科学技術者のみた
日本・経済の夢
北澤 宏一

はじめに──元気を出そうよ

  20世紀末に豊かさを達成した日本という国は一体どのような国なのか、多数の客観データをもとに考察しなおして見ました。そこには普段世間でよく言われている悲観的観測とはまったく違った日本のイメージが浮かび上がってくることに気づきました。
私たちはこれまで、根拠のない、悲観的な憶測に躍らされすぎてきたようです。いたずらに自信を失いすぎています。きちんとした現状把握にもとづいて、これからどうしていったら良いのか、その結論を出していく必要があります。
  現在の日本の客観状況は、世界の国々からみたらこんなうらやましい国はありません。自信を喪失する理由などどこにも見当たりません。
データを見ると、日本のしなければならないことは明白です。それは、20世紀の日本人が頑張って達成した生産性向上の果実をご褒美として収穫することです。そのご褒美はGDPの約5%にも相当する巨大なものです。その果実、それを第4の価値と呼ぶことにしましょう。第4の価値を創るのは第4次産業です。
  第4の価値として日本人は何を手に入れようとしていくのか。それは21世紀日本の夢であり、アイデンティティそのものです。それは、有限な地球を踏まえる21世紀型日本人が馳せる夢です。
  世界においてたぐい稀な高い生産効率を上げてきた日本は、未来に向けて大きな夢を設計することのできる立場にいます。夢に向けた活動を繰り広げることが、20世紀末に生じた日本経済の歪を根本的に解決し、日本の21世紀を開いていくものであることを検証していきます。
  第4の価値の中に「夢を設計」し、実現に向けた「仕組みを作る」。21世紀型日本人への変身の課題です。
 
 
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