光で捉えるナノプローブ

川勝 英樹 東京大学

シリコンの異方性エッチングで、100nmオーダの大きさのナノプローブを作ることが可能になり、それを用いて、原子オーダの力や質量を検出できる可能性がある。しかし、このナノプローブはとても小さく、超高周波で振動しているため、その運動を観察したり、制御することは難しい。その解決方法を光に求めた。

【用語解説】

ナノプローブ
大きさがナノメートルオーダの、何らかの物理量を検出する素子や探針。

無摩滅摺動:
表面が摩滅することなく、複数の表面が擦れる状態をいう。走査型力顕微鏡の研究で、100nNを超えない力で探針を摺動させると、原子レベルで表面が削れないことが知られている。

固有振動数:
バネと質量からなる振動子や、おもりと糸からなる振り子は、その置かれた場に応じてそれぞれに固有な振動周波数を持っている。例えば、振り子は、その置かれた場の重力加速度、糸の長さ、おもりの質量によって定まる周波数で振動する。この固有な振動数を固有振動数という。本研究では、固有振動数の変化から、質量の変化や、場の変化を高感度で読み取る。

力の勾配:
力の位置微分。ある物体に作用する力が場所によって変化する程度を示す。場所によらず一定の力が作用する場合は力の勾配はゼロ。

自励振動:
自らの振動を元に、振動が持続する状態。例えば、ブザーも一種の自励振動である。振動子を自励振動させて、場を変化させると、その周波数が変化する。

第17回「大学と科学」公開シンポジウム