「リケジョ」とういう言葉はすっかりみなさんにお馴染みになっているでしょう。
仕事の面でも、生活の面でも、輝いている「リケジョ」は、みなさんのまわりにもすでにいるかもしれません。きらめいている理工系女性たち「リケジョ」は、十人十色、祖の考え方も、技能も、生き方も多様です。
本書では、なによりも「理工家は楽しい」そして「理工系にすすむと習得できることが多く、生き方の選択肢の幅が広がる」ことをアピールしたいと思います。
本書は、2007年に刊行した「光できらめく理系女性たちー理想のワークライフバランスを目指してー」(オプトロニクス社)からほぼ10年を経て、理工系女性のいま、そして、これからを見つめるとともに、これまでの日本の女子教育や高等教育政策の歩みをデータとともに振り返りながら、男女共同参画の重要性を改めて捉え直す書籍として企画されたものです。
目 次
はじめに─理工系はあなたの可能性を広げる
本書のハイライト
マンガで見る理工系女性の進路と仕事
序章 理工系でよかった
理工系の4 つの「楽しさ」
理工系でよかった─理工系女性の声:
女子大学卒業生アンケート結果を中心に
日常生活で「理工系であることが役立った」と思うこと
【コラム 名門女子高校では、理工系に追い風】
第1 章 女子教育のあけぼのと理工系女性の先駆者たち
日本初の女子留学生、のちの女子教育に大きく貢献
女子留学生の1 人、津田梅子の女子教育への志
相次ぐ女学校の設立と理工系教育事情
明治の教育改革となかなか進まない女子の教育事情
日本で最初の女子大学の設立
戦前の女子への理科教育:日本女子大学の理学教育を例に
日本初の女子「大学生」 :東北帝国大学に入学した3 人の女子学生たち
物理分野の女性の先駆者、湯浅年子
戦前のヨーロッパでの女子教育事情
【コラム 戦前のイギリスと日本との女子教育におけるつながり】
ヨーロッパでの女子教育改革の広がり:アイルランドの状況から
戦前のヨーロッパの女性の職業事情
西洋におけるリケジョ・女性研究者の先駆者たち
第2 章 戦後からの女性を取り巻く教育・職業選択の変化
女子に大学の門戸が開かれた:戦後からの女性を取り巻く状況の変化
戦後からの女子の進学事情の変遷
【コラム 旧七帝大への女子の進学事情】
戦後の女性の職業選択の変遷
【コラム 世界の天文学者集団に占める日本人の割合は?】
日本の理工系女性は増えているのか?
まだまだ少ない理工系女性:現状の打破へ
【コラム アジアの理工系女性事情をめぐる現状は?】
【コラム CoderDojo 発祥の地、アイルランドの女子高生や保護者たちは?】
第3 章 広がる理工系女性への支援:理工系女性が活躍できる日本へ
ひっぱりだこの理工系女性:女性の活躍推進に向けた、企業と国の取り組み
次世代の理工系分野を担う人材を育てる取り組み
女性研究者を支援する:「女性研究者支援モデル育成事業」などの取り組み
【コラム イギリスにおける理工系女性支援のしくみ:WISE】
【コラム イギリスでも工学系女性はまだまだ少ない? 最近の報告書から】
科学を牽引する女性を!:日本学術会議の女性科学者リーダー育成への取り組み
【コラム 北欧諸国(ノルウェー・スウェーデン)の理工系女性事情】
さらに進められる女性研究者支援
【コラム 女性研究者支援の輪を広げ、支えた学会(学術研究団体)における男女共同参画の推進】
第4 章 多彩な道を拓く理工系女性たち
多様化する理工系女性のキャリアパス
理工系女性の声─高専の調査結果から─
理工系女性の声─海外キャリア組─
女性が求める企業像/企業が求める女性像
おわりに 光のリレー:いまをつかんで、明日につなげて!
付録 年表:日本・諸外国における女子高等教育・理工系女性をめぐる歴史
付録 女性のみを対象とするおもな賞および研究助成