可と届出の区分 7
1−5 設計認証、特定設計認証 7
1−6 経過措置 8
1−7 下限数量以下の非密封線源の使用 8
1−8 施設検査・定期検査・定期確認・立入検査 8
1−9 放射線取扱主任者の選任区分と定期講習制度 9
1−10 移動使用の拡大 9
1−11 設備の設置基準の見直し 9
1−12 その他の規制の合理化 9
第2章 作成にあたっての基本的考え方 19
2−1 しゃへい計算における留意事項 20
2−2 外部放射線の測定結果に基づく管理区域の設定について 20
2−3 許可と承認 22
2−4 補正申請 22
第3章 非密封線源使用施設 23
3−1 はじめに 24
3−2 放射性同位元素の使用許可(承認)申請書 30
3−3 特殊な事例(動物実験) 87
3−4 許可(承認)使用に係る許可(承認)変更申請書 92
3−5 許可(承認)使用に関する軽微な変更に係る変更届 108
第4章 非密封線源使用施設 −グループ分け管理 113
4−1 はじめに 114
4−2 放射性同位元素の使用許可(承認)申請書 115
4−3 許可(承認)使用に係る許可(承認)変更申請書 137
第5章 密封線源使用施設 − 許可使用施設 155
5−1 はじめに 156
5−2 放射性同位元素の使用許可(承認)申請書 156
5−3 許可(承認)使用に係る許可(承認)変更申請書 181
5−4 許可(承認)使用に関する軽微な変更に係る変更届 189
第6章 密封線源使用施設 − 届出使用施設および表示付認証機器使用施設 193
6−1 届出使用施設 194
6−2 表示付認証機器使用施設 205
第7章 放射線発生装置使用施設(病院関係を除く) 209
7−1 はじめに 210
7−2 放射線発生装置の使用許可(承認)申請書 211
7−3 許可(承認)使用に係る許可(承認)変更申請書 239
7−4 許可(承認)使用に関する軽微な変更に係る変更届 244
7−5 放射性同位元素の製造を行う場合 247
7−6 評価法 248
7−7 参考:原子核反応に伴う1次γ線の寄与について 249
第8章 PET(陽電子断層撮影)施設 253
8−1 はじめに 254
8−2 使用許可(承認)申請書 255
8−3 許可(承認)使用に係る許可(承認)変更申請書 279
8−4 許可(承認)使用に関する軽微な変更に係る変更届 282
8−5 届出申請書 285
第9章 病院関係の施設 289
9−1 はじめに 290
9−2 使用許可(承認)申請書 291
9−3 許可(承認)使用に係る許可(承認)変更申請書 320
9−4 許可(承認)使用に関する軽微な変更に係る変更届 340
第10章 施設の廃止に伴う措置 351
10−1 はじめに 352
10−2 放射線施設の廃止に伴う措置の報告書 353
第11章 事故時の対応 357
11−1 事故防止対策 358
11−2 異常時の措置 358
第12章 放射線障害予防規程の作成要領 363
12−1 はじめに 364
12−2 放射線障害防止法関係法令に定められている放射線障害予防規程に係る条項 364
12−3 放射線障害予防規程に係る基本的事項 366
12−4 放射線障害予防規程の作成マニュアル 367
第13章 解説 「施設のしゃへい計算と空気中及び水中放射能濃度の計算」 389
13−1 はじめに 390
13−2 しゃへい計算の方法 390
13−3 濃度計算の方法 401
付録 409
付録-1 「放射線取扱主任者の選任・解任届」 410
付録- 2 「放射線管理状況報告書」 413
あとがき 419
―あとがき ―
平成14年3月から大学等放射線施設協議会の出版委員会の中に、大学等における
申請書等の作成マニュアル編集委員会を設けて、マニュアルの作成を進めてきた。
途中、前述したように大きな法令改正があることが分かり、それが終了するまで待
とうということになり、当初の委員も異動等があり、委員も新しく入れ替えて、平
成17年1月に再スタートしてマニュアル作成を進めて来た。
本書はそれらの結果を取りまとめたものであり、その作成に当たっては、多くの
関係者の協力やコメントを頂いた。この場を借りて改めて皆様に感謝の意を表した
い。なお、本書の中で、第12章 放射線障害予防規程の作成要領、については「安
全管理規定、放射線障害予防規程」モデル案作成委員会(委員長 森川尚威氏)に
おいて作成された「平成17年放射線障害防止法関係法令改正への大学等における対
応」から、抜粋して掲載したものである。
本書が広く利用され、申請書の作成に役立ち、承認・許可がスムースに進み、放射
線施設の管理・運営や研究・教育への利用の進展に役立つことを期待している。
大学等放射線施設協議会「大学等における申請書等の作成マニュアル」編集委員会
委員長 中村 尚司(東北大学名誉教授、サイクロトロン・ラジオアイソトープセン
ター研究教授)
委 員 五十棲泰人(京都大学名誉教授)
古嶋 昭博(熊本大学生命資源研究・支援センター助教授)
佐藤 信吾(東京大学アイソトープ総合センター業務係長)
実吉 敬二(東京工業大学バイオ研究基盤支援総合センター助教授)
柴田 徳思(原子力研究開発機構特別研究員)
中島 覚(広島大学自然科学研究支援開発センター助教授)
森 厚文(金沢大学学際科学実験センター教授)
(五十音順、敬称略)

A D T H R E E H O M E P A G E