実験動物の技術と応用 実践編
 
(社)日本実験動物協会 編
 

 
昭和60年に社団法人日本実験動物協会が設立され、実験動物技術者の教育認定事業が現在の日本実験動物学会から当協会に移管された。それ以来、当協会では、教科書の作成や教育用ビデオソフトの編集、各種講習会やフォーラムの開催など、技術者の教育認定にかかわる多角的な取り組みを実施してきた。その一環として、協会設立当初の動物実験技術と実験動物技術の大きな変化に対応し、新たな教育の充実をはかるため、教科書作りが行われ、昭和63年、実験動物一級技術師を対象とした「実験動物の基礎と技術 T総論・U各論」が出版され、ついで実験動物二級技術師を対象とした「実験動物の基礎と技術、技術編」が出版された。
平成14年、当協会は認定試験のための実施要領を制定し、試験問題の作成方針を改めて規定し、試験問題をホームページで公開することとした。こうした制度の変更に伴い、新しい教育、認定制度に則した教科書の作成が必要であることを認識、これを期に教育認定専門委員会に教科書の改訂をお願いし、ここに、新しい理念と内容を盛り込んだ実験動物技術師のための教科書が全面的に改訂され、出版される運びとなったことは大変喜ばしいことである。
 新教科書は書名も「実験動物の技術と応用 入門編」と「実験動物の技術と応用 実践編」に改め、「実験動物の技術と応用 入門編」では、日常の飼育作業に必要な最新の基礎知識と技術を盛り込んだ二級技術師用テキストとし、科学と実験動物福祉の両面からの疑問に答えられるように配慮されている。また「実験動物の技術と応用 実践編」では動物飼育施設あるいは実験施設のスーパーバイザーとして、また研究者のパートナーとして活躍できる一級技術師を育てることをめざし、同時に、動物実験を行う医学、生命科学領域の大学院生、および大学、企業研究所、生産施設などで動物実験や実験動物の管理に携わる研究者にも実践的なテキストとなるよう、国際水準の知識と技術が満載されている。実験動物を学ぼうとする人々によって両書が広く利用されることを願ってやまない。
最後に、本書の企面・制作に当たって多大なご尽力をいただいた教育認定専門委員会および執筆者の各位に厚くお礼申し上げるとともに、企画から出版まで一貫してご協力くださった株式会社アドスリーの方々に深謝する。
 
平成16年3月
 
社団法人日本実験動物協会会長
光岡知足

株式会社アドスリー