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EUROGUIDE 実験その他科学的目的に使用される 動物の施設と飼育に関するガイドブック

EUROGUIDE 実験その他科学的目的に使用される 動物の施設と飼育に関するガイドブック

商品コード: kan002

原著: FELASA (Federation of European Laboratory Animal Science Associations) 監訳: 日本実験動物環境研究会

発行日: 2009年5月14日
判型: B5判
頁数: 72ページ
書籍コード: --
定価:2,096円 (本体価格:1,905円)

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本書により、我が国においても欧州の実験動物事情の理解がすすみ、国際的に進展している実験動物の環境改善による実験動物福祉の向上がもたらされ、実験動物福祉に関心のある方々の正しい知識向上の一助となれば幸いである。(「監訳のことば」より)

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副題: 欧州協定ETS123の改訂版附属文書A縮約版

原著: EUROGUIDE: On the accommodation and care of animals used for experimental purposes

a FELASA Working Group comprising:
Derek Forbes, Chairman
Harry Blom
Nicolas Kostomitsopoulos
Graham Moore
Gemma Perretta

監訳・翻訳

監訳
 池田 卓也(日本チャールス・リバー株式会社)
 黒澤 努(大阪大学医学系研究科 実験動物医学教室)
翻訳
 池田 卓也(日本チャールス・リバー株式会社)
 小澤 和典(日本チャールス・リバー株式会社)
 黒澤 努(大阪大学医学系研究科 実験動物医学教室)
 久光 徹吉(日本チャールス・リバー株式会社)
 丸山 滋(日本チャールス・リバー株式会社)
 藤田 裕子
 森 紀子

監訳のことば

 このたび日本実験動物環境研究会により、欧州協定ETS123の改訂版附属文書Aに基づきFELASAから出版されたEUROGUIGEの日本語訳が刊行される運びとなった。我が国の実験動物を巡る環境も近年大きく変化してはいるが、欧米の実験動物福祉の水準には未だに到達できていない。米国の実験動物に関する情報は、多くの出版物、人々の交流さらには各種の翻訳事業により、我が国にも比較的多くのものが存在し、各所で参照されている。残念ながら欧州の実験動物事情に関しては、そもそもの情報が少ない上、人々の交流も米国との交流に比較すれば極めて限定的であり、十分流通しているとはいいがたい。
 2007年6月にイタリアで開催されたFELASA総会の際に、このEUROGUIDEの頒布が開始された。監訳者二人は、このFELASAの総会に出席しており、早速購入して内容を確認したところ、大変優れた解説書となっていて、欧州の実験動物事情を理解するうえで極めて貴重な文献であることに気づいた。早速日本語への翻訳権の交渉を行い、いくつかの条件はつけられたが、監訳者を代表として日本実験動物環境研究会に正式に翻訳権が譲渡された。
 本書の翻訳にあたり多数の方々の助力があったが、もっとも貢献したのは日本チャールスリバー社の努力である。とくに原文からの翻訳作業のほとんどは日本チャールスリバー社の方々により行われた。また本書の発行にあたり株式会社バイオスの市川哲男社長の尽力も忘れてはならない。また翻訳事業全体は日本実験動物環境研究会の役員会で種々議論され、本会の役員一同の献身的な貢献も忘れることはできない。出版は株式会社アドスリーにお願いすることとなったが、実験動物関連書籍を多く発行している出版社からの出版は大変心強いものがある。監訳者はこれら本誌の翻訳出版に力をそそいだ関係各位に深甚の感謝の念を表明したい。
 本誌の刊行により我が国においても欧州の実験動物事情の理解がすすみ、国際的に進展している実験動物の環境改善による実験動物福祉の向上がもたらされれば、監訳者の企図した通りの成果が上がることとなる。本誌が実験動物福祉に関心のある方々の正しい知識向上の一助となれば幸いである。

2009年春

監訳者
池田卓也
黒澤 努


序文

 この度、FELASA編纂の「Euroguide」(「実験その他科学的目的に使用される脊椎動物の保護のための欧州協定(ETS123)」の改訂版附属文書Aの縮約版)を皆様にご紹介できる運びとなり、大変嬉しく思います。
 私がストラスブールの欧州評議会の作業部会の議長をしていた1997年、本協定の附属文書Aを改訂することが加盟国により決定されました。作業部会は平均すると年に2回会合を持ち、私は2002年にオランダの公務員の職を辞するまで、作業部会の議長を務めさせていただきました。作業部会は継続して作業を進め、改訂版は2006年6月の多国間協議で最終的に承認されました。改訂版が完成したことは、私にとって大いなる喜びであり、また欧州評議会の加盟国の皆様にも心よりお祝い申し上げます。
 作業部会の会議では、様々な点に関し、オブザーバー機関の代表者の方々に助言を求めました。その助言により、作業部会は最終結論をだすことができました。実験動物の施設ならびに飼育の最低限の基準について合意に達するうえで、これら代表者の方々の参加は不可欠なものでした。
 また、当初は協定に含まれていなかった動物を今回の改訂版に記載しました。このことは、附属文書Aに記載されている、実験目的で使用される全ての脊椎動物に対する我々の責任を認識するうえで、一歩前進したと言えます。もちろんこの結果は、全ての関係者の期待に応えるものではありません。この結果は討論とコンセンサスのプロセスにより得られたもので、継続するプロセスの中での大きな一歩と考えた方がいいでしょう。ストラスブールの会議では、時に意見の相違もあり、その相違が大きい時もありましたが、互いに相手に敬意を抱く雰囲気の中で議論が行われたことは、私の中では楽しい思い出の一つとなっています。
 FELASA作業部会は、実験用動物の施設と飼育に関する本書「Euroguide」発行にあたり、大いに活躍いたしました。本書は、改訂版附属文書Aに記載の実験動物の飼育に関する核心部分を、研究者である読者が理解しやすいように編纂してあります。本書を手に取られた研究者の皆様が、記載の基準に準拠されることと確信しております。また、EU動物実験指令(86/609/EEC)更新にあたり、改訂版附属文書Aが勘案されることを望みます。

 最後にこの言葉を読者の皆様に贈り、序文の挨拶とさせていただきます。
 「良き動物飼育は、良き動物実験をもたらす」

Paul de Greeve
作業部会議長(1997-2002)

目 次

監訳のことば 序文 まえがき(本書の使い方)

I.序論

II.一般的条項

1.動物施設 1.1 機能と標準的な設計 1.2 飼育室 1.3 多目的および特殊な用途の準備室 1.4 補給管理用の部屋 2.飼育環境とその管理 2.1 換気 2.2 温度 2.3 湿度 2.4 照明 2.5 騒音 2.6 警報システム 3.教育と訓練 4.飼育管理 4.1 動物の健康 4.2 野生動物の捕獲 4.3 動物の輸送 4.4 検疫、馴化、隔離 4.5 住居とエンリッチメント 4.6 給餌 4.7 給水 4.8 床、基材、敷料、床敷素材、営巣材 4.9 清掃 4.10 動物の取り扱い 4.11 人道的な安楽死 4.12 記録 4.13 動物の個体識別

III.種別条項

A.げっ歯類(マウス、ラット、スナネズミ、ハムスター、モルモット)  1.飼育環境とその管理方法 / 2.飼育 B.ウサギ  1.飼育環境とその管理方法 / 2.飼育 C.ネコ  1.飼育環境とその管理方法 / 2.飼育 D.イヌ  1.飼育環境とその管理方法 / 2.飼育 E.フェレット  1.飼育環境とその管理方法 / 2.飼育 F.霊長類(マーモセットおよびタマリン、リスザル、マカクおよびミドリザル、ヒヒ)  1.飼育環境とその管理方法 / 2.教育および研修 / 3.飼育 G.家畜(ウシ、ヒツジおよびヤギ、ブタおよびミニブタ、ウマ)  1.飼育環境とその管理方法 / 2.飼育 H.鳥類(ニワトリ、七面鳥、ウズラ、アヒルおよびガチョウ、ハト、キンカチョウ)  1.飼育環境とその管理方法 / 2.飼育 I.両生類  1.飼育環境とその管理方法 / 2.飼育 J.爬虫類(水生および陸生)  1.飼育環境とその管理方法 / 2.飼育 K.魚類  1.飼育環境とその管理方法 / 2.飼育

IV.付録

A.げつ歯類(マウス、ラット、スナネズミ、ハムスター、モルモット) / B.ウサギ / C.ネコ / D.イヌ / E.フェレツト / F.霊長類(マーモセットおよびタマリン、リスザル、マカクおよびミドリザル、ヒヒ) / G.家畜(ウシ、ヒツジおよびヤギ、ブタおよびミニブタ、ウマ) / H.鳥類(ニワトリ、七面鳥、ウズラ、アヒルおよびガチョウ、ハト、キンカチョウ) / I.両生類 / J.爬虫類(水生および陸生)

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