特集: ニッポンの養殖
この2月、東京大学大気海洋研究所と独立行政法人水産総合研究センターの研究チームによって、天然ウナギの卵が発見された。ウナギの稚魚の不漁が続くなか、この発見は、昨年の完全養殖ウナギ誕生と並ぶ朗報だろう。人口爆発問題を抱えている人類にとって、養殖技術の向上はタンパク源を確保するうえで必須の課題だ。そして、わが国の養殖技術は世界最先端を独走する。今回は、養殖研究第一線からの新鮮情報をお届けしたい。
この2月、東京大学大気海洋研究所と独立行政法人水産総合研究センターの研究チームによって、天然ウナギの卵が発見された。ウナギの稚魚の不漁が続くなか、この発見は、昨年の完全養殖ウナギ誕生と並ぶ朗報だろう。人口爆発問題を抱えている人類にとって、養殖技術の向上はタンパク源を確保するうえで必須の課題だ。そして、わが国の養殖技術は世界最先端を独走する。今回は、養殖研究第一線からの新鮮情報をお届けしたい。
「毒」と「薬」は表裏一体の存在である。毒は、からだにとって「害」、薬は「益」、と言葉の意味はまったく逆だが、どちらも「生体に影響を与えるもの」であり、科学的には同じものとして捉えることができる。猛毒に含まれる物質を麻酔などの薬として利用することもあるし、特殊な物質に限らず、身の回りに存在する物質も摂取量次第では毒となる可能性がある。人間の言葉も時として、他人に対しての良薬になることもあれば、精神に作用する毒となることもある。
本特集では、生き物が体内に持つ毒についてまとめた。生物が持つ毒は、身を守るためや、進化の過程で身につけたもの、外部から取り込んだものなどさまざまなものがあるが、毒を持つ理由や自らの毒におかされないわけなど、まだよくわかっていないことも多い。今回は、毒を持つことがよく知られている、フグ、ヘビ、クモ、キノコに加えて、毒を持つことがあまり知られていないウニ、さらに、トガリネズミ、カモノハシといった毒を持つ哺乳類を取り上げ、生き物が身につけた毒の謎に迫る。
(特集編集担当:星 信彦)