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Biophilia 25 (第7巻 第1号 発行日: 2011年3月 1日)

特集: ニッポンの養殖

特集概要:

この2月、東京大学大気海洋研究所と独立行政法人水産総合研究センターの研究チームによって、天然ウナギの卵が発見された。ウナギの稚魚の不漁が続くなか、この発見は、昨年の完全養殖ウナギ誕生と並ぶ朗報だろう。人口爆発問題を抱えている人類にとって、養殖技術の向上はタンパク源を確保するうえで必須の課題だ。そして、わが国の養殖技術は世界最先端を独走する。今回は、養殖研究第一線からの新鮮情報をお届けしたい。

Biophilia 18 (第5巻 第2号 発行日: 2009年6月 1日)

特集: 医療の進歩を支えるブタ

特集概要:

新型インフルエンザの発症で、ブタがにわかに“悪者”であるかのような風評が一部でたっている。確かにブタやトリを介してヒトへ感染する新種ウイルスの出現で、国際的協力下の対策が急務であるが、現在は、通常のインフルエンザと同様、ヒト-ヒト間での感染拡大が問題である。冷静な対応のためにも正しい知識の啓蒙が急務である。

本特集は、これまでも実験動物として注目されてきたブタが、近年、臓器不足への切り札としての異種移植、さらに幹細胞を用いた再生医療実現化のためのバイオリアクターとして世界的に注目度が上がってきたという背景から企画した。最近の医学教育、異種再生医療研究、医療機器開発でのブタ使用、さらに、ブタ(実験用ブタ)を供給する体制についての我が国の最新情報を取り上げた。

Biophilia 16 (第4巻 第4号 発行日: 2008年12月10日)

特集: 感染症を知る

特集概要:

感染症の対策の根本は病原体を正しく知り、そして正しく怖れることである。しかし、我々は未だ病原体の性状について完璧に知り得てはいない。また、病原細菌や病原ウイルスは変貌する環境に適応して絶えず変異、組換えを繰り返している。そして、環境に適応したもののみが生き残る。強病原性の獲得は種の保存に必ずしも適応しているとは限らない。一方、ヒト社会は感染者、発症者こそその総力を挙げて護っていかねばならない。病原体との戦いにおいては決定的なハンデキャップであるが、ヒトにはヒトにしかない武器がある。ヒトにはあくなき“知”の探求があり、そして“知”を共有することができる。さらに、社会の維持のために、弱者を護らねばならないという“優しさ”を本質的に有している。

ここに感染症研究が他の医学研究と徹底的に違う点があり、従事する感染症研究者の使命と矜持がある。しかし、自ら彊じ感染症研究にあたるとき、心せねばならない最重要点は、その研究対象として感染性を有する微生物を扱うことにある。研究成果は遅滞なく公開せねばならないことはもちろん、その微生物をバイオセーフティーの観点から正しく扱っていることをエビデンスを持って示していかねばならない。また、研究施設を取り巻く環境、住民に正しく研究内容を理解してもらうこともまた不可欠である。

国立感染症研究所(感染研)は、我が国の感染症研究の総本山といわれているが、その証左の1つとして年2回、国立感染症研究所安全連絡協議会を開催し、市民に対し、研究所の安全管理について報告するとともに、研究所で行われている研究の意義づけ、目的、進捗状況について“トピック”として個々の研究リーダーが説明している。本特集では、同協議会で取り上げた“トピック”を中心に現在関心の高い感染症についてまとめた。感染研での研究の一端をより多くの方々に知ってもらう機会となればと思う。

国立感染症研究所 所長 宮村達男

Biophilia 15 (第4巻 第3号 発行日: 2008年6月10日)

特集: 「まねる」「化ける」のサイエンス

特集概要:

「他の人がやっているのをみると、つい自分もやってみたくなる」。

子どもの頃も、そういえば大人になっても時々湧き起こる「まねしてみたい」欲求、これは文化伝承の根幹となる人間の性らしい。一方、ロボットにコツをつかませる技術のカギもまた、「まねる」であるという。ロボットにやさしく“お姫様だっこ”してもらえる日が、すぐに来るかもしれない。

昆虫や植物の「まねる」は、秋の主役である「コオロギ」や「稲」などの穀物にまつわる話題となっている。まるで死んだようになったり、人間が大事にする穀物そっくりに化けて生き残る、ということのしくみにはどんな秘密があるのだろうか? そして、ミクロの世界をのぞいてみれば、がん細胞の「まね」を新たな治療戦略につなげる取り組みもあるという。

今回の特集は、「まねる」「化ける」をテーマとして、幅広い分野のトピックスを集めた。身近な「まね」を肴に、秋の夜長を暫しお楽しみ頂きたい。

Biophilia 14 (第4巻 第2号 発行日: 2008年6月10日)

特集: 「環境遺伝子」研究の最前線(2) 
―化学物質の環境リスクへの取り組み―

特集概要:

前号に引き続き「『環境遺伝子』研究の最前線」第2弾を紹介する。

環境ホルモン問題が騒がれた当初、野生動物や実験動物で報告された化学物質による健康被害がヒトにも起きるのか否か、それが、環境中微量化学物質が行動および生殖異常と密接にかかわっていることを裏づける膨大な科学データをひとつひとつ丹念に検証した労作『奪われし未来』(シーア・コルボーンら、1996)の核心をなす問題だった。今回は、それに関連する我々ヒトにおけるデータと知見を、岩本氏、曽根氏に示していただいた。しかし、問題はそれだけではなく、子どもたちの神経発達障害(木村-黒田氏、大竹氏)が懸念されているとともに世界各国で取り組みもなされている(河原氏)。また、巻頭の深田氏には環境中化学物質から未来世代を守るため、新たに取り組んでいる千葉大学の「次世代環境健康学」の紹介をいただいた。

環境汚染問題も含め、化学物質に囲まれたこの地球上での我々の生活にはどのような危険が潜み、あるいは実際に我々に忍び寄ってきているのだろうか。環境中の化学物質の影響から未来世代を守るために、最新の研究とその取り組みを紹介する。

(編集担当:星 信彦)

Biophilia 13 (第4巻 第1号 発行日: 2008年3月10日)

特集: 「環境遺伝子」研究の最前線(1)
―環境汚染と健康、人類の未来は大丈夫?―

特集概要:

環境汚染問題も含め、環境中微量化学物質に囲まれたこの地球上での我々の生活は、果たして問題ないのだろうか。あるいは、野生生物に影響が出ても、構造の違う高等生物、人間には明らかな毒性が認められないから問題ない、と片づけてよいのだろうか。

「環境汚染と健康」問題は未来(次世代)に先送りしてはならない、「疑わしきは罰せず」ではすまされない、それが今回のテーマ。

国には国の、企業には企業の方針があり、次元の異なるところでものごとが取り決められていることは歴史が物語っている。薬害問題がいい例だが、後になってやはり「あれは毒でした」ではいつまでたっても同じ歴史の繰り返しになってしまう。ただ、そういう部分もこのビオフィリアにしっかり残しておく、というのであれば、それも本誌の使命かも知れない。

一般に胎子および新生子は成体と比べて薬物等への感受性がきわめて高く、内分泌かく乱化学物質が不可逆的に脳あるいは生殖機能を障害する可能性が示唆されている。内分泌かく乱化学物質の作用メカニズムの解明は、分子生物学的知見を基に新しい時代に入ったといえるが、器官形成・発達時期である胎子・新生子期での内分泌かく乱化学物質曝露が、長期にわたって不可逆的にフィードバック機構の破綻を招来する作用機序については不明な点が多い。さらに近年、細胞世代を超えて継承され得る、塩基配列の変化を伴わない遺伝子発現制御について研究する新たなパラダイムとして、エピジェネティクスの領域が提唱され、内分泌かく乱化学物質が生物系に及ぼす環境エピジェネティクスの展開が期待される。

本号では、環境化学物質が生態系や人間の健康へ及ぼす作用の分子基盤に関し、日本および世界の研究者がこれまでどのように取り組んできたのか、また、今後の行方について第一線でご活躍の方々にわかりやすく概説していただく。

(編集担当:星 信彦)

Biophilia 12 (第3巻 第4号 発行日: 2007年12月10日)

特集: 「がん」制圧の最前線 ─病状、原因、治療。そして未来─

特集概要:

近年の我が国での死因のトップは「がん」。がん死の1位は肺がんで、次いで胃がん、肝臓がん、膵臓がん、乳がんと続く。本特集では「がん」について、その症状、原因、治療についての総論、そして、肺がん、胃がん、乳がんについての最新の診断、治療法について、さらに、末期のがんで訪れるさまざまな痛みをやわらげることを目指した緩和ケアについて、最前線でご活躍の方々に解説していただいた。

(本特集企画の制作にあたり、総論を執筆いただいた西條長宏先生にご協力いただきました。感謝申し上げます。)

Biophilia 11 (第3巻 第3号 発行日: 2007年9月10日)

特集: 宇宙での生物観察、実験
─水棲生物を用いた試み─

特集概要:

国際宇宙ステーション(ISS)の建設が進み、2008年にはいよいよ日本の実験棟「きぼう」が打ち上げられる。「きぼう」には、細胞培養装置や生物実験ユニットなどの生命科学系装置も搭載される。なかでも、水棲生物実験装置は我が国で独自に開発のものである。日本人研究者による数々の実験が計画されおり、宇宙生物学の躍進が期待されている。本特集では、「きぼう」での宇宙実験を展望しうる専門の先生方に6編の論文をご執筆していただいた。この特集が高校生や中学生をはじめ多くの方々が宇宙生物学へ興味をもつ契機となれば幸いである。

企画・編集協力:片平清昭(福島県立医科大学実験動物研究施設準教授)

Biophilia 10 (第3巻 第2号 発行日: 2007年6月10日)

特集: 生命の起源に迫る

特集概要:

生命はどこからきたのだろうか?

という問いは古くからさまざまな形で人々に論じられ、それを探るための試みも数多く行われてきた。生命の起源は未だ謎であり、その探求は現在も脈々と続いている。

本特集では、まず、生命の起源論の歴史を概観し、現在日本で出されている最新の仮説、理論を取り上げる。また、すべての生物に共通の祖先遺伝子を探る試みを紹介する。生命の起源論の今に迫る。

(特集担当:海野隆)

Biophilia 9 (第3巻 第1号 発行日: 2007年3月 1日)

特集: 眠りのサイエンス

特集概要:

なぜ生き物は眠るのだろうか? 睡眠は生き物に何をもたらすのだろうか?
 
睡眠はこれまで残された謎であったが、近年の研究成果によってさまざまなことがわかってきた。本特集では、生き物の生活リズムのしくみ、睡眠、覚醒の調節のしくみについて、そして、睡眠中の脳活動を見るための試み、また人間にはない行動である冬眠について取り上げ、眠りとは何か、その不思議に迫る。

Biophilia 7 (第2巻 第3号 発行日: 2006年9月 1日)

特集: 光で生体をとらえる
―光とナノテクノロジーを利用した生体観察・計測技術―

特集概要:

生命現象を光で照らす

光技術は、日本が世界をリードしてきた分野である。その光技術が新たな地平を切り拓こうとしている。光は、従来から生体にやさしいといわれてきたが、長い間、光はその性質からナノスケールのものは見ることができないと信じられてきた。しかし、その壁を乗り越えることで、光を用いての観察、計測技術は新たなステージを迎えている。

本誌では、連載「最新実験技術」にて「バイオイメージング」技術を生命科学の未来を考える手段として紹介してきたが、これまではフルオレッセンス、ルミネッセンスを用いてのWhole-body観察、すなわち動物などを“丸ごと”イメージングして、臓器や細胞の活性などを見る最新技術を紹介してきた(ビオフィリア4、5、6号)。

今回は、光技術(フォトニクス)とナノテクノロジーを用いて細胞・組織を“分子レベル”で観察する技術の開発と手法を紹介する。大阪大学の河田先生には、光による分子イメージングの領域について本特集のリードとして総説していただいた。東京大学の内藤先生らには、ラマン分光を、京都府立医大の高松先生には多光子励起をそれぞれ用いた技術を解説いただいた。最後に大阪大学の藤田先生には非線形光学現象を概説していただいた上で超短バルスレーザー技術について解説していただいた。いずれも我が国の本方面の第一人者による総説であるが、カラー写真をふんだんに載せ“光”の特集にふさわしくアレンジした。

(編集担当:小林 英司)

Biophilia 5 (第2巻 第1号 発行日: 2006年3月 1日)

特集: 生物から作り出される新たな医療
[生物工場]

特集概要:

遺伝子組換え技術や移植技術などを用い、動植物で医薬品や酵素、さらにヒト細胞や臓器の産出をめざす「生物工場」。今回は、野菜でつくる食べるワクチン、ニワトリにピロリ菌を撃退する抗体を持ったたまごを生ませる技術、カニなど甲殻類の殻に含まれるキチン・キトサンの持つ効果、ヒトへの移植をするための細胞、組織を実験動物でつくる「動物工場」への挑戦を取り上げた。新たな医療としての生物利用の世界を覗いてみよう。

(編集担当:小林英司)

Biophilia 3 (第1巻 第3号 発行日: 2005年9月 1日)

特集: 新しい医療のかたち
―医療材料の世界―

特集概要:

近年、理学、工学分野との融合が活発化し、医学が新たな展開を見せている。現代医学は、多くの分野から最新の知識、技術を導入して先端的な医療を生み出している。一方、高齢化社会に対応してより安全で機能性の高い医療材料、医療器具の開発が望まれている。本特集では、痛んだ組織や臓器の再生を引き出す手法、失われた骨や歯を取り戻す技術といった再生医療やナノテクノロジーを駆使した安全で安心な最新の医療技術開発を紹介する。新時代の医科学のかたちがここにある。

(特集編集担当:小林英司)

Biophilia 2 (第1巻 第2号 発行日: 2005年6月 1日)

特集: 宇宙生物医学 -未来への招待-

特集概要:

20世紀に開かれた宇宙への扉。われわれはこの21世紀にどこまで進出できるだろうか。本特集では、宇宙環境が及ぼすヒトへの影響や日本が開発した実験装置など、夢の宇宙生活実現へ向けたステップとして行われている生命科学研究を紹介する。扉の向こうには果たして何が待ち受けているのだろうか? 3・2・1・Lift Off!

(特集編集担当:吉崎 理華)

Biophilia 1 (第1巻 第1号 発行日: 2005年3月 1日)

特集: 時間とヒトと動物 ―時は流れる―

特集概要: 不老不死。これは人類が太古から抱いてきた夢であり、それを実現することは生命科学の究極の目標の1つといえる。本特集では、寿命はいかにして決定され、なぜ動物によって異なるのか、そして、老化はなぜ起こり、また、それを抑えることはできるのか、さらに、時を感じるしくみについてそれぞれを最新の研究から探り、不老不死という夢の実現可能性に迫る。

(特集編集担当:星 信彦)

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