【特集】高齢者の患者学
老化は誰にでも訪れる生命現象です。老化現象には「体の衰え」と「こころ(精神)の衰え」の 2つに大きく分けられます。体の衰えは、生理的老化(筋肉の衰え,禿・白髪,しわ,老眼,白内障、加齢臭など)や病的老化(動脈硬化,骨粗鬆症,認知症など)、こころ(精神)の衰えは、やる気を失う,環境への適応能力の低下,忍耐力の低下、感情の爆発です。高齢者は個人差が非常に大きく、個々に最適な治療法やケアが必要です。断片的な健康情報に振り回されていませんか。本当に必要で基本的な知識をまず身に着けることです。「高齢者の患者学」のポイントをまとめ、私たちがそれぞれの疾患や症状とどう向き合うべきなのか、どう付き合えばよいのか、患者として、患者の家族としてどう振る舞えばよいのか、という視点から構成しています。
【巻頭言】
高齢者の患者学"治す医療"から"治し支える医療"へ
秋下 雅弘(東京大学大学院医学系研究科加齢医学〈老年病学〉教授)
【特集】高齢者の患者学
特集1.転倒・骨折とその予防法
小川 純人(東京大学医学部附属病院老年病科 准教授)
特集2.認知症の症状と予防法
木棚 究(東京大学大学院医学系研究科 在宅医療学講座 特任助教)
特集3.肺の病気にならないために─ 肺炎および COPD の対策
石井 正紀(東京大学医学部附属病院 老年病科 講師)
特集4.スマート服薬のすすめ
小島 太郎(東京大学医学部附属病院 老年病科 講師)
特集5.高齢者の高血圧─ 緩やかな管理で老化を緩やかに
秋下 雅弘(東京大学大学院医学系研究科加齢医学〈老年病学〉教授)
【連載】コンパニオンバードから学ぶ<第8回>
~コンパニオンバードとマイクロチップについて~
重茂 浩美(文部科学省科学技術・学術政策研究所)