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いざ"生"の扉へ ─クローンとエピジェネティクスの新展開─

いざ

商品コード: ad10015

監修: 東條英昭(東京大学)
編集: 今川和彦(東京大学)

発行日: 2006年4月15日
判型: A4判
頁数: 148ページ
書籍コード: ISBN 4-900659-65-7 C3045
定価:2,640円 (本体価格:2,400円)

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 本書は、2005年に行われた第104回日本畜産学会にて「クローンとエピジェネティクスの新展開」として開催されたシンポジウムをまとめたものです。講演内容を、大学、短大の畜産・獣医・応用動物科学系・理学・生物学系の学生の皆さんや研究者、技術者あるいは臨床家にも十分に理解していただけるように編集し直しました。

  講演内容のまとめと合わせて、各著者の紹介では、現在の研究を始めたきっかけや苦労話、研究(人生)に影響を与えた出逢い、ことば、などについてご執筆いただき、とくに、これから研究者を目指そうと考えている人たちのためのよい参考書になって欲しいと考えてつくりました。

  この本には、21世紀にサイエンティストになり、生き抜くためのヒントがいっぱい詰まっています。それぞれの最前線に立って研究を続けておられる研究者の勇気ある言葉や苦労話も堪能してください。 (今川和彦)

編者のことば

 もし本書が10年前に出版されていたら,これは完全なサイエンスフィクションとして読まれていただろう.なにしろ体細胞クローンは10年前までは実現不可能な技術だと思われていたのだから.それどころかサケにマスの子供を産ませる「トンビがタカを生む」技術や,ウシにヒトの染色体を組み込んでしまったり,ほうれん草の遺伝子を組み込んだおいしいブタを作ったり,果ては単為発生マウス「Kaguya」(この名前は日本で最初のSF小説と言われている竹取物語からつけられた)まで生まれている.どれも絶対にSF小説の世界でしか語られなかった未来の技術である.

  本書は,日本畜産学会第104回大会で行われたシンポジウムをまとめたものだが,科学解説書というより,いかにしてその発見に辿り着いたのか,問題を解決するためにはどうすれば良いのか,という道筋が中心に述べられている.その行程がどれほどワクワクするものだったのがよく伝わり,研究とはこんなに楽しいものだったのか,と読者に思わせてしまう.最新の科学が述べられているのにもかかわらず,最後まで一気に楽しみながら読めてしまう不思議な本である.

  そして本書を読んだ後には,おそらく多くの若手研究者が不可能なことへの挑戦を始めたくなるだろう.ただし一般的な考え方で挑戦するだけではダメである.ほかの人とは違うオリジナルな考えで挑戦することが重要なのである.そのオリジナルな考え方を身につけるためにも本書は役に立つだろう.

  各章の初めには著者の研究への思いなどが述べられているが,これはモチベーションと夢を持ち続けるためのアドバイスになる大事な項目である.本書によって,第二の「Kaguya」や「サケからマスをつくる」など世界初のオリジナリティーのある技術が日本の若手研究者から発表されることを私は信じている.

(理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター 若山照彦)

目次

コピー動物をつくる
 ─体細胞クローン個体作出研究の現状と問題点─

角田幸雄・加藤容子 (近畿大学)

クロ一ン技術の一歩前進を目指して
 ─体細胞クロ一ン胚の遺伝子発現解析─

澤井 健 (北海道立畜産試験場)

哺乳類にゲノムインプリンティングが保存される哩由
 ─片親性遺伝子発現のもつ生物学的意味─

石野史敏 (東京医科歯科大学)

Kaguya誕生の謎を探る
 ─ゲノムインプリンティングと単為発生制御─

河野友宏 (東京農業大学)

マウスとウシで"がん"を倒す
 ─ヒト抗体産生マウスおよびウシの作製─

石田 功 (キリンビール株式会社医薬カンパニー)

食べても太らない肉をつくる
 ─植物遺伝子の家畜への導入と機能的発現─

佐伯和弘 (近畿大学)

サケからマスをつくる
 ─始原生殖細胞を用いた魚類の発生工学─

吉崎悟朗 (東京海洋大学)

索 引

<A~Z>

3n ⇒ 3倍体
B細胞
Bisulfite法
coden usage
DHA
DMR(Differentially methylated regions)
DNAのメチル化 ⇒ メチル化
EPA
ES細胞
fg(fully grown oocyte) ⇒ 卵核胞期卵
GFP遺伝子
HAC(human artificial chromosome) ⇒ 人工染色体
ICM(Inner Cell Mass) ⇒ 内部細胞塊
Kaguya
KMマウス
MⅡ期
Meg(maternally expressed genes)
MPF(Maturation Promotinng Factor) ⇒ 卵成熟促進因子
ng(non growing oocyte) ⇒ 非成長期卵母細胞
Oocyte Growth Phase ⇒ 卵母細胞の成長期
Peg(Paternally expressed genes)
Trophectoderm ⇒ 栄養外胚葉

<あ・ア>

アセチル化
アセチルCoA
α-リノレン酸
アンチセンスRNA
遺伝子破壊
インスレーター仮説
栄養外胚葉
液性免疫
エピジェネティクス
エンハンサー
オリーブ

<か・カ>

介助分娩
核の初期化
過剰排卵
過大化
片親性発現
可変部位
γグロブリン
キメラ個体
組換えDNA実験指針
組替え動物性食品
クローニングベクター
軽鎖
ゲノムインプリンティング
減数分裂
骨髄間葉系幹細胞
コンフリクト仮説
コンプリメンテーション仮説

<さ・サ>

細胞性免疫
産子の過大化⇒ 過大化
3倍体
ジーンノックアウト ⇒ 遺伝子破壊
自発呼吸
脂肪細胞
脂肪酸不飽和酵素
重鎖
受精卵移植
受精卵クローン
初期胚
親魚
人工授精
人口染色体
生後直死
生殖細胞
生殖隆起
造血幹細胞
桑実胚

<た・タ>

体外受精
体細胞クローン
体細胞の分化
胎仔期生殖細胞
胎盤
代理親魚
脱アセチル化
単為発生
父方アレル
ドナー細胞
トランスクロモソームマウス
トランスジェニックマウス

<な・ナ>

内部細胞塊
妊娠認識

<は・ハ>

胚移植
胚盤胞
ハイブリドーマ
発生能
母方アレル
ヒストンのアセチル化⇒ 脱アセチル化
非成長期卵母細胞
不可変部位
不飽和脂肪酸
プリオン病
プロモーター
分化
飽和脂肪酸
ポリクロナール抗体

<ま・マ>

マイクロインジェクション
マイクロマニピュレーター
ミクロセル(microcell)
未受精卵
未分化
メチル化
モノクロナール抗体

<や・ヤ>

野生型

<ら・ラ>

卵核胞期卵
卵丘細胞
卵成熟促進因子
卵母細胞
卵母細胞の成長期
リノール酸
リプログラミング
両親性発現
レトロトランスポゾン
緑膿菌

<わ・ワ>

ワイルドタイプ ⇒ 野生型

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