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実験動物感染病の対応マニュアル

実験動物感染病の対応マニュアル

商品コード: ad10002

前島一淑(監修), 有川二郎, 他17名(共著)

発行日: 2000年6月10日
判型: A4判
頁数: 345ページ
書籍コード: ISBN978-4-900659-28-2 C3047
定価:10,800円 (本体価格:10,000円)

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200種近くの国内外感染病に関する詳細データを網羅し、その対策と対応についての詳細な紹介が満載されています。

まえがき

  実験動物を健康な状態で維持し,適正な状態で実験に供するために,感染病の診断と防除はきわめて重要な課題で,ぞの点について,わが国の実験動物の感染病研究者は十分に研突成果をあげてきた.しかし,長年にわたる努力にも関わらず,依然としてTyzzer病やマウス肝炎のような実験動物の固有感染病の発生がわが国でみられている.
  また,わが国では発生が確認されていないか,制圧に成功はしたけれども,海外では依然として流行していて,侵入する可能性があるエクトロメリアやBウィルス病のようなエマージング(海外)感染病,実験動物の感染病と擬せられてはいるけれども.現時点で病因について意見が必ずしも一致していないニューモシスチス・カリニー肺炎やネコひっかき病などの疾患に関する研究は十分でない.とくに海外感染病については,たとえわが国に侵入する可能性が少ないとしても,万一の事態を想定して,迅速で的確な検査ならびに防圧の手段を整備しておくことが,実験動物の感染病研究者の務めである.しかし実際問題として,わが国に流行していない感染病を研究対象とすることは,その侵入確率の低さや病原体の万一の漏洩事故を考慮すると,簡単なことではない.
  そこで,わが国で実験動物感染病を研究テーマとしている研究者が,平成8~10年度文部省科学研究費補助金(基盤研究A(1))「実験動物の海外感染病の検査ならびに防圧方法に関する研究(課題番号:0830804D」の交付を受け,わが国における発生の有無に関わらず幅広い感染病を対象として,実験動物に固有および人獣共通の各種感染病の疫学,病理,診断.治療,予防,影響(動物/人/実験),対応策について.実証的ならぴに支献的な研究を進めてきた.
  研究は以下の20名(五十音順)の共同研究として進められた.有川二郎(北大医),石原智明(酪農大獣医),磯貝浩(札幌医大),伊藤豊志雄(実中研),浦野徹(熊本大動物資源研),鍵山直子(ノバルティスファーマ),川本英一(東京医大).喜多正和(京都府立医大),佐藤浩(長崎大医),柴原壽行(鳥取大医),高鳥浩介(国立医薬食衛研),寺田英司(北里大衛生,平成9年死去),福田孝一(防衛医大),前島一淑(慶大医),万年和明(大分医大).毛利資郎(九大院医),八神健一(筑波大基礎医),矢鍋誠(日本エスエルシー),山本博(富山医薬大),吉川泰弘(東大院農).

と二ろで.これらの実験動物感染病がわが国で発生したときの最初の対応者はだれかということになると,一般的には,総理府告示「実験動物の管理及ぴ保管等に関する基準」でいう管理者等,とくに獣医学を背景とする実験動物管理者であろう.しかし,彼らのすべてが感染病学を専攻しているわけではない.それにも関わらず,彼らは実験動物の感染病に直接対面し,事態に対処しなげればならず,その責任はきわめて重い.
  そこで上記の研究成果に基づき,基本的な微生物学の知識と技術をもつ者のために,ウィルス性疾患101種.細菌性疾患51種,真菌性疾患10種.寄生虫性疾患31種の計193種の感染病について,疾患名,病原体,感受性動物種,症状,感染源と伝播経路.疫学,診断法,予防法,治療法,参考資料を簡潔にまとめて,実践的なマニュアルを作成した.
  本書は,これまでに刊行された実験動物感染病に関する成書の中で.国内外を問わず,もっとも優れたテキストの一つであることは疑いない.実験動物感染病の専門家だけでなく,家畜やヒトの感染病研究者にとっても,じつに有益なテキストであるといって言い過ぎではない.また最近,家畜伝染病法の改正,いわゆる感染症新法の制定,狂犬病法の改正が相次ぎ,実験動物の感染病に対しても従来とは異なる的確な対応が追られており,本書の刊行はその意味でも時宜にかなっていよう.
  なお,わが国の実験動物感染病学を長年にわたり指導してこられた藤原公策先生の"感染病という用語を用いるべきである(症は誤りである)"という指摘を守り.特別な場合では炎,熱,症なども用いたが,一般的に本書では頑なに"病"と表現した.
  最後に,岩城隆昌(慈恵医大),古曳利恵(九大院医),その他多くの方々の協力によって本書が刊行されたことを銘記し,出版にあたり多大の負担をかけた(株)アドスリー社に謝意を表したい.

平成12年4月   執筆者を代表して 前島 一淑

執筆者一覧

監  修:前島一淑
編  集:有川二郎・浦野徹・柴原壽行・高鳥浩介
執筆者:有川二郎(北海道大学医学部教授)
     石原智明(酪農学園大学獣医学部教授)
     磯貝  浩(札幌医科大学医学部助教授)
     伊藤志雄((財)実験動物中央研究所室長)
     浦野徹(熊本大学動物資源開発研究センター教授)
     鍵山直子(ノバルティスファーマ(株)筑波研究所部長)
     川本英一(東京医科大学講師)
     喜多正和(京都府立医科大学助教授)
     佐藤  浩(長崎大学医学部助教授)
     柴原壽行(鳥取大学医学部助教授)
     高鳥浩介(国立医薬品食品衛生研究所室長)
     寺田英司(北里大学衛生学部助教授,平成9年死去)
     福田孝一(防衛医料大学校助教授)
     前島一淑(慶応義塾大学医学部教授)
     万年和明(大分医料大学医学部助教授)
     毛利資郎(九州大学大学院医学系研究科教授)
     八神健一(筑波大学基礎医学系研究科教授)
     矢鍋  誠(日本エスエルシー(株)部長)
     山本  博(富山医料薬科大学助教授)
     吉川泰弘(乗京大学大学院農学生命科学研究科教授)  (五十音順)

【実験動物感染病の対応マニュアル P17】

【実験動物感染病の対応マニュアル P17】

各   論

■ウイルス性疾患

アフリカブタコレラ/イヌ口腔パピローマウイルス感染病/イヌコロナウイルス感染病/イヌ伝染性肝炎/イヌ伝染性喉頭気管炎/イヌパラインフルエンザウイルス感染病/イヌパルボウイルス感染症/イヌヘルペスウイルス感染病/ウサギウイルス性出血病/ウサギ口腔パピローマ/ウサギコロナウイルス感染病/ウサギ線維腫/ウサギ痘/ウサギ乳頭腫/ウサギヘルペスウイルス感染病/ウサギロタウイルス感染病/A型肝炎/マウス痘瘡/エボラ出血熱/エボラ様サルフィロウイルス感染病/黄熱/オーエスキー病/灰白脳脊髄炎/狂犬病(イヌ)/狂犬病(サル)/鶏痘/口蹄疫/仔ブタ胃腸炎/キャサヌール森林熱/サル出血熱/サル水痘様ヘルペスウイルス感染病/サル白血病/サル免疫不全ウイルス感染病/サルレトロウイルス/タイプD感染/イヌジステンパー/水疱疹/水疱性口炎/センダイウイルス感染病/唾液腺涙腺炎/タナポックス/デング熱/鶏伝染性気管支炎/伝染性喉頭気管支炎/伝染性ファブリキウス嚢病/豚コレラ/豚痘/日本脳炎/乳酸脱水素酵素ウイルス感染病/ニューカッスル病/ニワトリ脳脊髄炎/ネコウイルス性鼻気管炎/ネコカリシウイルス感染病/ネコ巨細胞形成ウイルス感染病/ネコ後天性免疫不全症候群/ネコ伝染性腹膜炎/ネコ白血病/ネコ汎白血球減少病/ネコロタウイルス感染病/粘液腫病/脳心筋炎ウイルス病(マウス)/脳心筋炎ウイルス病(ブタ)/パルボウイルス感染病/腎症候性出血熱/Bウイルス感染/ブタアストロウイルス感染病/豚アデノウイルス病/ブタインフルエンザ/ブタゲタウイルス病/ブタ水疱病/ブタ伝染性胃腸炎/ブタパルボウイルス感染病/ブタ流行性下痢/ヘルペスウイルス・サイミリ病/ポリオーマウイルス感染病/マールブルグ病/マウスアデノウイルス感染病/マウス肝炎ウイルス感染病/マウス丘疹病/マウス胸腺ウイルス感染病/マウスKウイルス感染病/マウスサイトメガロウイルス感染病/マウス乳ガンウイルス感染病/マウス脳脊髄炎/マウス肺炎ウイルス感染病/マウス白血病/マウス微小ウイルス感染病/マウスロタウイルス腸炎/麻疹/マレック病/モルモットアデノウイルス感染病/モルモットサイトメガロウイルス病/モルモット白血病/モルモットヘルペスウイルス病/モンキーポックス/ヤバポックス/ラット脳脊髄炎/ラットコロナウイルス病/ラットロタウイルス腸炎/リンパ球性脈絡髄膜炎/レオウイルス感染病/レオウイルス感染病(ブタ)

■細菌性疾患

アコレプラズマ病/アナチペスティファー病/ウサギのトレポネーマ病/壊死菌病/エールリッヒア病(イヌ)/エルシニア感染病/カーバチラス病/仮性結核/カンピロバクター病/気管支敗血病菌病(ラット,モルモット,ウサギ,ネコ,ブタ,サル)/グラハメラ感染病/クラミジア感染病/クレブシェラ病/クロストリジウム病/結核(イヌ,ネコ,ブタ,サル,トリ)/細菌性赤痢/サルモネラ病/七面鳥コリーザ(トリ)/シトロバクター病/鼠咬熱(1)/鼠咬熱(2)/鼠癩菌感染病(マウス,ラット,ネコ)/大腸菌病(モルモット,ウサギ,イヌ,ネコ,ブタ,トリ)/炭疸(ブタ)/ティザー病/伝染性コリーザ/トリ結核(トリ,ブタ,イヌ,ネコ,サル)/豚丹毒(ラット,ブタ,トリ)/ネコひっかき病/ネズミコリネ菌病/ノカルジア病(イヌ)/パスツレラ病(マウス,ラット,ハムスター,モルモット,ウサギ,イヌ,ネコ,ブタ,サル)/豚赤痢(ブタ)/ブタのヘモフィルス感染病/ブドウ球菌病/ブルセラ病/プロテウス菌病/ペスト/ヘモバルトネラ病/ヘリコバクター病/ボレリア病(イヌ)/マイコプラズマ感染病/野兎病(ハムスタ-,ウサギ,ネコ)/リケッチア性痘瘡リケッチア/リステリア病(モルモット,ウサギ,イヌ,ネコ,ブタ,トリ)/緑膿菌感染病/類鼻疽/レプトスピラ病(マウス,ラット,モルモット,イヌ,ネコ,ブタ)/レンサ球菌感染病/ロドコッカス・エクイ感染病(イヌ)

■真菌性疾患

アスペルギルス感染病/カンジダ感染病/クリプトコックス感染病/コクシジオイデス感染病/スポロトリコーシス/ヒストプラズマ感染病/皮膚糸状菌病/ブラストミセス感染病/マラセチア感染病/ムーコル病

■寄生虫性疾患

イエダニ感染病/イヌ回虫感染病/イヌ鉤虫感染病/イヌミミヒゼンダニ感染病/ウサギキュウセンヒゼンダニ感染病/ウサギ蟯虫感染病/エンセファリトゾーン感染病/小型クリプトスポリジウム感染病/小形条虫感染病/サル糞線虫感染病/サルマラリア/シファキア・ムリス感染病/シファキア・メソクリセティ感染病/赤痢アメーバ感染病/大腸バランチジウム病/多包条虫感染病/単包条虫感染病/腸結節虫病/腸トリコモナス感染病/トキソプラズマ感染病/ニューモシスチス感染病/ネオスポラ感染病/ネズミケクイダニ感染病/ネズミケモチダニ感染病/ネズミ大腸蟯虫感染病/ネズミ盲腸蟯虫感染病/ヒゼンダニ感染病/ブラジル鉤虫感染病/糞線虫感染病/ラドフォルシア・アフィニス病/ランブル鞭毛虫感染病

別    表

国立感染症研究所病原体等安全管理規定(抜すい)
  別表1 病原体等のバイオセーフティレベルを分類する基準
  別表1,付表1 病原体のレベル分類
  別表1,付表2 実験動物の病原体等のバイオセーフティレベル分類
  別表2 病原体等取扱実験室の安全設備及び運営基準
国立大学動物実験施設協議会
  感染動物実験における安全対策(案)─含・動物実験における病原体の安全度分類─

目 次

●感染病発生時の一般的対応
はじめに
1.対応者
2.事前準備
3.感染病発生が疑われた場合の措置(第1次行動)
4.感染病発生の可能性が強まった場合の措置(第2次行動)
5.感染病発生が確定した場合の措置(防圧行動)
6.感染病が終息した場合の措置(終結行動)
おわりに
付属資料
 家畜伝染病予防法に基づく家畜伝染病の届出について

●動物実験の現場における対索の実際
 (規定,マニュアル,SOP等の紹介)熊本大学動物資源開発研究センターにおける例
1.感染病の予防と発生時の対索に関する基本的な考え方
2.動物に触れる以前に行う感染病予防対策の実際
3.動物に触れるときに行う感染病予防対策の実際
4.感染病発生時の対索の実際

●実験動物施設における感染病対策
1.感染病対策概論
2.感染病対策が重要なわけ
3.感染病の発生原因-マウス,ラットの事例
4.感染病の早期発見
5.早期発見を導く観察のポイント
6.感染病の対策
7.施設ぐるみの予防対策

●海外感染病および新興感染病に関する対策
はじめに
1.各国の動物検疫とわが国の動物検疫の現状
2.感染病新法に関する動物由来感染病ワーキンググループの報告
3.感染病新法と法令およびOIEの提言
4.今後の対応について
おわりに

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