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Biophilia 25 (第7巻 第1号 発行日: 2011年3月 1日)

特集: ニッポンの養殖

特集概要:

この2月、東京大学大気海洋研究所と独立行政法人水産総合研究センターの研究チームによって、天然ウナギの卵が発見された。ウナギの稚魚の不漁が続くなか、この発見は、昨年の完全養殖ウナギ誕生と並ぶ朗報だろう。人口爆発問題を抱えている人類にとって、養殖技術の向上はタンパク源を確保するうえで必須の課題だ。そして、わが国の養殖技術は世界最先端を独走する。今回は、養殖研究第一線からの新鮮情報をお届けしたい。

Biophilia 21 (第6巻 第1号 発行日: 2010年3月 1日)

特集: 脳科学研究の最前線

特集概要:

遥か彼方に広がる宇宙と、身近な存在である脳。この2つほど、科学者の興味をかきたてる研究テーマはないだろう。そして脳科学は、テーマがきわめて細分化されており、奥が深い世界だ。歩く、食べる、寝る。我々が日々の活動はすべて、脳がつかさどっているといえるが、まだまだ脳にはわからないことが多い。統合失調症の原因解明、生物時計、発生・再生の仕組み、双曲性障害、学習...脳を知ることは、人を知ることであるといえよう。今回の特集では、脳研究の最先端に携わる研究者の方々に執筆いただいた。

Biophilia 20 (第5巻 第4号 発行日: 2009年12月 1日)

特集: インフルエンザとは何か

特集概要:

テレビや新聞で、新型インフルエンザのニュースを聞かない日はないだろう。現在も世界中で大流行しており、わが国でも学校や職場で休校や休業が相次ぎ、既に何人もの死者が出ている状態にある。インフルエンザは病名だけは誰でも知っているほどポピュラーな病気だが、感染が起こるメカニズムや、ワクチンがウイルスに効く仕組みなど、一般的に知られていない内容が意外に多い。今回はインフルエンザの実態について、様々な観点から考えることができる特集を企画した。本特集が、読者の方々がインフルエンザの予防法について考え、また、ヒトとインフルエンザの戦いの歴史や現在の研究について幅広く知るきっかけになれば幸いである。

Biophilia 19 (第5巻 第3号 発行日: 2009年9月 1日)

特集: 生き物を形作るしくみ ―エピジェネティクス―

特集概要:

生物の体の形成は、遺伝子のみで決まるのではなく、生まれた後のさまざまな要因によって遺伝子の発現が変化していくことでなされる。ヒトの体を構成している60兆個の細胞は、基本的に同じ遺伝情報を持つが、それらがさまざまな組織、臓器へ発生・分化していくのは、その過程に、遺伝子をコードするアミノ酸配列の変化を伴わない情報記憶と発現のメカニズムがあるからである。このような遺伝子に指令を与え、発生・再生、がん、老化、遺伝などの(細胞の個性を確立・維持・消去する)生命現象に大きな影響を及ぼすメカニズムをエピジェネティクスという。

本特集を企画した背景には、最近、このエピジェネティクスの分子レベルでの研究が爆発的に進んでおり、現代の生命科学のめざましい進展の中でともすれば細分化されがちな研究分野を統合的に理解する共通学問基盤として、エピジェネティクスが重要な役割を担うようになった点が挙げられる。

本特集は、これまでのエピジェネティクス研究によって明らかになってきた「生命現象と疾患との関係」、「遺伝子発現制御のしくみ」、「生殖細胞や父母ゲノムの役割」、そして「哺乳類の進化」について、それらの研究のまさにトップにおられる研究者の方に最新の知見を集約し、わかりやすく紹介していただいた。

(特集担当:星 信彦)
Biophilia 16 (第4巻 第4号 発行日: 2008年12月10日)

特集: 感染症を知る

特集概要:

感染症の対策の根本は病原体を正しく知り、そして正しく怖れることである。しかし、我々は未だ病原体の性状について完璧に知り得てはいない。また、病原細菌や病原ウイルスは変貌する環境に適応して絶えず変異、組換えを繰り返している。そして、環境に適応したもののみが生き残る。強病原性の獲得は種の保存に必ずしも適応しているとは限らない。一方、ヒト社会は感染者、発症者こそその総力を挙げて護っていかねばならない。病原体との戦いにおいては決定的なハンデキャップであるが、ヒトにはヒトにしかない武器がある。ヒトにはあくなき“知”の探求があり、そして“知”を共有することができる。さらに、社会の維持のために、弱者を護らねばならないという“優しさ”を本質的に有している。

ここに感染症研究が他の医学研究と徹底的に違う点があり、従事する感染症研究者の使命と矜持がある。しかし、自ら彊じ感染症研究にあたるとき、心せねばならない最重要点は、その研究対象として感染性を有する微生物を扱うことにある。研究成果は遅滞なく公開せねばならないことはもちろん、その微生物をバイオセーフティーの観点から正しく扱っていることをエビデンスを持って示していかねばならない。また、研究施設を取り巻く環境、住民に正しく研究内容を理解してもらうこともまた不可欠である。

国立感染症研究所(感染研)は、我が国の感染症研究の総本山といわれているが、その証左の1つとして年2回、国立感染症研究所安全連絡協議会を開催し、市民に対し、研究所の安全管理について報告するとともに、研究所で行われている研究の意義づけ、目的、進捗状況について“トピック”として個々の研究リーダーが説明している。本特集では、同協議会で取り上げた“トピック”を中心に現在関心の高い感染症についてまとめた。感染研での研究の一端をより多くの方々に知ってもらう機会となればと思う。

国立感染症研究所 所長 宮村達男

Biophilia 14 (第4巻 第2号 発行日: 2008年6月10日)

特集: 「環境遺伝子」研究の最前線(2) 
―化学物質の環境リスクへの取り組み―

特集概要:

前号に引き続き「『環境遺伝子』研究の最前線」第2弾を紹介する。

環境ホルモン問題が騒がれた当初、野生動物や実験動物で報告された化学物質による健康被害がヒトにも起きるのか否か、それが、環境中微量化学物質が行動および生殖異常と密接にかかわっていることを裏づける膨大な科学データをひとつひとつ丹念に検証した労作『奪われし未来』(シーア・コルボーンら、1996)の核心をなす問題だった。今回は、それに関連する我々ヒトにおけるデータと知見を、岩本氏、曽根氏に示していただいた。しかし、問題はそれだけではなく、子どもたちの神経発達障害(木村-黒田氏、大竹氏)が懸念されているとともに世界各国で取り組みもなされている(河原氏)。また、巻頭の深田氏には環境中化学物質から未来世代を守るため、新たに取り組んでいる千葉大学の「次世代環境健康学」の紹介をいただいた。

環境汚染問題も含め、化学物質に囲まれたこの地球上での我々の生活にはどのような危険が潜み、あるいは実際に我々に忍び寄ってきているのだろうか。環境中の化学物質の影響から未来世代を守るために、最新の研究とその取り組みを紹介する。

(編集担当:星 信彦)

Biophilia 13 (第4巻 第1号 発行日: 2008年3月10日)

特集: 「環境遺伝子」研究の最前線(1)
―環境汚染と健康、人類の未来は大丈夫?―

特集概要:

環境汚染問題も含め、環境中微量化学物質に囲まれたこの地球上での我々の生活は、果たして問題ないのだろうか。あるいは、野生生物に影響が出ても、構造の違う高等生物、人間には明らかな毒性が認められないから問題ない、と片づけてよいのだろうか。

「環境汚染と健康」問題は未来(次世代)に先送りしてはならない、「疑わしきは罰せず」ではすまされない、それが今回のテーマ。

国には国の、企業には企業の方針があり、次元の異なるところでものごとが取り決められていることは歴史が物語っている。薬害問題がいい例だが、後になってやはり「あれは毒でした」ではいつまでたっても同じ歴史の繰り返しになってしまう。ただ、そういう部分もこのビオフィリアにしっかり残しておく、というのであれば、それも本誌の使命かも知れない。

一般に胎子および新生子は成体と比べて薬物等への感受性がきわめて高く、内分泌かく乱化学物質が不可逆的に脳あるいは生殖機能を障害する可能性が示唆されている。内分泌かく乱化学物質の作用メカニズムの解明は、分子生物学的知見を基に新しい時代に入ったといえるが、器官形成・発達時期である胎子・新生子期での内分泌かく乱化学物質曝露が、長期にわたって不可逆的にフィードバック機構の破綻を招来する作用機序については不明な点が多い。さらに近年、細胞世代を超えて継承され得る、塩基配列の変化を伴わない遺伝子発現制御について研究する新たなパラダイムとして、エピジェネティクスの領域が提唱され、内分泌かく乱化学物質が生物系に及ぼす環境エピジェネティクスの展開が期待される。

本号では、環境化学物質が生態系や人間の健康へ及ぼす作用の分子基盤に関し、日本および世界の研究者がこれまでどのように取り組んできたのか、また、今後の行方について第一線でご活躍の方々にわかりやすく概説していただく。

(編集担当:星 信彦)

Biophilia 12 (第3巻 第4号 発行日: 2007年12月10日)

特集: 「がん」制圧の最前線 ─病状、原因、治療。そして未来─

特集概要:

近年の我が国での死因のトップは「がん」。がん死の1位は肺がんで、次いで胃がん、肝臓がん、膵臓がん、乳がんと続く。本特集では「がん」について、その症状、原因、治療についての総論、そして、肺がん、胃がん、乳がんについての最新の診断、治療法について、さらに、末期のがんで訪れるさまざまな痛みをやわらげることを目指した緩和ケアについて、最前線でご活躍の方々に解説していただいた。

(本特集企画の制作にあたり、総論を執筆いただいた西條長宏先生にご協力いただきました。感謝申し上げます。)

Biophilia 10 (第3巻 第2号 発行日: 2007年6月10日)

特集: 生命の起源に迫る

特集概要:

生命はどこからきたのだろうか?

という問いは古くからさまざまな形で人々に論じられ、それを探るための試みも数多く行われてきた。生命の起源は未だ謎であり、その探求は現在も脈々と続いている。

本特集では、まず、生命の起源論の歴史を概観し、現在日本で出されている最新の仮説、理論を取り上げる。また、すべての生物に共通の祖先遺伝子を探る試みを紹介する。生命の起源論の今に迫る。

(特集担当:海野隆)

Biophilia 1 (第1巻 第1号 発行日: 2005年3月 1日)

特集: 時間とヒトと動物 ―時は流れる―

特集概要: 不老不死。これは人類が太古から抱いてきた夢であり、それを実現することは生命科学の究極の目標の1つといえる。本特集では、寿命はいかにして決定され、なぜ動物によって異なるのか、そして、老化はなぜ起こり、また、それを抑えることはできるのか、さらに、時を感じるしくみについてそれぞれを最新の研究から探り、不老不死という夢の実現可能性に迫る。

(特集編集担当:星 信彦)

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